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国内人権機関NHRIはなぜ日本に必要なのか?#ブレボダ #8bitNews

2026/09/21 ▶ VIDEO

この動画の要点

全文書き起こし

ジャーナリスト 構海沙紀:皆さん、こんばんは。ビデオポッドキャスト番組「Breaking Borders(ブレボダ)」ジャーナリストの構海沙紀です。この番組はローカルから世界まで、さまざまな境界や壁を越えて一週間のニュースを振り返り、解決のために自分は何ができるのかを一緒に考え、一歩を踏み出すきっかけを探ります。

今夜はですね、台風の影響もありまして、私も念のため外出はせず、自宅の中から収録してお届けしております。現在午後7時半前ということで、急いでこちらの内容を、生配信にするかギリギリまでちょっと迷ったんですけれども、結構外も大雨が降っている状況ですので、念のため自宅から収録でお送りさせていただきたいと思います。

皆さんの住まい、お住まいの地域も大変心配ですが、台風25号についてニュースをお伝えします。大型で強い台風25号による大雨を受け、総務省消防庁の午後3時の発表によりますと、現在、茨城県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県で合わせて77万5083世帯、167万4084人に避難指示が出されています。

千葉県はですね、午後7時現在、君津市の小糸地区、浸水想定区域の299世帯668人。袖ケ浦市の1万8000世帯4万363人。小櫃川流域の河川氾濫浸水想定区域の7674世帯1万7628人。市原市の養老川洪水浸水想定区域の2万9669世帯5万5562人。大多喜町久保区、猿稲区、桜台区、田間地区の285世帯545人に、警戒レベルで最も高いレベル5の緊急安全確保を出しています。直ちに安全を確保し、命を守る行動をとってください。

また気象庁は、東京都伊豆諸島の大島町にレベル5の土砂災害特別警報を出しています。この台風25号はですね、現在暴風域を伴って関東甲信地方に最も接近しています。今夜遅くにかけて雷を伴った激しい雨や、非常に激しい雨風が降ってですね、伊豆諸島では猛烈な雨の降るところがあると見られます。気象庁は土砂災害などに最大級の警戒をするよう呼びかけています。

ということで、皆さんのお住まいの地域、まさにこの大雨が降っている地域だったり、この土砂災害、そして河川の氾濫のリスクが非常に高いよという地域の近くにお住まいの方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。こうした災害が起きているときは「正常性バイアス」が非常に働きやすいとも言われています。「自分は大丈夫でしょう」とか、自分の住んでいるエリアは問題ないでしょうと、何かそのように思ってしまう、思い込んでしまう心理も働きやすい状況でもありますので、ぜひ皆さんご自身の自治体が出されているこの警戒情報をぜひご覧になって、そして少しでも避難、レベル5まで出ていなかったとしても、避難をしたほうがいいかなというふうに思われた方はぜひ避難所に避難するだとか、高いところに逃げるだとか、そうした行動をご自身でぜひ取っていただきたいと思います。ご自身の友人やご家族、大切な方がその地域のエリアに近くにお住まいの方はですね、ぜひそうした一報を入れて差し上げて、「逃げてね」と、命を守る行動をとにかく最大限取ってくださいと、最優先に取ってくださいということをぜひお伝えいただけたらと思います。

はい。そして今週のブレボダはですね、テーマはこちらになります。「国内人権機関NHRIはなぜ日本に必要なのか?」ということで、実はですね、この国内人権機関を日本でも作ろうよと、作ってほしいと国に呼びかけようよということで、ある団体が、ネットワークがですね、この9月立ち上がりました。その設立の記者会見を取材してきましたので、そちらの様子をこの後皆さんにご覧いただきたいと思います。

ただですね、これ耳馴染みのない方も結構いらっしゃるんじゃないかなと思うんですよね。このNHRIについて、少し記者会見でもお話しされていたエセックス大学ヒューマンライツセンターの藤田早苗さんが記者会見で発表されていた内容をですね、こちらでも改めてお伝えしたいと思います。このNHRIというのは、National Human Rights Institutionの頭文字を取ったNHRIという意味合いになります。

じゃあどんなものなのかというと、このNHRIというのは国際人権条約などで定められた基準を国内の人権保障に活かすための機関ですというふうに言われています。色々人権をきちんと守ってくださいねということだったり、例えば外国人労働者の問題とか、さまざまなこの人権に関する不平等だったり不均衡があって、それを是正してほしいというふうに声を上げる団体というのはもちろん現在もあります。日本の国内にもありますし、世界にもあります。ただそうした民間の団体とは違う、国内法、法律によって設置されるものがこの国内人権機関と呼ばれるものなんですね。

1946年に最初にローカルな人権委員会の設置が世界で求められていて、その後1970年代には世界各国で設置が加速していきました。1993年の「パリ原則」、国内人権機関の地位に関する原則というものがパリ原則というものがあるんですけれども、それが1993年にできて、そこで初めて国際的な基準というものが明確に示されました。

で、このじゃあそもそも国内人権機関ってどういうことをしてくれる団体なの?というところはですね、例えば独立性が確保されている機関ですということなんです。これどういうことかというと、政府から、日本の場合、日本に落とし込んで考えてみましょうか。日本政府からの干渉は受けずに独自の判断で活動できるような財政的、そして組織的な独立が保証されていなければいけない団体なんだよということがこのパリ原則では決められています。

あとは例えば幅広い権限と責任があります。人権問題に関する勧告とか意見書を提出する、あとは他の国際機関と協力する、人権教育などを行う広範な権限を持っています。そしてさらに構成員、どういう人たちが作っているのというところも非常に多様性があって、委員の選出にあたっては政府の関係者だけではなくて、NGOだったりいわゆる社会的に少数者と言われる方々など、多様な社会層の代表が参加できる仕組みを作りましょうということも定められています。そして活動を効果的に行うための十分な予算が与えられることというところも示されているものなんです。

藤田さんの発表によりますと、現在世界では119機関あるんだそうです。UKにはですね、なんと3機関もあるんですね。そしてアジア太平洋地域には26機関あって、日本もきちんと作ってくださいねということは国連からも言われてはいるものの、現在作られていない状況です。

で、例えばどんな権限があるのか。さっきも簡単に示しましたが、より具体的に見ていくと、調査をする権限を持つことができるのがこの国内人権機関ということなんです。人権侵害の申し立て、「こういったことがあって人権侵害がありました」そういったことを申し立てをしたときに、それをきちんと受理して関係者への事情聴取だったり証拠・関連書類の提出を求める権限があります。はたまた政府や議会とか、その他権限のある機関に対して、人権保護のための立法、そして行政措置や既存の法令・慣行の変更を勧告する権限がある。そもそも今こういう法律があるけど、それじゃあ全然人権が保証されていないような人たちがいたり、こういう問題が起きているんですよということをきちんと言って、それをきちんと是正してくださいねと、然るべきルールを作ってくださいねということを政府だとか議会にも言う権限があるということなんですね。ここは一つとても強いパワーがあるなと思います。

また、もう一つあるのは裁判所を通さずとも調停だったり斡旋を通じて、何かこう争いが起きているものの有効的な解決を図る、救済を提供するということも機能の一つとしてあります。現状はですね、例えばその裁判で訴えて、例えば国を訴えました、自治体を訴えましたという当事者の皆さんがいたとしても、その裁判で負けてしまった、そこで終わってしまうわけじゃないですか。だけどそういう裁判所のこういう司法の道だけじゃなくて、独自に国内人権機関としてもこういう救済できるような調停を開くだとか、そういうような権限もあります。そして、ここが大事なポイントですね。政府からの干渉を防ぐために十分な予算の確保と、委員の独立した任命プロセスが保証されているというところです。

そういったものがあります。で、国内人権機関が与えられているいわゆる責任、今は権利の話をしたんですけど、責任としては、きちんと国際的な人権基準が国内で遵守されるように、この国内人権機関が監視してあらゆる人権侵害の防止に努めることが一つの責任だったり、はたまた人権教育ですね。きちんと市民への人権意識の普及や学校や地域社会での人権教育、あとはそれに関連する出版とか広報活動を行うこともこの国内人権機関の役割の一つです。

で、会見で藤田早苗さんが言っていて非常に特徴的だったのは、「国際基準に沿った本来の人権教育のことを指します」ということをですね、重ねて話していました。これどういうことかというと、「人権って皆さん何だと思いますか?」という質問をしたときに、「他者に対しての思いやりです。優しい気持ちを持って他者にも思いやりを持って何かをしてあげること」みたいな感覚って少しあったりしませんか? これね、そういうものじゃないんですよということを藤田さんは重ね重ね話しているんです。実は私ですね、大学院、ジャーナリズム大学院にHBC北海道放送を辞めてから2年間通っているときに、藤田さんの講義を2回ほど受けた経験があって、その中でもまさにこの「人権とは」って話をですね、していただいたことがあるんですね。その中でもやっぱりここをすごく強く言っていたので私も記憶に残っているんですけど、やっぱりこの思いやりとかそういうものじゃなくて、誰にでも当たり前に平等に与えられている権利が人権なんだと。だから「私があなたに対して思いやりを持っているから優しくしてあげます、あなたの権利を尊重します」とかっていうそういう次元の話ではないんです、そもそもという。もう然るべき誰もが持っているものなんだと。それを侵害されたらおかしいでしょっていう、そういうことだよねと。そこをきちんとそういう、なんだろうな、思いやり云々じゃなくて、きちんと人権とは何かということを分かった上で、それの教育をしてくださいね、教育をしなきゃいけないよねっていうのがこの国内人権機関に大切なポイントです。

はい。あとはさっきも言った国連の機関とか国際機関との連携だったり、そして報告書の提出ということも、きちんと定期的に議会等へ提出していくというようなことも、この国内人権機関の責任としてありますよということでした。はい。で、記者会見ではですね、この藤田さんのこうした国内人権機関ってそもそも何という話などもオンラインで繋いで話していたんですけど、ちょっとですね、会場の音声の状況とかがあんまり良くなくて、皆さんに映像で見ていただくにはちょっと音が小さかったり、ちょっと分かりづらいところがあったので、私が今回この会見の中で話されていた内容をちょっとかいつまんで前段として皆さんにお伝えさせていただきました。現場でも撮れている映像だったりありますので、それでは会見の様子、皆さんにご覧いただきたいと思います。

JCoN事務局長 弁護士・社会福祉士 山本悠一:NHRI国内人権機関設立推進ネットワークの事務局長の弁護士の山本悠一からご説明させていただきます。2022年に自由権規約委員会の政府報告書審査がありまして、そこにNGO連合で出席をすることになりました。で、その際にカウンターレポートをNGO連合で出したんですけれども、2022年後、何か新しい取り組み、もしくは継続的な取り組みができないかというところの話をしていて、藤田さんや海渡弁護士や私や、また何人かのメンバーで、そしたら国内人権機関についての勉強会をしてみようということを企画してやったところ、本当にたくさんの方々が関心を持って参加をしてくださいまして、まさにこれが国内人権機関がこれから私たちが追求していくべきものなんだということで、この何年間か設立に向けて準備を進めてまいりました。

私は弁護士なんですけれども、現在弁護士16年目で、2019年に、遅くなったんですけれども、2010年に弁護士登録をして約10年後の2019年に初めてこの国内人権機関NHRIというものの存在を知りました。私は10年間弁護士として、まさに法廷に立つ法廷弁護士としてさまざまな事件を取り扱ってきたんですけれども、やはりその10年間の中で一番強く感じたのは、司法の手続きの中で解決できることと解決できないこと、解決しきれないことがたくさんあるんだということを、まあこの10年の弁護士活動の中で非常に感じました。そしてそれは決して裁判所が機能、無能であるとか裁判所が十分ではないということを私は言いたいわけではなくて、さまざまなその特に人権の問題っていうのは司法での解決のみならず、さまざまな救済システムの中で被害者の思いだったり被害者の救済っていうものが実現されていくものなんだということを、まあ私は実務の中ですごくこう感じるところがありまして、2019年に国内人権機関NHRIの存在を知った後に、それを日本の中で設立するためにいろいろな活動をやっていこうと思いまして、途中2022年には藤田早苗さんがいるイギリスのエセックス大学に留学をして、この国内人権機関についても勉強してまいりました。

そういった形でこのNHRI国内人権機関というものは、日本にはまだ設立されていないんだけれども、この何十年もこの設立を悲願として活動されてきた方々たくさんいらっしゃるということも知りまして、この度このネットワークを作りました。パリ原則に基づくこのNHRIというものの設立を目指すものなのですが、一つ特徴としてはさまざまな分野の団体や個人が分野を越えて参加していき、活動していくというネットワークであるということ。そして、もちろんネットワークでもこれからさまざまな取り組み活動を続けて進めていきたいと思うんですけれども、ポイントはその各団体や各個人が現場で、それぞれの現場で活動を継続しつつ、このNHRIという共通課題ですね、横串を通すとかっていうこともありますけれども、共通の課題であるNHRIの設立に向けて連携するという、そういう横断的な、いわゆるプラットフォームを作りたいというふうに思っています。なのである意味ではネットワーク自体が何か個々の人権課題についての解決だったり救済を担うものではありません。それぞれの団体、それぞれの個人の方々がそれぞれの持ち場で人権活動をしていくということは基本になりつつも、共通の課題であるNHRI設立に向けて協働していくということを目的としています。

そしてもう一つの特徴としては、もちろんこれまでこのNHRI設立に向けてさまざまな方々がいろいろな声を上げ、いろいろな活動をしてきたと思うのですが、特にこのネットワークは、自ら、もしくは周りの人が差別や排除、いわゆる人権侵害を経験してきたそういう当事者の方々や当事者を支援する団体、当事者の団体が中心になってNHRIの設立を求めていくという形にしたいと思っています。必ずしも人権関係のNGOだったり専門家、弁護士も含めてですけれども、専門家や研究者のみが議論するというそういう話題ではなくて、皆が、その私事というんですかね、自分たちの問題としてNHRIの設立を求めていく。このレジュメにも書いているんですけれども、この「Nothing about us without us」という考え方をきちんとこのネットワークの根本に置いて進めていきたいと思っております。

現在の時点での構成メンバーは個人で70名以上いらっしゃいます。ちょっと前の数値になりますので70となっていますが、直近で確認したところもう80名以上の方が参加してくださっているという状況になります。構成メンバーは本当にさまざまな方がいて、当事者の方々、それから当事者団体に加入されている方々、私のような弁護士等の専門職、研究者、それからジャーナリスト、今隣に見えますが、こういう議員の方々等、いろいろな方が本当にこのネットワークの趣旨に賛同してくださって参加をしてくれているところです。今後も個人の参加は広く呼びかけていきます。一方で団体については、まだこのネットワークが設立当初ということもありまして、たくさんの団体が加入しているというわけではありません。なのでこの記者会見、設立記者会見をきっかけにして、広く団体への加入というのも呼びかけていきたいと思っております。

優生保護法問題の全面解決を目指す全国連絡会 藤井克徳:私は今紹介ありましたように、優生保護法問題の全面解決を目指す全国連絡会、優生連の共同代表であり、日本障害者協議会の代表の藤井克徳と申します。2024年の7月3日ですね、最高裁が優生保護法問題で判決を出しました。一つの終着点だったと思います。と同時にこの終着点は、新しい社会への扉を開く意味もあったと思います。そして今、補償法とか謝罪を届けようと、さらには再発防止を含む検証会が進んでます。その大きな新しい扉の一つとして、この国内人権機関のテーマが上がってくるだろうと。

思い出してください。あの訴訟を起こした飯塚淳子さん。彼女は何度も何度も厚生省に足を運んで、厚労省に足を運んで、そして判決が出るまで25年間かかってしまった。いつが起点かというと、この補償法の起算点が1999年10月の18日。ここから2024年の7月3日までということになるわけです。25年間かかった。そう思いながらずっと見渡しますと、あの社会的入院、精神科病院の長期入院問題ですね。一番新しいデータでは1年以上入院している者が15万6000人もいる。そして一般の入院患者さんっていうのは大体15.5日。精神障害者は255.5日。非常に長い。その多くは自分で主張しにくい、あるいは主張できない人にこういう問題が集中しているということなんです。

で、厚労省、法務省はですね、それは今まで既存の枠組みであって、枠組みがあれば、例えば人権擁護委員会だとか、裁判もあるでしょうとか、あるいは障害者差別解消法もあるでしょうとこう言います。でも現実論より証拠でですね、今私が言った問題っていうのは何十年来変わってないわけですね。つまり既存の制度、枠組みが機能してないということであります。私どもこの障害分野も、国連障害者の権利委員会から2022年に大事な勧告を受けました。その第70パラグラフでは、広範なこの権限を持っている、かつ人的、技術的、そして財政的に完全にパリ原則に則ったものを作るべきであるということを言っているわけであります。また同じ総括所見の中では、日本の障害者政策は「パターナリズム」に満ちているということもあります。これは父権主義でですね、つべこべ言うんじゃない、黙ってついてこいという論調ですよね。ずっとこれで来てしまった。言葉は良くないですけど、カッコ付き、まるで二級市民。この状態化が今の日本の障害分野の特徴点かと思います。来年は日本国憲法が80年、基本的人権を謳っての80年。私個人は来年には目処をつけて、その80年の節目ということをみんなで考えたいな、こんなことを障害分野から訴えたいと思います。

東電福島原発事故による国内避難を経験 地脇美和:私は2011年の東日本大震災に伴う東電福島原発事故により被災、被曝した元福島県民です。レベル7の過酷事故から15年経ちましたが、原発事故はいまだ収束しておらず、原子力緊急事態宣言は発令中で、福島第一原発では被曝を伴う収束作業が続いています。大量の放射性物質が広範囲に拡散され、福島県からの避難者は一時16万人以上に上りました。東日本各地から避難した方もいます。現在、政府公表だけでも2万3000人以上が避難を継続しています。

国連人道問題調整事務所は、人間の安全保障の観点から「国内避難民」と位置づけています。しかし日本政府は、日本政府や福島県は国内避難民の人数や実態を正確に把握することをしません。戦後最大の国内避難民を生じさせた原子力災害は、現在進行形の問題を多数抱えています。国や福島県は事故前の放射線量に戻っておらず、インフラが十分に整備されていない場所への帰還政策を進めています。避難解除に伴い賠償が打ち切られ、生活に困窮する人、ホームレス状態や追い詰められ自死した方もいます。PTSDの可能性がある高いストレス状態にある避難者も多くいます。福島県は「県民に寄り添う」と言いながら、さまざまな事情を抱えた避難者を避難住宅から追い出す裁判を40件以上提訴し、追い出しの強制執行さえ行っています。

大規模災害が続発する中、誰もが国内避難民になる可能性があります。私はNHRIを知ったとき、暗く荒れる海の中で灯台の光を見た思いがしました。世界120カ国にあり、これは世界の半分以上ですが、日本にはないNHRIについて知れば、希望と元気が出ると思います。

JCoN事務局次長 小田浩和(オンライン):まずこのJCoNの一番の目標は、2028年度の目標ということで、パリ原則に基づく政府から独立した人権国内人権機関の設立を実現する。これを2028年に設立するというのを掲げて、この中期の事業活動計画を組んでおります。まず2026年度は、この記者会見を皮切りに、この日本国内での周知の拡大であったり、この団体の基盤形成、ネットワークの拡大というのを主に行っていきます。その中には各種現地でのイベントであったり、ホームページの拡充ということを考えております。そして2027年度には世論の形成であったり政策の形成ということを考えておりまして、具体的には日本のNHRIはどのようなものになるべきかということを議論していく段階になります。そして2028年度に制度を実現するということで、法制化、設立を目指します。法制化、設立が最終ゴールというふうに位置づけはしたんですけれども、そこでこのネットワークがなくなるということではありません。設立した後もこのネットワークというものを主体として残して、設立した後はそのNHRIがどのように活動していくかというものを我々が監視したり、モニターをしたり、時には協力し、時には意見をしというふうに共に成長していくようなネットワークの活動を計画しております。で、1年に一度しっかりとこの1年で何ができたかというものを振り返り、次の年をどう活かしていくかというものを考えていきたいというものは1年に一度設ける予定です。

記者:生活ニュースコモンズの草野です。よろしくお願いします。今後、国会議員のほうにはどのような形で働きかけをされていかれるか。それから法務省の人権擁護委員で十分だと言っている政府見解を崩すのにはどのようなことが必要になってくるか、具体的にお教えください。

山本悠一:まず議員要請活動というところは、このネットワークの中でできる限り近い段階で積極的に始めていきたいと思っています。一つはいわゆる院内集会というものがこの人権の分野においてもたくさん行われていると思うんですけれども、私もいろいろな院内集会に参加したことがあるのですが、どうしても院内集会というのは議員の方々参加してくれるんですけれども、そこでご挨拶をして「頑張ってください」ということを言ってご退席されてそこまで、ということがやっぱり多いことを私はすごく驚きとともに懸念もしているところなんです。なのでネットワークとしては、もちろん場所は参議院会館、衆議院会館そういうような地の利があるところを使うことはあるかもしれないんですけれども、もっと議員の方とより親密に細かく強く勉強会をしたり意見交換をしたりして、このNHRIの設立必要性についてまずご理解をいただくということと、さらにその議員の中にその趣旨に賛同していただけるのであれば、それぞれの持ち場で設立に向けて活動するということをやっぱりお約束いただいて、それを実際の活動に反映していただくという、そういうプロセスをきちんとネットワークとしては作っていきたいなというふうに思っています。まあそういうのを院内集会とか議員要請活動とかいう言葉では表せるかもしれないんですけれども、ちょっとこれまでとは異なる実質的な議員要請活動をネットワークとしてはしていきたいなというふうに思っています。そしてそれの目指すべきところは、当然超党派の議連というものではあるんですけれども、これは実現可能性も含めてネットワーク内でもいろいろと議論をしなければならない点だというふうには思いますので、目標は超党派議連というところではありますが、まずは地道な議員要請活動を始めていきたいというふうに思っています。

2点目の法務省の人権擁護機関については、もちろん現時点ではNHRIがない中での日本としては、人権救済の主たる機関の一つとして考えられているとは思います。もう一つは弁護士会、日本弁護士連合会および各単位弁護士会が持っている人権救済手続き、これが二大分野だと思います。私自身も日本弁護士連合会の人権救済調査の弁護士スタッフをしておりまして、長らく弁護士登録以降10数年この弁護士会の人権救済調査活動にはずっと取り組んでいるところです。しかしながらこの法務省にしても、それから弁護士会の人権救済調査にしても、いずれもいわゆる強制力もないですし、勧告提言をしてもそれに従う義務もないというところで、やはりそのNHRIが持っている権限機能とは全く違うものなんです。なので国は政府はこの法務省の人権擁護機関が日本の人権救済の主たるものだ、これで大体NHRIは代替できているんだということを国際機関には述べているところですけれども、全くもって代替されるものではないですので、ネットワークとしてもそのことをきちんと市民、多くの方々にまず理解していただいて、このNHRI設立の必要性を説いていきたいなというふうに思っています。

ジャーナリスト 構海沙紀:NHRI、国内人権機関があることで、それこそ調査をする力を持っているだとか、調停もすることができるって話があったと思うんですけど、これっていうのは今ある機関ではできない、任意ではなく強制力がどこまであるのか、執行実際具体的にできるのかというところ。あと今現状のところとどれぐらい具体的にこのNHRIがあることで、人権侵害をされていると訴えられている方たちの救済に具体的にどうやってつながるのかというところをぜひお伺いできればと思います。

山本悠一:NHRI国内人権機関というのは、定義上は憲法または法律に基づいて設置されるものでして、そのNHRIが持つ機能というのはまさに憲法や法律の中で規定されていることになります。で、日本ではいまだこのNHRI設置法がないので、具体的にどんな機能を持つのかというのは具体的なこととしては説明することはできないのですが、すでに持っている諸外国のNHRIでは、例えば調査において任意の調査のみならず強制的な調査手続きの機能を有するNHRIも多数あります。強制的というのはつまり、何らかの質問をしたり事実照会をしたときに回答義務があるということですね。あくまでご協力、お願いレベルでご回答ください、資料を出してくださいではなくて、きちんと義務を法律上の義務を課すというところがNHRI設置法の中で、調査救済手続きの中でそういう機能を持たせることができるということになります。で、そういったことは現時点での先ほど述べた法務省の人権擁護局の人権救済手続き、それから弁護士会が有する人権救済調査手続きでは持っていない機能で、まさにこれが国家機関としての人権機関、単なるというわけではないんですけれども、いわゆるNGOではないんですが、弁護士会の民間の団体のものとか、法務省の一部局としての法務省の人権擁護機関ということではなくて、独立した地位を持っている、独立した機能権限を持っている人権機関だからこそできることなんです。で、これまで日本でも2002年と2012年にこのNHRIに関する法案、設置の法案が出てきておりまして、その中ではこの調査手続きの中で強制調査の力まで持たせるのか、任意の調査に留めるのかというところは大きな議論があったんですけれども、やはりこれは今後NHRIを設置することが議論になったときには、きちんとした適切な強制調査能力を持ったNHRIを設置するという方向で私たちは運動していきたいなというふうに思っています。

ジャーナリスト 構海沙紀:はい。ということでご覧いただきました。当事者の皆さんの声というのもですね、すごく拾われていて、で今回のこのJCoNですかね、このネットワークを立ち上げるにあたっては、いわゆるNGOでこの人権のことをずっとやられてきた方たちとかだけじゃなくて、当事者の皆さんも含めて一緒にネットワークを作っていきますというところが非常に特徴的だったのかなというふうに思います。で、今回のこの会見は、この国内人権機関を日本政府にちゃんと作ってくださいねということをこう呼びかけていくためのネットワークということで、じゃあね、どのようなスケジュール感で進んでいくのか後半でも話されてましたけど、今年度の段階ではまずはこのそもそも国内人権機関って何というところを世の中の人たちに知ってもらうというところと、あ、知った上で自分も何かできるかもしれないとか、自分の立場からはこういうアプローチができますよというような人たちとも繋がるための、そういう一年にしていきたいって話がありましたよね。勉強会だったり、いろいろ発信に力を入れていきますということを話されていたと思います。そして2027年度は制度を描き支持を広げるということで、実際の日本で作る場合のNHRIの提言書とか制度、こういうものを作ってほしいというところを具体的に皆さんのほうで作っていくという話でしたね。あとは国際連携、海外のNHRIとの連携をしていくだとか、そんなところも書かれています。そして2028年度では制度を実現するということで、法案の提出を支援したりだとか、国会の審議で論点の整理をする、情報提供する、必要に応じた修正提言などをするなどなど、まさに本当に国会の場でこの国内人権機関を作っていくための具体的な一歩を踏み出すタイミングですね。そして2029年度以降は機関を、できたというようなところ、設立されてからは機関を支えて育てるということで、これあくまで設立推進ネットワークということでありますけれど、会見の中でも話してましたけど、できたから終わり解散ってわけではなくて、そのネットワークを活かしてその後もきちんと支援していく、フォローアップしていくということをやりたいという話をされていました。

はい。ということで、私はですね、今回この取材をしていて、日本に逃げてこられた難民申請者の方とか、あとは仮放免者の方、何らかの理由で自分の国には帰ることができない、でも日本では在留資格を与えられていない、そうした方々の状況というのもこれまで重ねて取材をしてきた中からでもですね、何かこう今の日本の制度では救われない、この網目からこぼれ落ちてしまっている人たちというのはどうしてもいて、そうした人たちを人権の観点から、「いや別にもう関係ないよね、ルール違反したのはあなただよね」というふうに断罪をしてしまって、もう自分たちの目の届かないところに放っておいてしまう、それ例えば外国の方の場合は強制送還をするとか、そういったことになるわけですけど、それって本当に何かこう人権という視点に立ったときに、これでいいんだっけと思うことって本当にたくさんあると思うんですよね。難民の方たちの話もそうですし、それこそこの間8bitNewsで重ねて発信もしてます特定技能のミャンマー人労働者の皆さんの話もお伝えしていますが、本当に氷山の一角だと思うんです。日本に外国から働きに来てくれた外国人労働者の方が置かれている現状、今国でももちろん制度はあるけれど、じゃあそれで果たして十分なんだっけ。そういう制度の歪みとかってたくさんあると思うんです。そうしたところをきちんと第三者的な立場で、そしてある程度の権限を持った機関が緊張感を持って監視をしていくということの必要性はすごくあるなってことは私は個人としてすごく感じています。裁判の結果もそうですね。最高裁で結果が出てしまいました。それで司法の場ではもう戦いようがない形になってしまっている現状があるけど、なんで自分のこの訴えが認められないんだろうというふうな思いで本当に悔しく涙を流している当事者の方たちというのはこれまで見てきました。倉持さんがやっていた精神医療保護入院の件もそうですし、私も性暴力受けたという女性の取材をしていたときも、彼女の訴えが全く認められずに現状の、なんだろうな、自分が悪いんだろうと自己責任のように投げ捨てられるような判決文というのをこう目にしたりするとですね、何か司法の場だけで救われなかった瞬間に、もうその人は本当に社会から放っておかれたような、そういう気持ちになる。でもそれ、これだけの状況ってそれでいいんだっけということはすごくすごく思うことがやっぱりありまして、そういう意味においてもこのNHRIができること、そしてできたらそれで「よかった、これで救われた」じゃなくて、そこから本当に機能しているかどうかというのを私たちメディアとしてもきちんと監視していかなければいけないし、見ていかなければいけないし、一方でそういうことをやろうとしている人たちを一緒に、今みたく人権侵害されていてでも救われない人たちをきちんとキャッチして世の中に「おかしいですよね」と声を上げられるように、私たち自身も伴走しながらその向かいたい未来に対してメディアとして関わっていかなければいけないなということをすごく思っています。

はい。ということで今週のブレボダはこのNHRIについてお届けしました。皆さんいかがだったでしょうか。このブレボダは自分は何ができるのかを一緒に考えませんかということをお伝えしているわけですが、ぜひですね、このNHRIについて初めて聞いたよという方もいらっしゃると思うので、ちょっとね、検索してみたりしてみて、いろいろ出てきます。私自身も、あ、こういう取り組みがあるんだということをこれから、それこそまだ今年度来年度というのは周知をどんどんやっていこう、仲間集めをして繋がっていこうというフェーズだとは思うんですけれども、そうした現場の取材もそうですし、国会の場にステージが変わったときにはそういう観点からもですね、取材を重ねて発信もしていきたいなということをすごく感じています。

はい。次回も注目のニュースと現場のリアルな声をお届けしますので、ぜひお付き合いください。ということで今週のブレボダは以上になります。重ねてにはなりますが、皆さんお住まいの地域、大雨、土砂災害、河川の氾濫など非常に今危険な状況が差し迫っている地域の方もいらっしゃると思います。シルバーウィーク中ではありますが、どうぞ本当に命を守る行動を最優先に行動してほしいなと思います。はい。それではまた来週お会いしましょう。お相手はジャーナリスト構海沙紀でした。いい一週間をお過ごしください。

概要(動画説明欄より)

ジャーナリスト構二葵が、ローカルから世界まで、さまざまな境界や壁を越えて1週間のニュースを振り返り、
現場取材をお届けするビデオポッドキャスト番組『Breaking Borders』#ブレボダ。
Breaking Bordersは、ニュースを“自分ごと”として捉えるだけでは終わりません。
私たち一人一人が『解決のために、自分なら何ができるのか』を一緒に考え、一歩を踏み出すきっかけを探ります。

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構 二葵(かまい ふき)
ジャーナリスト。1992年北海道生まれ。2015年HBC北海道放送入社後、事件事故や災害取材をする傍ら、旧優生保護法や技能実習生のドキュメンタリーを制作。2021年退職後は早稲田大学政治学研究科ジャーナリズムコースに進学。修士作品「仮放免者ーーいま日本人に伝えたいこと」が政治学研究科長賞受賞。「共感とナラティブ」への偏重に危機感を抱きつつ「憎悪」の解きほぐし方を模索し、国内外で取材。市民メディア「8bitNews」では1週間のニュース振り返りと現場レポートを届ける「Breaking Borders #ブレボダ」などで発信。

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延長 1時間20,000円10,000円
※税別。オプション:収録サポート 30,000円/件・スイッチング 10,000円/時・字幕 70,000円〜・PR 150,000円/件
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