この動画の要点
- 熊本県美里町で8月にオープンを控えていた地域交流施設「ババノバババース」が、地震により大きな被害を受けました。
- 築135年の古民家を再生し、レストランやワークショップ、映画鑑賞などができるコミュニティ拠点として、仲間と共にDIYで準備を進めていた場所です。
- 地震発生時、オーナーの三浦さんは建物内にいましたが、激しい揺れの中で間一髪脱出しました。耐震補強をしていた箇所は持ち堪えたものの、2階部分や外壁が崩落するなどの被害が出ています。
- 再建には多額の費用が必要ですが、三浦さんは「生きていればなんとかなる」と語り、支えてくれる仲間の存在を糧に、再び地域に笑顔を届ける場所を作る決意を固めています。
全文書き起こし
堀潤:熊本県美里町。8月にオープンを予定していた地域交流施設「ババノバババース」が被災しました。オーナーの三浦さんにお話を伺います。
堀潤:こんにちは。すいません、本当に大変な時に。ありがとうございます。
三浦さん:いやあ、つらいですね、これは。ちょっと今、こういう状態で。知り合いの方とかに、屋根は雨漏りしないように敷いていただいたんですけど。
堀潤:そうか……。
三浦さん:(涙を拭いながら)きついです。大丈夫です、絶対ここから。頑張ります。
堀潤:こちらの建物は、まさに施設として8月オープンを控えている段階だったんですよね。どういう施設になる予定だったんですか?
三浦さん:はい。地域交流施設というような形で、地域の方々であったり、外から来る方がコミュニケーションを取れる、交流ができる場所です。ご飯屋さんであったり、ワークショップであったり、教える側と受ける側で色々と話ができる場所を田舎に作りたいなと思って、ここを立ち上げようとしていました。
堀潤:中を見せていただいてもよろしいですか?
三浦さん:はい、どうぞ。ちょうどこの中で、もうすぐ完成の予定だったので施工していたところでした。急に緊急地震速報も鳴らない状態で、激しい横揺れが来て。自分が吹っ飛ばされるような感じの大きな揺れでした。「これはこの古民家ではやばいな」と思ったので、揺られながらここを掴んで外に出たという感じです。
堀潤:自分で体を制御するのが精一杯だったんですね。
三浦さん:無理でしたね。今までの東日本大震災とか、前回の熊本地震とかに比べても、横揺れが激しいなと感じました。内側は、改修する時に耐震補強の補強材を真ん中に入れさせていただいたところは強かったんですけど、それの入っていないところは激しく揺さぶられて、今2階の方がちょっと斜めになっているような感じです。
堀潤:2階の様子も見せていただけますか?
三浦さん:はい。このまま靴で上がってもらって大丈夫です。木の香りがして、すごくいい風情なんですけどね。上はまだ手をつけない予定でいたので、何もしない状態だったんですが、昔についたところがかなり割れていたり。今回は南側の壁がかなり斜めに崩れかけている状態です。正面、南向きの方に荷重がかかったかなと思います。
堀潤:この古民家は築135年、明治時代に作られたものなんですね。
三浦さん:はい。元の持ち主さんから「このまま使ってほしい」という要望もあったので、できるだけ外見は変えず、中だけのコーディネートをうまくできたらなと思って使っていたんですけど。ちょっと今回こうなるっていうのは、本当に信じられないというか。地震が起きた時は、ちょっと夢かなと思いました。Instagramでも「夢だといいな」って書いたんですけど、本当に夢であってほしいというのが正直なところです。
堀潤:ここは、皆さんにとってどういう場所にしたいと思って整備されてきたんですか?
三浦さん:やっぱり、今の地方の田舎ってコミュニティが非常に少ないというのがあって。人が集まる場所がどんどん少なくなっているのが現状なので、若い人でもお年寄りの方でも集まれる場所、そこでワイワイ楽しくできる場所を作りたいというのが一番の考えでした。それがないと、生活に楽しみがない田舎というのも嫌だなと、地域おこし協力隊をやっていて見えてきたところだったので。
三浦さん:(1階の広いスペースを指して)ここには杉の一枚板のテーブルを、美里町の山師の方に作っていただいたんです。これが真ん中に一本、大木があるような感じで置いて、16席の客席を作ろうと思っていました。普通だと4人席とかになりますけど、コミュニケーションのきっかけはご飯を食べている時、安心している時に生まれるんじゃないかと思って、あえて全て相席の形にしました。あと、98インチのテレビも用意しました。お年寄りの方にもはっきり見てほしいので。ワークショップで資料を映したり、懇親会で映画を見たり、そういう場所にしたいと思っていました。
堀潤:外の、崩れてしまった部分は?
三浦さん:元々はここに屋根がせり出していて、下は物置というか、サンルーフに近いような感じの簡易的なものだったんですけど。東側で一番力を受けたのか、そのままスポンと抜けて、柱が抜けてしまったために倒壊したんだと思います。逃げるのに必死だったので、その時の記憶は曖昧です。逃げてから一息ついて、パッと見たら崩れていた。悔しさが一番最初に出てきました。3年間頑張ってきたというのがありますし、大工さんだけでなく自分たちでDIYして、砂利を敷いたりコンクリートを打ったり、ペンキを塗ったり。仲間と一緒に一生懸命作り上げてきたという気持ちがあったので、それがゼロになってしまうんじゃないかと、呆然としました。
堀潤:Instagramでの発信を始めて、反響はどうですか?
三浦さん:嬉しいですよ。そう言ってくれる人がいるっていう嬉しさ。あとは、そこまで言ってくれることに対して応えなきゃいけないなという、義務じゃないですけど、頑張らないといけないなという気持ちになりました。諦めてはいけないなと。生きていればなんとかなる。自分以上に被災されている方もたくさんいると思うので、自分だけがここで諦めるわけにはいかない。応援していただいている皆さんと一緒に、オープンまで持っていこうと思っています。
堀潤:今、まさに伝えたいこと、必要な支援は何でしょうか?
三浦さん:まずは応援していただくこと、そしてここに来て体験していただくこと。AI時代で何でも答えは出てきますけど、人間が体験することは、ここに来ないと絶対にできないことなので。その体験の場を作っていきたいと思います。あとは現実的な話として、2階部分の撤去費用や平屋にするための建築費用など、相当な金額がかかることが予想されます。ここまでで1600万円ほどかかっていますが、さらに1000万円近い金額が必要になるかもしれません。非常に難しいかもしれませんが、皆さんのご協力をいただければと思います。
堀潤:今、三浦さんを支えている一番のものは何ですか?
三浦さん:仲間ですね。一番は本当に、力強い仲間がたくさんおりまして。今日もいろんな方が来られて、現場を見て「自分たちで修繕やります」と言ってくれたり、声をかけてくれたり。そういう方々に支えられているので、僕一人では絶対にやりきれないところですが、皆さんがいてくれて嬉しいです。頑張ります。
概要(動画説明欄より)
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