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地方創生はなぜ「かけ声倒れ」に終わるのか?政策立案者・元デジタル庁統括官 村上敬亮が語る「分配圧力」の弊害

2026/09/04 ▶ VIDEO

この動画の要点

全文書き起こし

堀 潤:さあ、今日はですね、本をご紹介します。まもなく出ます、『新・地方創生論』。えー、この帯の文章がいいですね。「地方創生はなぜ、かけ声倒れに終わるのか」。え、これを村上さんが出すっていうところの意義は、僕はむちゃくちゃ大きいと思うんですよね。なぜなら、8bitNewsの「Next Public」で村上さんの番組をお伝えしておりますけれども、まさに霞が関の内側で、そして現場と繋がり、現場の皆さんをエンパワーメントしながらも、様々な模索をしてきた村上さんだから書けた一冊。今日、この中身をしっかり伺ってまいります。村上さん、新しいスタジオへようこそお越しいただきました。よろしくお願いします。

村上 敬亮:素敵なスタジオで、ありがとうございます。新しいスタジオおめでとうございます。

堀 潤:ありがとうございます。村上さん、先駆者会議をはじめ、地域の先駆者たちとともに、時に俯瞰し、時に現場、虫の目線で。そして、村上さんご自身も政策を立案するだけじゃなくて、時には現場のみんなの人生的な悩みさえも含めて寄り添って、ともに起こしてきましたよね、地域を。で、今回この本に込めたメッセージっていうのは、まず何を意図して一冊書き上げましたか?

村上 敬亮:「活性化から自立へ」っていう風に冒頭で書いてます。あの、10年間「地方創生」と言い始めてやってきて、だいぶ色んな取り組みが出てきたと思うんですね。で、やっぱり地域の中の人だけだと、お互い気にしてやりにくい部分も、色んな域外の人と混ざるっていう意味で、僕、随分変わったと思うんです、この10年間。ステージ1は上手くいったなって。ただ問題は、やっぱりそれで立ち上がった取り組みが、まだ自立しきってない。補助金頼みだったり、まあ寄付金が悪いってわけじゃないんですけど、自分の事業で自分で資金調達や人材調達ができるステージに行ってないから、これちょっと気を抜くと、またみんなすぐ元に戻っちゃう。それをどうやって次の10年間で、出てきた元気なプロジェクトが自走できるようになりますかっていう、ちょうど転換点に来たと思ったので、そのための手法について今回本を書いてみました。

堀 潤:僕、あの、この本を読んだ一番の感想は、ちょっと村上さんの主観を排して、徹底的に客観的に、具体の現場を数字で、そして、出会った人々のアクション、行動を分析することで成り立っているっていう。なんかよくやっぱり、地域をどう作るか、地域おこしどうするか、地域活性化どうするか、っていう話って、その担い手たちの思いであったりとか、設計者たちのメソッドみたいなのを、その方の狙いとして書かれているものは非常に多いなという印象があるんですけど、この本は徹底的に非常に俯瞰した目線も持ちながらも、そこには僕が一番大好きな、小さな主語で語られる地域の「実践」、実践者たちの姿が描かれている。ここはやっぱり意図してそういう構造にしてあるのか、それとも違うのか。

村上 敬亮:意図はしてます。で、その裏にあるキーワードは、「コンテンツは横展開いたしませんので、横展開するのは仕組みです」っていう話なんです。例えば、今までの、別にエモい部分は大事なことだし、色んな人が色んな思いで取り組んでこうだったのかって分かることも大事なんですけれども、そうすると結局「その人がいなきゃこの地方できないよね」とか、「まあやっぱり、この美しい景色があるからできるんだよね」って言って、その中身のコンテンツの方を横展開して、「じゃあうちの地域の場合、それに当たる人は誰か。あ、その人がいないからできないんだ」とか、「やっぱり浦島太郎伝説の島なんだ。じゃあうちの場合、浦島太郎伝説は何だ」って、そういう風に行っちゃうことが多かったと思うんですけど、後半徹底してそっちに振ってますが、そうじゃなくて、どういう仕組みで裏でファイナンスをしますかとか、その他人の事業に出資したことなんてないよっていう地域の人が、どうすれば出資ということを覚えますかとか、どういうストーリーでその出資という仕組みに人を巻き込んでいきましたかとか、その中で空き家というファクターはどういう風に活用されたんですかっていう、「仕組み」の方は横展開いたしますので、できるだけその主観的な部分を排して、その裏にある共通化できる仕組みの部分を切り出す。で、それを横展開するっていう、そういう思想になるように書ければいいなと思って書いてました。

堀 潤:いや、なので、これこそ色んなレイヤーの方々に読んでもらうことで、行動変容が生まれるんじゃないかなっていう期待がありました。で、あの、本の具体的な中身、ちょっと順番に伺っていこうかなと思うんですけども。やはり序章ですよね。序章はどちらかというと、今の日本の地域の現状と、日本の中心、東京で起きていることのギャップであったりとか、まさに現状を構造的に指摘されてますよね。「地域経済活性化こそが日本を救う」というタイトルがついていますが、ここ序章ではやはり何が一番ハイライトになってますか?

村上 敬亮:いくつかキーメッセージがあるんですけど、本の掴みは、「豊作だと値が安く、値が高い時は凶作だ」っていう。実はこの本、Next Public始めた後から書き始めてるものですから、Next Publicでもあれは分かりやすいってお話をたくさん頂いたんで、それを掴みに作ったんですけど。一個は、「生産には強いけど流通には弱い地方」。自分で値付けができないから、利益が自分の側に残らない地方っていうことを、まず冒頭に書かせていただいていて。それはやっぱり地域にボキャブラリーがないから、「食えば分かる」じゃ伝わらないんじゃないかって話を頭に書いてます。で、その上で、じゃあなんでその構造が放置されてきたのかっていうと、実は人口が増えてる社会の間は、流通にそこまで詳しくなくても、需要側から引きがあるので、まあ生産だけに強い地域がそんなに急に壊れることはありませんでした。だけどこれから人口減少社会に入りますんで、そうすると積極的に自分から値付けに入らないと、地域に次の投資に使えるお金が残らなくなりますよっていうのが、まあ一つの大きな原因ですねと。で、加えて、地方の財政で補助する支援する側も、2000年頃までは地方に対する支援っていうのは増え続けてたんですけれど、やっぱり聖域なき構造改革で小泉純一郎首相が出てきた後、まあ別にむやみやたらと増やすわけでないどころか、2000年代だけ見るとむしろ自治体にとって非常に自治体財政が厳しい時期があって。まあその反動もあって、第2次安倍政権以降「地方創生」ということで、もう一回地方への資金供給を増やせっていう議論に戻りはするんですけど、そうすると今度はただ単純に、配られた財、持ってこられた財源を均等に配るということに強かった地域が、そのままのマナーでもう一度増え始めた地方財政資金受け取っても、そんなのもう、ジリ貧になってる人たちに薄く広くばらまいたところで何も生まないですから、じゃあそこはこう変えていかないとダメですよねっていう。まあこういう順番で、生産には強いけど流通ができない地方、人口が多い時代はそれで許されたけど今は人口が減り始めたんでそれで許されなくなった地方、でその時に公平に分配することには強かった自治体が、選択と集中を覚えないと、人口が減っている時期の財政資源は追加でもらっても活かせないですよっていう話っていう、この3ステップで現状を読み解いてる、そんな話になってます。

堀 潤:何がそうさせたんでしょうね。

村上 敬亮:うーん、やっぱり色んなことの積み重ねだと思うんですけど、やっぱ一つは人口減少社会に入ったっていうのは正直に効いてると思ってまして。特にあの、1都3県を除く人口って、実は2000年までは伸びてるんですよね、東京が人を吸い上げていると言っても。で、大体その頃生まれたベビーが成人する頃に人口減少インパクトって出始めるので、実は日本が人口減少社会の結果、客がいなくなったな、なんかバスどうする、みたいなの本格的に影響出てきてるのって2020年頃からなんですよ。で、今みんなそのことに「えっ、えっ」ってだんだん気づき始めて、しかも2030年、40年を見通せば同じことこれ東京にも起きるけどさって、地域のうちに解決できなかったら東京に広がってきた時に日本どうなるんだっけっていう話を、やっぱり今みんなさせようとして、できずにグルグル回ってるっていう、そんな感じじゃないかなと思いますね。

堀 潤:リアルタイムのメディア、その時の本当のことを伝えられないんだっていう指摘は、Next Publicでも非常に大きなメッセージだったので、その情報共有して、その情報を適切に読み解いて行動変容に繋げていくっていうのは言うは易しで、まあ色んな工夫がこれからも必要だなと。というのは、人口減少社会が起きて、この国の社会保障を維持したりとか、様々なインフラを維持するのが大変になるっていう話は、まさに消費税を生み出す過程において1970年代ぐらいからもうその指摘はあって。なので一般の大型の間接税がこの国には必ず必要になるんだという、まあそういう理由から始まってましたよね。で、その頃からやはり指摘されてきたけれど、この人口減少社会に対応できないその30年、40年が来たっていうのは、一体何がそうさせたっていう風に考えておけばいいですか?

村上 敬亮:二つで整理すると、一個は、先ほど堀さんおっしゃってましたけど、要するに行動変容は痛みが出た後にしか起こらない。でも課題の解決は、痛みが出る前に手を打たなきゃ間に合わない。このパラドックスを、人類自体がまだ超えてないっていう。まあそこどういうコミュニケーションスタイルと、社会的意識の醸成によって、先回りする痛みの緩和っていう、まあ温暖化でも同じだと思いますけどね。

堀 潤:先日のネパールでの洪水の様子を見ても、随分前から氷河が溶けてるというのは専門家たちは指摘もしてきましたしね。

村上 敬亮:あとね、二つ目はやっぱり、タイタニック問題。大きな船は急には曲がれない。で、あの、この本の中では「シャンパンタワーをぶっ壊せ」っていう第1章ですね。はい、あの編集の方がそれでいいんじゃないって言って、あのタイトルにさせていただいたんですけど。いやもう本でも書きましたけど、道路局に、国交省の道路局に道路予算を渡すと、ちゃんと僕の大好きな利尻島の端っこまで道路の舗装がきちっと進んでて。日本中どこに行っても同じクオリティの舗装率、水道整備率、学校の先生もちゃんとした人が都市部でも、これ素晴らしいことなんですよ。まさにトップから注ぐとコップのない1段目がどこにも存在しないっていう。でもその結果、あまりにもよくできすぎてしまった公平な分配メカニズムという今の自治体を中心とした地方行政のあり方っていうのは、ある種のタイタニックになっちゃってるんでですね。急にその分配よりも、選択と集中でこの地域が生き残るための戦略に、まずは資源を集中投資しましょうって、今それしないと生き残れないんですけど、急にそれしろって言われても、急にそっちに向きが変わらない。だから、そっから小さなボート出してソーシャルベンチャーだとかっていう人たちは、そっち向くんですけど、でも母屋の母船がそっち向けないもんだから、どんどん、どんどんこうなっていっちゃってるっていう。まあそういう行動変容は、痛みを染みた後しか起きないという問題と、大きな船はやっぱり急には曲がれない問題っていう、なんかそういうことを解決するためのソーシャルエンジニアリングがいるんでしょうね。

堀 潤:まさにその第1章では、その選択と集中、さらには分配の、公平な分配というものが引き起こしてきたエラー。そして、先ほどのお話があった値付けの問題。まあここがこう語られているわけですけれども。先ほどの、誰がじゃあその大きな船の舵取りをするのかっていう、船頭であり船長であり。本来その「地方創生」という看板を掲げた政策、もしくはその時の政府、国は、その船頭役ではなかったのかという、まあそういう疑問を多分聞いていらっしゃる方も持たれるんじゃないかなと思うんですけども。しかしながらというところもあるのかなと。このあたりはどう感じて。

村上 敬亮:この本ではその表現使いませんでしたけど、僕は絶賛スイミー戦略推しです。スイミーって分かります?あのレオ・レオニの有名な絵本ね。小さな魚が大群となって。

堀 潤:はい、自分だけ赤い魚のうち一匹の黒い魚だったんで、いじめられてというか仲間にいれてもらえなかったら、ある日実は自分だけ隠れてて、他の魚が全部食べられちゃったと。でも今度次来た時は、赤い魚と黒いスイミーが一緒になって、あたかも一つの大きな魚のように振る舞うことで、無事にみんな生き残りましたっていう、そういう絵本ですけれど。

村上 敬亮:なんでかっていうと、まあちょっと高市総理がどうかっていうのは僕そんなに近くもないし分かんないんですけど、ただまあ長く官邸官僚お前はっていう立場をやってきた経験からすると、総理とて自分の思い通りになんかならないんです。やっぱり大きな仕組みの中で、自民党の中にこういう声があり、こういう力学があり、野党との関係ではこういう力学があり、こういう決断をせざるを得ず、役所は役所でこういう経緯を引きずってきてるし、またその消費税なんかで言うと「いやシステム上それもできませんので」みたいなことが山のように積み重なっている中で、まあまさにこうタイタニックの中で船橋に行ってこう舵を握ってるのは間違いないかもしれませんけど、彼女が船が動かないような舵を切ったところで船は動かない。やっぱり社会ってそういうものなので、できるだけ小回りの利くスイミー君に皆さんになったり、そうしようと思ってる人たちに、これもう社会運動でよくある話なんですけど、それでご飯食べてるとみんな自分の城守らなきゃいけないもんだから、一緒にスイミーなればいいのに、みんなバラバラに動くんです。で、ほぼ同じこと言ってるのに、一人一人が違う用語を使って、ちょっとだけ違うところ捉えて、「いやあいつそこ違うんだよ」って言い始める。いやまあどう見ても同じこと言ってるんだから一緒にやってくださいよって言うんだけど、「いやそしたら俺の城の飯は食えなくなる」みたいなね。で、過激化していっちゃって「えっ」ってなるパターンが多いので、いやいやもうちょっとこう協調的に、まずダウンサイズしたやつからそっちに行って、スイミーとしてそっち向いて動きやすさが出てくれば、母船の方も向きを変えやすくなるんじゃないかっていう、なんかそういう動き方。先駆者会議なんかもまさに、だから似たようなこと考えてる先駆者が、今までだと一人一人が基調講演をして、それに対してコメントするっていう場はたくさんあっても、あの7人がいっぺんに揃って「そうだよね」って言ってるっていう場がほとんどなかった。そういう意味でスイミーの見える化をするっていうのも先駆者会議の一つの役割だったので、そういう場がどんどん増えていくといいなと思ってます。

堀 潤:まさに、その後に協調領域・競争領域ということで、様々な、まあ座組みを村上さんご自身仕掛けていくわけですけど。一点、さらにお話を伺いたいなと思ったのが、やっぱりその分配の圧力が強すぎるっていう、その公平な分配から脱するためにはっていうところが大きなまた一つの論点にもなってましたけれども。その分配圧力の正体は何だったのかというのは、何だったんでしょう。

村上 敬亮:もう、パブロフの犬現象ですね。これ先駆者会議で、ご本人にこないだもう書いちゃいましたよって断ってきたからいいと思うんですけど、藤沢久美さんがね、地元の某県の観光対策のために億単位のお金持ってきたら、「どうせ上手くいかないんだから、その金今すぐ配れ」と言われて衝撃を受けたっていう話がね。まあ結局何年やってもやっぱそこへ帰ってきちゃうんですよ。でもお金持ってくるための理屈として地方創生だとか温暖化対策だとか、その分配原資を取ってくるところの理屈としては社会的ブームにも乗ってくれるし、みんなそうだそうだっちゅうんですけど、実際にお金が県だとか市だとか自分の団体だとかの懐に入ってくると、綺麗に、綺麗に分配しちゃうんですけど。多分そういう組織的ミッションを背負っちゃったのが地元の経済団体だったり、地元の自治体の関係団体だったり、なんちゃら組合だったりっていう。議会が一番典型ですよ。「なんで隣の町でやってる話をうちはやってないんだ」とか、「お前ちょっと今ちょっと商工予算取りすぎだろ、もうちょっと観光に回せよ」とかっていう、常時相互監視を効かすのが彼らのミッションとして、もう議会がそういうものとして設計されちゃってるんで。

堀 潤:最近でも本当に驚いたのは、地域の経済活性化でいうと割と先駆的な事例かなと思われていた福岡で、福岡県議会であのような状況で、まさにこう分配の象徴というか、分け合って、席を回し合って、でそしてまあそれに対して外からものを言うものなら開き直って。うん、いやああいう構造が福岡で起きているんだっていうのは、ましてやじゃあ他の地域だったらってやっぱり思ってしまうところはありましたけど。根深いですよね、やっぱり。

村上 敬亮:まあでも元々あそこが二派に割れてることは有名な話でもありますし、私やその片側の当事者がディープに絡んでいるところの加計学園問題の関係者だったので、なんていうのかな、やっぱり日本中、東京のど真ん中でさえその構造はありますよね。

堀 潤:その時に、まあその提案としてその選択と集中、そしてその後やはり選択と集中するからには、どこが一番の最大の付加価値なのかというのを自分が主導権を握って値付けができて、それを発信できる、その能力が必要だって書かれてますけれども。選択と集中で地方創生論を語ると、必ず出てくる反論は、「あ、そんな経済合理性に任せて、その切り捨てるのか」とか、そういう議論がフッと火がついたりすると、たちまち具体的な自走策に向けられなくなるなということも感じていらっしゃるんじゃないかなと思いますけど。村上さんが考えていらっしゃるこの本の中で提案する選択と集中っていうのは、何に基づいた選択と集中なんですか?

村上 敬亮:要はみんな茹でガエルなんです。今の論理で行くと全員茹でガエルの中に大人しく入ってるんで、最初に1、2匹でいいから、鍋からですね、カエル外に出しちゃうんです。で、そいつらが一定の方向を見出して、でそれに2匹目3匹目と鍋から飛び出してくるカエルがついてくると、自治体とか地域金融機関がそのカエルたちを応援できるようになるんです。自治体や金融機関に先に鍋から飛び出してこの方向に行くという道を「お前が書け」って言うと、「置いていくやつはどうなるんだ」って話になるから、全く話が動かなくなって全員大人しく茹でガエルに浸かったカエル君になっちゃうんですけど、上手にそそのかして2、3匹外に出して、そいつらがまず脱出路を書いてから、「あれいいんじゃない?」っていう順番にタイムラグを持って行けば、自治体や金融機関も十分彼らでなきゃいけない支援ができるんじゃないかっていう仮説で書いてます。

堀 潤:実際実例としても村上さんは、その状況から出して新たに業を起こすとか、地域ではこれまで禁じ手だと言われていたようなものを変えていくっていう、そのプレイヤーたちをどう支えるのかっていう具体的な実例とともに語ってらっしゃいますよね。それを政策的にやるっていうことが非常に大きかったと思いますし、そしてまあ個人的な思いとしてもそこに関わったというのも大きいと思うんですけど。それがまあ引き起こした成果と、一方で冒頭おっしゃったような、それだけではキャップがまだまだはめられているんじゃないかっていうこのジレンマっていうのは、この差分はどう考えていらっしゃる。

村上 敬亮:まさにそこが新地方創生論としてステージ2が必要な部分で、多分最初の10年間で鍋から飛び出したカエルはですね、それぞれの地域に数匹出てきたんです。だけどまだ「そうだそっちだ」って自治体や金融機関がその2、3匹飛び出した道にオーソライズを与えるほどの流れにはなってないのと、まあ何よりその2、3匹がやっぱり補助金等の支援を前提に飛び出しちゃってるんで、この人たちが自分の力で資金調達ができて、後ろから4匹目5匹目のカエルがついてきても来なくても俺たちはこっちに行けるっていう状態を作るのがステージ2だと思うんですね。で、その時に鍵になるとその本で言ってるのが、不動産を上手に使えっていう話と、グローバルファイナンスから金持ってくるんじゃなくて、それが好きなやつだけの限定流通性みたいな「ご利益ファイナンス」って言ってますけど、その二つを完成させれば、飛び出した2、3匹も補助金なしでも生きていけるようになるんじゃねえかと。

概要(動画説明欄より)

「地方創生」が掲げられてから10年余り。全国各地で新たな取り組みや担い手が生まれた一方、その多くは補助金や寄付金に依存し、自ら資金や人材を調達できる段階には至っていません。

なぜ、地方創生は「かけ声倒れ」に見えてしまうのか。

経済産業省や内閣府で地域経済政策に携わり、デジタル庁統括官も務めた村上敬亮さんは、これまでの10年間を「活性化」の段階と位置づけ、これからは地域が自ら稼ぎ、投資し、次の担い手を育てる「自立」の段階へ移らなければならないと語ります。

地方は生産には強くても、流通や値付けには弱い。人口が増えていた時代には機能した「公平な分配」も、人口減少社会では地域の変革を妨げることがある――。

日本の行政を「シャンパンタワー」や「急には曲がれないタイタニック」に例えながら、そこから飛び出す小さな挑戦者を、地域や金融機関はどう支えるべきなのか。新著『新・地方創生論』を軸に、堀潤が聞きました。

全3回シリーズの第1回です。

【主な内容】
・地方創生10年は何を生み、何を残したのか
・「豊作だと値が安い」地方経済の構造
・なぜ地域は自ら値付けできないのか
・公平な分配を続ける「シャンパンタワー」
・大きな制度が急に方向転換できない理由
・小さな挑戦者が連携する「スイミー戦略」
・活性化から自立へ――地方創生のステージ2

【出演】
村上敬亮
経済産業省、中小企業庁、内閣府などで地域経済活性化に携わり、デジタル庁統括官を歴任。

聞き手:堀潤
ジャーナリスト/8bitNews代表

【書籍】
村上敬亮著『新・地方創生論』
日経BP
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/26/08/20/02740/

#地方創生 #村上敬亮 #人口減少 #地域経済 #堀潤 #8bitNews

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