この動画の要点
- エッセイストの足忍みかんさんが、デジタル化の進展によって取り残される人々や、その家族(ヤングケアラー)が直面する「デジタルデバイド」の問題を訴えています。
- みかんさんは東京都議会に対し、「アナログは福祉」として、デジタル化が強制されない権利やアナログな代替手段の確保を求める陳情を行いました。
- 家族がデジタル機器を使えないため、買い物や予約などの代行が必要となり、自身の結婚や自立といった人生の選択肢が制限されている現状を明かしています。
- 都議会では「広範囲にわたる内容」であることを理由に陳情が議論されなかった一方、海外では現金支払いや紙のクーポンの義務化など、アナログな権利を守る動きが始まっています。
全文書き起こし
堀潤:さあ、今日の8bitNewsこの時間はですね、まさにデジタルデバイドの話でもあり、ヤングケアラーの話でもありというか、当事者の方からご連絡をいただきまして。まさに今、デジタル化を進めようという行政の動きや国の動きというのも大変盛んですけれども、確かに合理的でスピード感も出て効率も良くて、負担も少なくなるんじゃないかと。いや、でもそれはあくまでもデジタルが使える環境においてということですよね。で、「じゃあそんなの勉強すればいいじゃないか」みたいな声が聞こえてきそうですけれども、果たしてそれ本当にみんなできるんでしょうかね。公だからこそ、いろんな観点から誰もがサービスからこぼれ落ちないということも考えなきゃいけないんじゃないでしょうかということで、実は独自に請願の活動を行っていたりとか、様々な声を上げている方が今日のこちらのスタジオのゲストになります。みかんさんです。こんにちは。よろしくお願いします。
足忍みかん:こんにちは。よろしくお願いします。
堀潤:みかんさん、ちょっと簡単な自己紹介をお願いしてもよろしいですか。
足忍みかん:エッセイストとして本を出版したり活動している足忍みかんと申します。私はヤングケアラー、若者ケアラーでありまして、今は都議会や県議会の方に陳情や請願をする活動をしています。
堀潤:よろしくお願いします。順番にちょっとお伺いしたいんですけれども、請願は具体的にどういう内容の請願になるんでしたっけ。
足忍みかん:一応、都議会と県議会の方に動いているんですけれども、こちらが都議会に陳情した陳情書なんですけれども。件名が「アナログは福祉、デジタル必須、強制されないアナログな生活の権利を守ってほしい」という陳情で、デジタルとアナログが共生できるようなというテーマで陳情や請願をしました。
堀潤:ちょっともしよかったら、1行目から読み上げていただいてもよろしいですか。
足忍みかん:はい。「私は高齢者と障害者の家族がいる32歳の女性です。私は弱い立場の人を置き去りにしたデジタル化に不安を抱えながら生きています。私の家族はスマホやパソコンといったデジタル機器は全く使えません。今は電話や対面窓口に赴いたり、郵送の書類は家族自身が行っていますが、インターネットを要する時は私が代わりに手続きをしたり、調べ物を頼まれたら印刷して渡したり、口頭で読み上げたりしています。しかし、私には結婚を考えている人がいます。相手は住んでいるところが遠く、結婚するなら家を出なければなりません。でも、スマホやパソコンも使えない家族を残して家を出ることはできません。もしデジタル化がされていない20年くらい前ならば結婚できたかもしれない、家を出られたかもしれない。でも2024年、現代の私は自分の人生さえも諦めざるを得ません。高齢者らがスマホやデジタル機器を使えずに社会的に孤立することをデジタルデバイドと言います。この問題の対策について調べると、スマホ教室を開く、スマホを買うための助成金くらいしかありません。しかし、当事者の私にとってはこれはすごく不十分で、優しいようで意地悪に感じます。私自身、家族にタブレット端末だったら使えるのではないかと教えようとしたこともあるのですが、結果的には教えてもなかなか覚えられず、私も苛立ってしまい、家族もできないことに自信を失い、萎縮してしまいました。その時、どうして弱い立場の人が弱いまま生きられないのだろうかと思いました。世界的にもこの問題は深刻で、デジタル化を早期に進めた国では何をするにもアプリが必要、対面窓口がなくなり、病院の予約もオンラインになった結果、たくさんの高齢者や障害のある人が孤立して普通の生活が送れずにいます。昨年はイギリスの高齢者団体が、そして今年の5月にはドイツでも署名活動が行われました。ドイツの署名からなのですが、『誰も不利益を被るべきではない。人々はスマートフォン、アプリ、インターネット接続がなくても基本的なサービスや公共インフラにアクセスし、社会に参加できるべきである。ドイツ基本法第3条は法の下の平等を保証し、特定の特性に基づく差別を禁止している』とありました。これは日本の憲法の14条『すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない』にも通じます。日本はデジタル化が遅れていると言われますが、その分いくらでも他の国の失敗から学べるはずです。デジタル化を全くやめろと言っているわけではなく、望んでいるのはデジタルとアナログが共生するためにアナログな代替案を義務付けることを求めています。弱い立場の人を置き去りにし、不利益や不公平を生むデジタル化ではなく、弱い立場の人を無理やり強くさせるのではなく、弱いまま生きられるアナログな生活の権利を守ってほしい。アナログなものは弱い立場の人にとって車椅子や杖と同じような福祉です。脅かされず奪われずに生活できるように、その義務付けを求めます』という陳情を出しました。
堀潤:ありがとうございます。すごい、やはりみかんさんが直面している暮らしの状況というのが伝わってくるような、まさに実体験に基づいた切実な声であり、みかんさんだけじゃないですよね、やっぱりこういうふうに感じていらっしゃる方。
足忍みかん:そうですね。何度か新聞にも載ったことがあるんですけれども、その際に結構新聞社の方にお年寄りの方から連絡が来たりとかして、「自分も共感する」とか「困っている」という声があったり、かなり、なかなかし化されてはいないと思うんですけれども、相当困っている人がいる問題だなというふうに思います。
堀潤:1行目からご自身がヤングケアラーであるということ、ご家族の方の障害の話。具体的には、ここまでみかんさんはどういう人生を送ってきた中で、やっぱりこの問題に強い思いを抱くようになったのか。
足忍みかん:そうですね、そのケアをしている家族は何というか、アップデートするのが苦手というか、一度覚えたもので固定されているので、他のものにするのが苦手なところがあって。なのでやっぱりスマホとかそういうものが使えないという感じで。で、私は結構子供の頃からずっとケアをしてきて、その家族の、なんだろう、安心して暮らせるようなケア。家族が困らないように困らないようにと先回りしてずっとケアをしてきていて。でも、家の中でできるケアだったら自分でなんとかできるんですけれども、こういうデジタル化とかになってしまうともうその、自分でなんとかしようがないようなテーマで。
堀潤:具体的にはどういう手続きとか、どういう所作の中で最初にそれを実感したんですか。
足忍みかん:最近はその、例えば税務署とかに予約するのに対してもLINEが必要であったりだとか、他にも最近話題の東京アプリとか。東京アプリもそのアプリを登録してマイナンバーを登録しないとポイントがもらえなかったりする。他にも通信販売とか、そのお菓子屋さんとかの通信販売とかで、前までは電話で注文がOKだったのに、今はそのネット注文だけになってしまったりとか。で、一番この活動をしようと思ったきっかけというか大きな理由なんですけれども、今年の3月に104の電話サービスというものが終了してしまって。で、家族はそのインターネットができないので、やっぱりその電話で番号を調べるというサービスが大きなライフラインだったんですけれども。なのでそれがなくなってしまって、で、結構その家族に私は「なくなるよ」っていうふうに言ったんですけれども、その、分かっているけれど受け入れられていないところがあって。いまだにその104とかに電話をしていることがあるんです。なんかそれを見るとすごい心が苦しい。私がいくら「もう終わっちゃったんだよ、3月で」っていうふうに言っても、「でももしかしたら繋がるかもしれないから」っていうふうに言ってかけ続けていて。それがなんか、なんだろう、世界からこう見放されちゃったというか。なんか世界はそういうふうに動いていないけれど、家族の世界はそこで止まっていて、でも、なんだろう、変えようがないというか。いろんな人たちはそういう人を老害だとかアップデートできていないとか、そういうふうに覚えさせればいいとかっていうふうに言うんですけれども。でも、多分そういう簡単な問題ではなくて、やっぱり覚えるのが難しい、苦手っていうのがあって、それだけで取り残されちゃってて。なんかそれはなんだろう、正しくないような気がして。そこから活動を始めた感じですね。今まで自分がヤングケアラーっていうのを結構隠してきていて。エッセイストとして活動はしていたので、たまにテレビ出たりとか新聞出たりとかはしたんですけれども、結構その家族関係の話はNGというか隠していて。でもその104の件と、あとその3Gが停波したのが3月に同時にあって。で、その家族のそういう様子を見たりとか、あと世の中がやっぱりその問題を全然問題視していない、軽視しているという状況を見て動こうと思った次第です。
堀潤:もう少し、お話しいただける範囲で、まさにどういう症状であったり、どういう障害、どういう病気があると、そういうデジタルのものが使いづらいのかとか。先ほどなかなか社会的には「アップデート、頑張って習えばいいじゃないか」みたいな冷ややかな声、でも実際には違う実情がいろいろあると思うんですけど、そのあたりもう少し具体的に。
足忍みかん:そうですね、なんか全部の人がそうとは言い切れないんですけれども、私の家族には精神疾患と、あと発達障害がある関係で、やっぱりそのなんだろう、アップデートができないっていうところがあるんです。でもなんか全員がそうというわけではなくて、いろんな人がやっぱりいるので一概に全てとは言えないんですけれども。でも私自身も結構デジタル系が苦手で。私の場合は不安障害があるので、その全部デジタルになってしまうと、例えばモバイルSuicaとかモバイルPASMOとか、ああいうのがすごい私は怖いなって思ってしまって。もし壊れちゃったらどうしようとか、そういう不安が先立つので、基本あんまり使えない。基本なんだろう、物とか紙とかのほうが私は安心するんですけれども。でも一概に全部がそうではないので、例えば不安障害があるけれどスマホとかもちろん得意な人もいるだろうし。で、家族の場合はその発達障害と精神疾患がある、両方あるので、そのやっぱり一度覚えたものでその固まっている。でもそのアップデートできないっていうのがあって。で、しようと思ってやっぱり不安になってしまうとか、できないっていうふうに落ち込んじゃうっていうのがあったりとか。でもなんか、なんだろう、世の中には例えば発達障害を公言しているタレントの栗原類さんという方がいるんですけれども、モデルとかもやってる。その方とかにとっては、その、そっちのほうが、書くのが苦手、手書きとかで書くのが祝いで、そのパソコンとかスマホで打ち込んだほうが楽っていう人もいるので。なのでやっぱりどちらか一択じゃなくて選べるほうが。
堀潤:本当ですね。誰かはアクセスできるけど誰かはアクセスできないっていうのは、明らかにアクセス権を侵害していて、まあこの国で保証されている人権というのが著しくバランスが悪い状況になっているということを、政治であったりとか実際の行政はしっかり正面から目を向けて考えてほしいっていうことなんですね。
足忍みかん:本当にそうですね。なかなか今は政治家さんとかもこの問題をあんまり問題視していない人が多くて。その3月にその104がなくなっちゃうってあたりの時にいろんな議員さんを調べて、で、デジタル化を推進している人はっぱいいるんですけれども、逆にそうお年寄りとか障害がある人をデジタルデバイドから守ろうとか解消しようっていうふうに動いている人はほぼほぼいないんですよね。
堀潤:必ず議論の時にはこのデジタルデバイドが問題になりますよ、お年寄りたちを孤立させてはいけませんよ、ま、だから先ほどおっしゃったような勉強会が必要だとか、スマホ教室とか、スマホを買うお金を保証します、だけで終わっちゃってるわけですね。しかもそれさえも本当に全部できてますかと言われると、提唱はされてるけれど実装はまだされてないんじゃないかっていう。
足忍みかん:それに何かその無理やりそういうスマホ教室とかで覚えさせるっていうのもなんかすごく意地悪なように感じて。どうしてそんなになんか無理をさせられなきゃいけないんだろうみたいなふうには。あんなできないまま生きられる世の中が一番いいはずなのに、無理やり「できるようになれ」っていうふうに、あとスマホを買ってやるっていうのはなんか、なんだろう、強い人の基準に合わせろっていうふうに言ってるみたいで。本当だったら政治とか行政とかは一番弱い方の人のほうに合わせるべきなのに、こっちに合わせろっていうふうにしているようで、すごくなんか意地悪なように。なんかパッと見そのスマホ教室やりますとか、あとそのスマホを買うお金を保証します、助成しますっていうのは、すごく聞き心地がいい、聞く限りすごくいいことに聞こえるけれど、でも実際はなんかおかしいなっていうふうに。なんか、なんだろう、優生思想じゃないですけれども、優れた人、強い人に合わせなさいっていうふうになんか命令してるみたいで、なんか意地悪な感じに。
堀潤:それでついてこられないんだったら、もうその場にいてくださいっていうのは、ある意味排除・排斥と同意義になってしまいますもんね。
足忍みかん:ついてこられなかったらもう、なんだろう、利益とかもないし、さよならって感じになってる。なんかそれはなんだろう、おかしいなっていうふうに。
堀潤:確かに。そうか、そういう意味で言うと、そういう情報のアクセスやそうしたデジタルに対してのアクセスに関しては、ここにこそ本当はユニバーサルデザインというか、いろんな人たちがアクセスしやすい環境を、おっしゃるように選択肢を広げていって、誰にとっても使いやすい仕組みとして何か申請であったりとか利用っていうのがあるっていうのをやっぱり目指すべきっていう。お話伺って、あ、やっぱり自分の中にもその視点抜けてたかもしれないなってハッとさせられました。
足忍みかん:ありがとうございます。
堀潤:実際いつ頃からこういう声を上げ始めて、で、請願したりとかする中で今どういう反響というか。いつ頃から始められたんですか。
足忍みかん:やっぱり104と3Gが停波する3月ぐらいから動き始めたんですけれども。でも本当に何をしたらいいか分からない状況から始まって。で、その一人で、もう完全に一人で。まず議員さんとか政治家さんとか政党とか、あと主要なテレビ局とか新聞社さん全部にとりあえずメールと手紙を書いてみようと思って。で、私は特別政治の支持政党とかもなく、どなたでもなんだろう、いいって言ってたんですけれども。いろんな意見とか聞きたかったので。なのでとりあえず全部の政党にメールを出して、で、手紙も書いて、で、新聞社さんも全部にやったんですけれども、全く返事がなかったっていう。で、なんかどうすればこの声が届くのかなと思って、noteっていうブログみたいなものを始めたけれど、結局なんか閲覧数も全然なくて、いいねも2、3個ぐらいしかないような感じで。で、なかなかなんだろう、たった一人で困っている弱い立場の人が大きなところに声を届けるっていうのが難しいなと思いつつ始めて。そして、都議会の議員さんほぼ全員にメールを出したんですけれども、唯一返事が来た議員さんがいて。あ、お二人返事が来た議員さんがいたんですけれども、お一人の議員さんとは会って、定期的に会ってるんですけれども。もう一人の議員さんはなんだろう、イベントのサクラ的な感じで呼ばれて、それ以来メールしても返事が来なくなっちゃった。
堀潤:何それ、動員要員みたいに。おいって感じですね。
足忍みかん:その方は結構その東京アプリとかのなんだろう、できない人とかお年寄りとかのための支援をするって言ってたので、「あ、この人は」と思って連絡をしたんですけれども。結局はそのイベントに呼ばれて、参加費払ってお弁当食べてなんかお話聞いて、それで本人とはちょっと数秒しか喋れなくて。そのあと陳情とか請願をするっていうふうになったので。
堀潤:そこで出番ですよ、本来はね、議員さんのね。
足忍みかん:なのでその方に「陳情するんです」とか「請願するんです」って連絡しても、返事は来なくなっちゃったっていう。あれもしかしたらイベントに呼ぶためだけに返事が来たみたいなふうに。
堀潤:寂しい。逆にそのずっと聞き続けて今も連絡取り続けてる方、どの方なんですか。
足忍みかん:その方はもういい方。その方はもう応援したいなと思って、もしよかったら。その方は陳情の話を教えてくれて。で、なんだろう、困ってるんだったら都議会によかったら来てっていうふうに言われて。都議会に行ってこういろいろ困ってますっていうふうに言ったら、その「陳情っていうのがあるからやってみない?」って。で、陳情のことを一から教えてくださって。でもその何党とかは秘密なんですけれども、あんまり立場が強くない方で。
堀潤:そうか、いわゆる東京都議会は特に今、知事与党と言われるような非常に大きな会派が。なるほど、だからそうか、その市民の声をきちんと議会反映させるには、その議員の方は一生懸命やっているけれど、でもまだまだパワーが必要だっていう。ちょっと野党寄り、マイノリティな感じで少ない人数が。で、さっき言ったお弁当だけイベントに来た方は与党系。ちょっと頼みますよ本当に。本当はもっとやってくれたらよかったんですけれども。でも多分その紹介議員になってほしいって連絡もしたんですけれども、ずっと返事がないので多分もうないんだろうなっていう。
堀潤:そうか。でもね、その東京こそ、東京2020の頃にオリンピック憲章に準じたダイバーシティ、人権規約みたいなことを東京都として掲げてね。で、デジタルっていうのも基本的には誰一人取り残さないっていうのが前提でっていう話なのに、やっぱりそういう議員さんこそきちんとエラーが起きているんだったら改善に向けて実装していくっていうことをやってほしいですよね。別に「デジタル粉砕」とか言ってやってるわけじゃないじゃないですか。
足忍みかん:そうなんですよ。別にデジタルをやめろとか言ってるわけではないので、共存してほしい、アナログも残してほしいって言ってるので。だからそんなに敵ではないのに、もうなんか相手にされてなくて、与党とかそういう方に。
堀潤:なるほど。それでじゃあその議員さんから陳情の仕方とかレクチャー受けて、で、その後具体的にどうしていったんですか。
足忍みかん:その後、6月末に陳情提出したんですけれども、議論してもらえなかったっていう。なんかその陳情を出した後に、議論されなかった理由なんですけれども。ここのいろいろ理由がある中で「ク」っていうところにある、委員会忖度に馴染まないと認められるものという理由で議論されなかったんです。これなんか分かりやすく言うと、なんか全て広範囲に関わるものなので、一つの委員会がマルかバツとか決められないから議論はできないという感じで。なんか陳情を出したら各委員会でその議論される。例えば学校で例えると、花壇が壊れているから、あ、なんだろう、トイレが汚れているから保健委員会が直すとか、あと最近スカートが短いから風紀委員会がやるとか、そういうふうに各委員会ごとに全部陳情が振り分けられる。けれど私はそのデジタルデバイドを解消してほしいというテーマだったので、どこで議論したらいいか分からないからちょっと議論できないんですみたいなふうに言われて。しかもなんか馴染まないっていう判断基準がすごく曖昧ですよね。本当に。しかも全て広範囲であるからっていうので、多分みんながみんな多分困ってる、広範囲、その分。なのに議論してもらえないっていうふうに言われて。
堀潤:そうか。で、それでじゃあその陳情したけれど宙に浮いてしまったっていうことなんですか。
足忍みかん:そのさっき言った定期的に会ってる議員の先生が、これすごい怒ってくれて。抗議もしてくれたんですけれども。都庁の方に、都議会の方に。でもそれでもやっぱり覆らなくて。でもなんかやっぱりおかしいっていうので、で、議員さんから「抗議の電話をしたほうがいいよ」って言われて、私も電話をしたんです、抗議の電話を。そしたらその折り返し連絡があって、上の方の人から。で、なんか自分もこの問題はすごく問題だと思ってるんですけれども、議会の規則で今回はすみませんって感じで謝られた。
堀潤:そうか。僕も何回か陳情したけれど、その陳情が議会で諮られるかどうか棚上げになって、結果的に議論されずに終わりましたっていうのですごくもどかしい思いを抱えて。これ民主主義の仕組みとして一つエラーが起きているんじゃないかっていう。本来であれば誰もがやはりきちんと提案したことに対して。そうか。アメリカの昔オバマ政権の頃に、ホワイトハウスが、まあ確かにアメリカも本当に多様だからいろんな人たちからいろんな陳情があるけれど、ある一定数の人たちから「いいね」のような賛同が集まって、その1000なり1万なり10万なりを超えたらホワイトハウスとしてしっかり議論して、公に大臣なり大統領なりが発表しますっていう、そういう仕組みを「We the People」っていう仕組みを立ち上げたりとかしていて。で、ひょっとしたらだからそういう陳情とかの仕組みそのものもまだ未成熟なんだろうなと思いました。その極めて曖昧な、極めて属人的な、委員長の裁量にかかってますみたいなことになっているのかな。本当に。
足忍みかん:なんか自分に、もしなんか私がなんか間違ってたとかだったら納得できるんですけれども、そうではなくて議会都合でそういうふうになんか議論もされないっていう。
堀潤:そうか。そういう意味で言うと、そういう情報へのアクセスやそうしたデジタルに対してのアクセスに関しては、ここにこそ本当はユニバーサルデザインというか、いろんな人たちがアクセスしやすい環境を、おっしゃるように選択肢を広げていって、誰にとっても使いやすい仕組みとして何か申請であったりとか利用っていうのがあるっていうのをやっぱり目指すべきっていう。お話伺って、あ、やっぱり自分の中にもその視点抜けてたかもしれないなってハッとさせられました。
足忍みかん:ありがとうございます。
堀潤:実際いつ頃からこういう声を上げ始めて、で、請願したりとかする中で今どういう反響というか。いつ頃から始められたんですか。
足忍みかん:やっぱり104と3Gが停波する3月ぐらいから動き始めたんですけれども。でも本当に何をしたらいいか分からない状況から始まって。で、その一人で、もう完全に一人で。まず議員さんとか政治家さんとか政党とか、あと主要なテレビ局とか新聞社さん全部にとりあえずメールと手紙を書いてみようと思って。で、私は特別政治の支持政党とかもなく、どなたでもなんだろう、いいって言ってたんですけれども。いろんな意見とか聞きたかったので。なのでとりあえず全部の政党にメールを出して、で、手紙も書いて、で、新聞社さんも全部にやったんですけれども、全く返事がない。で、なんかどうすればこの声が届くのかなと思って、noteっていうブログみたいなものを始めたけれど、結局なんか閲覧数も全然なくて、いいねも2、3個ぐらいしかないような感じで。で、なかなかなんだろう、たった一人で困っている弱い立場の人が大きなところに声を届けるっていうのが難しいなと思いつつ始めて。そして、都議会の議員さんほぼ全員にメールを出したんですけれども、唯一返事が来た議員さんがいて。あ、お二人返事が来た議員さんがいたんですけれども、お一人の議員さんとは会って、定期的に会ってるんですけれども。もう一人の議員さんはなんだろう、イベントのサクラ的な感じで呼ばれて、それ以来メールしても返事が来なくなっちゃった。その方は結構その東京アプリとかのなんだろう、できない人とかお年寄りとかのための支援をするって言ってたので、「あ、この人は」と思って連絡をしたんですけれども。結局はそのイベントに呼ばれて、参加費払ってお弁当食べてなんかお話聞いて、それで本人とはちょっと数秒しか喋れなくて。そのあと陳情とか請願をするっていうふうになったので。そこで出番ですよ、本来はね、議員さんのね。なのでその方に「陳情するんです」とか「請願するんです」って連絡しても、返事は来なくなっちゃったっていう。あれもしかしたらイベントに呼ぶためだけに返事が来たみたいなふうに。寂しい。逆にそのずっと聞き続けて今も連絡取り続けてる方、どの方なんですか。その方はもういい方。その方はもう応援したいなと思って、もしよかったら。その方は陳情の話を教えてくれて。で、なんだろう、困ってるんだったら都議会によかったら来てっていうふうに言われて。都議会に行ってこういろいろ困ってますっていうふうに言ったら、その「陳情っていうのがあるからやってみない?」って。で、陳情のことを一から教えてくださって。でもその何党とかは秘密なんですけれども、あんまり立場が強くない方で。いわゆる東京都議会は特に今、知事与党と言われるような非常に大きな会派が。なるほど、だからそうか、その市民の声をきちんと議会反映させるには、その議員の方は一生懸命やっているけれど、でもまだまだパワーが必要だっていう。ちょっと野党寄り、マイノリティな感じで少ない人数が。で、さっき言ったお弁当だけイベントに来た方は与党系。ちょっと頼みますよ本当に。本当はもっとやってくれたらよかったんですけれども。でも多分その紹介議員になってほしいって連絡もしたんですけれども、ずっと返事がないので多分もうないんだろうなっていう。
堀潤:そうか。でもね、その東京こそ、東京2020の頃にオリンピック憲章に準じたダイバーシティ、人権規約みたいなことを東京都として掲げてね。で、デジタルっていうのも基本的には誰一人取り残さないっていうのが前提でっていう話なのに、やっぱりそういう議員さんこそきちんとエラーが起きているんだったら改善に向けて実装していくっていうことをやってほしいですよね。別に「デジタル粉砕」とか言ってやってるわけじゃないじゃないですか。
足忍みかん:そうなんですよ。別にデジタルをやめろとか言ってるわけではないので、共存してほしい、アナログも残してほしいって言ってるので。だからそんなに敵ではないのに、もうなんか相手にされてなくて、与党とかそういう方に。
堀潤:なるほど。それでじゃあその議員さんから陳情の仕方とかレクチャー受けて、で、その後具体的にどうしていったんですか。
足忍みかん:その後、6月末に陳情提出したんですけれども、議論してもらえなかったっていう。陳情を出した後に、議論されなかった理由なんですけれども。ここのいろいろ理由がある中で「ク」っていうところにある、委員会忖度に馴染まないと認められるものという理由で議論されなかったんです。これなんか分かりやすく言うと、なんか全て広範囲に関わるものなので、一つの委員会がマルかバツとか決められないから議論はできないという感じで。陳情を出したら各委員会でその議論される。例えば学校で例えると、花壇が壊れているから、あ、なんだろう、トイレが汚れているから保健委員会が直すとか、あと最近スカートが短いから風紀委員会がやるとか、そういうふうに各委員会ごとに全部陳情が振り分けられる。けれど私はそのデジタルデバイドを解消してほしいというテーマだったので、どこで議論したらいいか分からないからちょっと議論できないんですみたいなふうに言われて。しかもなんか馴染まないっていう判断基準がすごく曖昧ですよね。本当に。しかも全て広範囲であるからっていうので、多分みんながみんな多分困ってる、広範囲、その分。なのに議論してもらえないっていうふうに言われて。
堀潤:そうか。で、それでじゃあその陳情したけれど宙に浮いてしまったっていうことなんですか。
足忍みかん:そのさっき言った定期的に会ってる議員の先生が、これすごい怒ってくれて。抗議もしてくれたんですけれども。都議会の方に。でもそれでもやっぱり覆らなくて。でもなんかやっぱりおかしいっていうので、で、議員さんから「抗議の電話をしたほうがいいよ」って言われて、私も電話をしたんです、抗議の電話を。そしたらその折り返し連絡があって、上の方の人から。で、なんか自分もこの問題はすごく問題だと思ってるんですけれども、議会の規則で今回はすみませんって感じで謝られた。
堀潤:そうか。僕も何回か陳情したけれど、その陳情が議会で諮られるかどうか棚上げになって、結果的に議論されずに終わりましたっていうのですごくもどかしい思いを抱えて。これ民主主義の仕組みとして一つエラーが起きているんじゃないかっていう。本来であれば誰もがやはりきちんと提案したことに対して。そうか。アメリカの昔オバマ政権の頃に、ホワイトハウスが、まあ確かにアメリカも本当に多様だからいろんな人たちからいろんな陳情があるけれど、ある一定数の人たちから「いいね」のような賛同が集まって、その1000なり1万なり10万なりを超えたらホワイトハウスとしてしっかり議論して、公に大臣なり大統領なりが発表しますっていう、そういう仕組みを「We the People」っていう仕組みを立ち上げたりとかしていて。で、ひょっとしたらだからそういう陳情とかの仕組みそのものもまだ未成熟なんだろうなと思いました。その極めて曖昧な、極めて属人的な、委員長の裁量にかかってますみたいなことになっているのかな。本当に。
足忍みかん:なんか自分に、もしなんか私がなんか間違ってたとかだったら納得できるんですけれども、そうではなくて議会都合でそういうふうになんか議論もされないっていう。で、陳情と請願の違いで、請願だったら絶対議論はされる。陳情はあくまでなんだろう、ご意見的なあれなので。で、請願だったら紹介議員がいなきゃダメだけれど、受理したら絶対議論はしてくれるっていうのを聞いて、で、その議員さんに請願したいですっていうふうに今言った感じで。これから請願をする。とりあえず一人いればいいっていうあれなんですけれども。でもなんか蓋を開けてみたらすごいなんだろう、根回しって言ったら変ですけれども。私は埼玉県議会と千葉県議会にも行ってるんですけれども、埼玉県議会とかに行った時には、埼玉県議会は与党が、与党議員が半分以上なので、なので野党とか無所属の議員さんが出した請願はもうどれだけ良くても問答無用で否決されるっていうふうに聞いて。だから絶対野党の議員として、議員さんを紹介議員として出したらもうそれだけで多分ビハインドがある、不利なんだって。なので与党の議員さんも味方に付けなきゃいけないっていうので結構連絡をしてるんですけれども、全然ダメな感じで。ある議員さんに至っては、個人からの紹介議員の依頼は受け入れられませんっていうふうに与党の議員さんから言われて。だから個人が困ってる人のほうが多いんじゃないっていう。でもその人的にはやっぱりそのなんか団体とかNPOとかじゃないと紹介議員にはなれないんでっていうふうに言われてしまったり、結構その根回し。いろんな議員さんと知り合って連絡取ってって感じが必要で。
堀潤:確かに。昔国政の議員でしたけど、与党の議員さんが、僕が取材している中で、とにかく政治に訴えかけて、規制緩和・規制強化、財源の手当て、いろんなことを。で、まず与党の私たちに持ってきてほしい、じゃないと野党に行ってしまったら与党野党の政争の具になってしまうからっていう言い方をしてたんですけど。でもまあそもそも与党の皆さんが最初からこの問題ちゃんとやってくれてればよかったじゃないですか。野党は野党で、とは言え今までじゃあ与党の人たちが全然タッチできてこなかったからしっかりそれを受け取って投げたいっていう思いもあるだろうし。政党色は本来ないのに、そういう中で自分の思いが政治の勢力によって翻弄されるっていうのは。
足忍みかん:そうなんですよ。与党野党とかそういうあれに。自分的にはその紹介議員とかをなんだろう、隠したりとかして議論すればいいのに、って思うんです。やっぱり与党の議員が、野党の議員がってなるので。
堀潤:確かに。どの会派から出てるかとかじゃなくて。メディアもあんまり取り上げてくれなかったってお話ありましたけど、弁護士ドットコムだったりとか記事になってましたよね。あとプレジデントオンラインでしたっけ。少しずつ伝わり始めてるっていう。どうですか、それを受けての反響であったりとか、「みかんさん私もそうなんです、一緒に声上げたいです」とか、そういう広がりみたいなのは出てきましたか。
足忍みかん:まだすごく実感しているわけではないんですけれども、この前東京新聞さんに「アナログは福祉」っていうふうなタイトルで記事が載ったところ、今立川の方で「東京アプリ原告団」っていう方がいらっしゃって、その方から連絡が来まして。で、私も一緒に戦うことになりました。東京アプリがアプリ必須だったりマイナンバー必須だったりするのはおかしいっていうふうに、やっぱり物価高対策とかでやっているのに全員に行き渡らない、条件があるっていうのがおかしいっていうことで、東京地裁の方に行こうっていうふうに言ってる方たちで。
堀潤:なるほど。そうか。じゃあそういうデジタルデバイドの問題に一緒に気持ちを寄せてくれる人たちとの出会いが生まれてっていうのは大きいですね。
足忍みかん:結構その3月の頃は一人でずっとやってたので、孤独というか。やっぱり誰にも理解されない。やっぱり今そのスマホを使えるとかデジタルできるっていうのが当たり前の世の中になってしまっているので、すごいどこに行っても孤立感を感じる。カフェに行ったらモバイルオーダーだったりするとか、マックに行っても端末だったりとかして、そういう中で自分がやってることは正しいのかなって不安になったりもしたんですけれども、やっぱり少しずつそういう味方が出てきてくれて心強さはある。
堀潤:みかんさんどうして僕に連絡をくれたんですか。
足忍みかん:ジャーナリストの先生、かつその、なかなかメディアが取り上げてくれないので、ウェブメディアでそういう小さな声を取り上げてくれるところはないかなっていうふうに探してこちらにたどり着いた。
堀潤:ありがとうございます。嬉しいです、そう言っていただけて。状況だんだんだんだん見えてきました。一方で陳情書の中にも書かれていた、ご自身がやはりこう自分の人生の選択をいろいろしていきたいにもかかわらず、やっぱり一つの障壁になっていく。具体的にはどういう状況なのか、もう少し伺ってもいいですか。
足忍みかん:例えば家族はネットとかデジタルが全くできないのはもちろんのこと、セルフレジとかもやっぱり苦手なので、私は買い物を代わりにしているんですけれども。だから私がもし出て行っちゃったりすると、買い物もできなくなってしまう。福祉とかの支援は入ると思うんですけれども、やっぱりそのずっと誰かがフォローはできないなっていうのが大きくて。あとこれからもしもっとどんどんデジタル化が進んだらますます孤立しちゃうっていうのがあって。例えば海外だと電車やバスに乗るのももう切符とかはなくてアプリが必須になっていたりとか、あと病院とかの予約なんかもオンラインだけになってるとか、銀行の対面窓口も今は海外はなかったりするっていうふうに聞くので。もしこれからどんどん歯止めなくデジタル化が進んだら、もう多分生きていけなくなってしまうなっていうふうに思った感じです。
堀潤:そうか。じゃあそのご家族のケアを、体の症状・精神的な症状だけじゃなくて、暮らしに関わる様々な行動をサポートしていく。だから確かにそれで離れてしまったらっていう思いがあって。
足忍みかん:完全に生きていけないんじゃないかなっていうふうに。
堀潤:実際にはみかんさんと同じような状況であったり、同じような悩みを抱えていらっしゃる方って今どれぐらいいるのか。この活動を始める中で何か数字的なものとか調査的なものとかって見えてきたものはありますか。
足忍みかん:ヤングケアラー的な方からはまだあんまり連絡がなくて。でも今度ヤングケアラー協会の人と会ったりもするので、そこでお伝えできたらなというふうには。その視点で語る方はまだまだ確かに少ないんじゃないかな。今声を上げている方は東京アプリ原告団もそうですけれども、当事者、今困ってるお年寄りとか障害がある人が多いんですけれども、なかなかそういうヤングケアラー的な目線で言っている人はいないので、これからそういう人がもっと声を上げたらいいなというふうに思います。
堀潤:僕も一人、与党の若手議員で孤独・孤立対策をやりますって掲げて議員になった人を知ってるんですけど、ちょっと連絡してみますね、今回のインタビュー。反応してくれるかなって願いながら送ります。その時のショックって大きいですよね。だって社会的に政治的に「これをやります」って掲げている人に「あ、やっといた」と思って連絡して、ちゃんと取り合ってもらえなかったってなった時の不信感って相当大きいですよね。
足忍みかん:なんかすごくみんな胡散臭く感じる。結構やっぱりみんな普通に生きてる人ってあんまり政治に関心がない人が多いと思うんですけれども、本当に困ってる人が政治に行くと思うので、そういう声を無視するのはもったいない気もするし、政治家として。なんかこっちとしても裏切られるような気持ち。でも最近は請願のために議員さんの知り合いを増やしたいと思ってて、最近街頭演説してる人に突撃することをやってて。駅とかでこうやってる人にどんどんグイグイ行くっていうことを。自分のこの新聞とかも渡して「こういうことやってます」って感じで。でもなんかみんな結構引いてるっていうか、「あ、ああ」みたいな感じで。議員さんもちょっと引いちゃってる感じで。
堀潤:元々みかんさんはそういうことが積極的にできるタイプ。いや、全然できないタイプの人間で、根暗な。結構日陰で生きてるタイプだったのであんまりこういう表立った活動とかもするの得意ではないんですけれども。でもなんかそうも言ってられなくなっちゃってるので、頑張って動いてる感じです。
堀潤:その根底にある思いっていうのは何がみかんさんを突き動かしてるんですか。
足忍みかん:初めはやっぱり自分の人生を生きたいって気持ちが強かったと思うんですけれども。でもそれだけではなくて、やっぱりその家族が困っている姿とか萎縮している姿を見るのはやっぱりしんどいものがあるし、他にもやっぱり新聞に取り上げられたことによっていろんな人の声をもらって。なので困っている人がいるのに放置されちゃってるとか、何の対策もされていない、この状況を変えたいなっていう気持ちが。
堀潤:具体的にどういう改善策とか、どういう対策が講じられると、その多様性のある選択肢あるアナログ・デジタル世界が開けると、何か今みかんさんの中にも実装してほしいアイデアとか具体的なものも浮かんできたりはしてますか。
足忍みかん:それはやっぱりデジタルとアナログを融合するという感じで。例えば忙しい人にとってはアプリとかで何でもできるのはすごくいいことだと思うので、それは残して、であとはその電話とか対面窓口、あと郵送サービスとか紙での申請とかそういうものをしっかり残すっていう。もちろんコストがかかるとかいろいろリアルな話とかもあると思うんですけれども、やっぱりその辺は福祉と思ってもらって残してほしいなっていうふうに思います。あと東京アプリとか今あるんですけれども、アプリ一本化ではなくて、今群馬パスポートとか茨城パスポートっていう、紙のパスポートのやつもあるので、そういう感じで東京もそういうふうにアプリと紙のパスポートとか選べたりしたらいいのになっていうふうに。
堀潤:何ですか、群馬パスポートって。
足忍みかん:群馬県民とかのスタンプラリーやったり、群馬の魅力とか書いてあるパスポートが今話題らしくて。そしたら今度茨城もやるっていうふうに。そういうアナログな感じのものもいいなという。全てがアプリに集約されるわけじゃなくて、アプリにも集約されてるんだけど、違うアナログ媒体からのアプローチもあるということなんですね。海外の事例もいくつか紹介されてましたけど、その辺の先駆的なうまい解決って先進事例もあるんですか。
足忍みかん:結構海外だと、1、2年ぐらいすごい動いているような気がして。イギリスの「Age UK」っていうお年寄り団体の団体が署名活動したりとか、ドイツでも憲法にアナログな生活を送る権利を明記してほしいっていうふうに署名活動があったりとか。私はこのドイツの方は署名したんです、日本から。そんな海外からもアクセスができるんですか。少しでも一人でも貢献できたらなと思って、日本からドイツの署名に。逆にみかんさん自身が日本で、日本から署名を立ち上げて、またさらに賛同者を見える形で募るっていうことは構想の中にはあるんですか。いつかやりたいなっていうふうに思ってます、署名活動も。でもなかなかなんだかんだ一人でやってるので難しいところもあって。署名こそでも電子署名が。そこはある意味幅広くいろんな人たちから集められるからいいけど。今後もやっていけたら。当事者にそこまでさせないと政治が動かないのかっていうのは寂しいですよね。もう当事者、今こそ支えが必要な人たちがひたすら声を上げないと誰も見向きもしないって、そんな負担かけさせちゃダメだろうって思うんです。そうですね、本当に。
堀潤:生成AIでAIのチャットボットとかが広がってきたことにより、「わかる」っていう方も増えてきた気がするんです。サービス利用して「違うのに、あ、なんかすぐ対応してもらいたいのに」って言ってアクセスしても、チャットボットがひたすら定型の回答をしてきて。「違う、電話を一本かけたいんだよ」って。結構そういう人は多いですよ。だから実を言うと、お年寄りがとかお体がいろいろっていう方だけじゃなくて、あなたでさえも感じるところありますよねと。若い人とかでも多分そういうふうに思う人はいる気がしますよね。いちいちチャットボットとかやってると。忘れ物とかの時も「何色で」とかいうふうに。僕もこの間パソコンを忘れまして、新幹線の中に。大変でした。基本的に、もうデジタルの方に誘導されるんです。「ここからお願いします」って言って。でももうすぐに取り返さなきゃいけないもので、なんだかんだ気持ちが焦って、しかもGPSの追跡の機能も付いてるからどこにあるか分かってるんだけど、手続きをデジタル上で踏まないと絶対に改善されないみたいな、もどかしかったですねあの時は。電話とかのほうが早いし対面とかのほうが早い。もう行っていいですかそこに、あ、どうぞ、みたいになれば早いんだけど。今もうそれがなくなっちゃってるので、便利のように見えて逆になんか不便というか窮屈になってるような。だからこそ、僕は今やっぱり聞いてて議会がちゃんと議論すること大事だなと思いました。議会は本当にいろんな立場の人たちが本来集まっているところだから、まあとは言えじゃあコストどうするのとか人材不足どうするの、いやいやとは言えアクセスできない状況どうするのっていうのを議会こそ多様な議員さんたちによってちゃんと仕組み作り作ってもらうっていうことが必要ですよね。本当にそう思います。今本当に議員さんたちもなかなか振り向いてくれないことが多いので。この前街頭演説中に突撃したんです。そしたら結構納得してくれるというか、「ああ、だよね」っていうふうに言ってくれる議員さんもいて。みんな多分そういうふうに思ってるよって。でもそれっきりなんですけれども。
堀潤:じゃあちょっと今回のことを機に私たちも一生懸命発信して、少しでも政治も市民社会も一緒になって考える機会が提供できるように頑張って発信しようと思います。政治が変わると民間とかも変わっていく。民間がどんどんデジタル化を進めてるのが結構私は怖いなと思ってるので。私の家族とかもスマホオーダーとかネットオーダーとかセルフオーダーのところが使えなかったりするので、そういうところもアナログと残して、国とかがそういうふうに指針を決めてくれたら民間の方も変わるのにな。あと大学の研究機関とかもアクセスできるといいですね。今、立命館大学の薄井倫泰先生って方がいるんですけれども、その方がデジタルデバイドの本を書いてて、今陳情とかもしてくださってるらしいので。薄井先生とはもうやり取りが。今日電話しました。あ、今日電話した。3月ぐらいからずっと手紙を書いてたんですけれども、お忙しくてずっと連絡はなくて。でも諦めずに書き続けて、手紙をずっと3通ぐらい書いてて。「困ってます、陳情しました、ダメでした」みたいな手紙をずっと書いてたら今日電話がかかってきた。薄井先生ありがとうございます。でもそういう研究者の方だったら、きっといろんな事例とかいろんな実態調査だったりとか含めて、いろいろまた視点も。みかんさんもしよかったら最後にメッセージをこちらのカメラに。どうぞ。
足忍みかん:アナログは福祉だと私は思っていて、弱い人が弱いまま、無理やり強くさせられない社会になってほしいなというふうに思っています。この活動に、少しでも自分事として関心を持っていただけたら嬉しいなと思います。
堀潤:ありがとうございました。今日は本当わざわざスタジオまでお越しいただいてありがとうございました。今後また場合によっては現場の状況というか、そういうところに密着させていただいてとかっていうのも、どんなふうに使いづらいのかとか。ひょっとしたら例えば、これ北海道の上士幌という町のケースだったのは、お年寄り向けにオンデマンドバスという、いわゆるインターネットでそれこそ予約して。で、町は他のサービスもタブレットに集約。でも絶対使えないじゃんって話になって、地域おこし協力隊の人たちが「うーん」と考えて、結局ですね、JRの切符の券売機と同じようなデザインにして、少しでも簡易にするみたいな。券売機だったら慣れてるからこれを押せばいいのかなって分かるみたいな工夫をしていたりするので。デジタル側も歩み寄れる、ユニバーサルなデジタル社会であり、一方でユニバーサルなアナログだけど非常に便利のいい、そういうことも知恵の出し合いとして、誰もが使いやすくて生きやすくて心配しないで生きられるように。じゃあちょっと引き続きよろしくお願いします。署名とか何か発信がまた必要なタイミングで。1回きりで新聞社さんとかやっぱり1回きりで出たら終わりになっちゃうので、継続的に発信ができたらな、してほしいなというのは。うちは定期的にもうご自身がMCになって自由に話してもらう番組みたいなのも提供できるので。月刊アナログ革命じゃないですけど。また定期的にぜひ。9月に千葉県と埼玉県に請願を出して9月議会で議論してもらって、都議会の方は9月に出して12月議会で議論。じゃあちょっと年内定期的にやりましょうよ。ムーブメント作っていく。あと8月の26日に東京アプリ原告団として東京地裁の方に行って記者会見をするので。そこは結構各社来そうな感じですか。代表の方が投げ込みはしているらしいんですけれども、でも今新聞2社だけ。テレビは。連絡がない。テレビ局もっと頑張れよっていう話ですけどね。スマホ会社とかがスポンサーとか携帯会社がスポンサーとかだったりするからやっぱり厳しいのかな。そんな、そういう話じゃないのにね。じゃあその8月26日の前後でもまたその話も含めて、その東京アプリ原告団の方とかにもぜひお話伺って。お年寄りばかりだからここまで来れるかな。そこは逆に言うと、じゃあその提訴の時とか取材しようかな。ぜひぜひ。わかりました。ということで今日はみかんさんありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。応援してます。ありがとうございました。
概要(動画説明欄より)
「結婚を考えている人がいます。でも、スマホやパソコンを使えない家族を残して、家を出ることはできません」
今回お話を伺ったのは、32歳のエッセイスト・忍足みかんさん。
2019年、『#スマホの奴隷をやめたくて』でデビュー。子どもの頃から、高齢で、精神疾患や発達障害のある家族を支えてきた元ヤングケアラーであり、現在もケアを担う「若者ケアラー」です。
忍足さんには、結婚を考えている相手がいます。しかし相手は遠方に暮らしており、結婚するには今の家を出なければなりません。
家族はスマートフォンやパソコンを使うことができず、インターネット上の手続きや情報収集、印刷、ネット注文、セルフレジでの買い物などを、忍足さんが代わって担っています。
「もしデジタル化されていない20年ほど前だったら、結婚できたかもしれない。家を出られたかもしれない。でも2026年、現代の私は、自分の人生さえも諦めざるを得ません」
社会のデジタル化によって、取り残されるのは、機器を使えない本人だけではありません。
その人を支える家族に手続きや買い物などの負担が移り、就職、転居、結婚といった人生の選択まで狭められていく——。
忍足さんが声を上げる大きなきっかけとなったのは、電話番号案内「104」と3Gサービスの終了でした。
インターネットを使えない家族にとって、電話で番号を調べられる104は、暮らしと社会をつなぐ大切な手段でした。サービスが終わったことを何度説明しても、家族は今も時折、「もしかしたら、つながるかもしれない」と104に電話をかけ続けているといいます。
「世界は動いているけれど、家族の世界はそこで止まっている。世界から見放されてしまったように感じました」
忍足さんは、たった一人で議員、政党、新聞社、テレビ局などにメールや手紙を送り、都議会や県議会への陳情・請願に動き始めました。
訴えているのは、デジタル化をすべてやめることではありません。
アプリやオンラインを便利に使える人は利用する。一方で、それを使えない人のために、電話、郵送、紙の申請書、対面窓口、現金などの選択肢も残す。
デジタルかアナログか、どちらか一方を強制するのではなく、一人ひとりが自分に合った方法を選べる社会です。
日本のデジタルデバイド対策は、「スマホ教室を開く」「端末の購入を支援する」といったものに偏ってはいないでしょうか。
何度教えても覚えることが難しい人、不安や障害によって新しい操作に適応できない人もいます。
「覚えればいい」
「便利なのだから使えるようになればいい」
「できない人が悪い」
そう言って、弱い立場の人を多数派の仕組みに無理やり合わせるのではなく、「できないこと」があっても、弱いまま安心して生きられる社会にしてほしい。
忍足さんは、こう訴えます。
「アナログは福祉です。杖や車椅子と同じです」
番組では、英国やドイツで広がる「オフラインで公共サービスを利用する権利」を求める署名活動、スウェーデンの現金決済を守る動き、米国での紙のクーポンや紙の賃貸申込書を保障する取り組みなど、海外の事例についても伺いました。
デジタル化で社会が便利になることと、誰もがその便利さを享受できることは、同じではありません。
端末の故障や紛失、通信障害、パスワードの失念、病気、けが、老い——。
今はスマートフォンを使いこなしている人も、いつ「使えない側」に回るか分かりません。
誰もが同じ一つの入口を使えるようにするのではなく、同じサービスや権利に、複数の道からたどり着けるようにする。
デジタルとアナログが共存する社会とは、どのような社会なのか。
ヤングケアラーの視点から見えてきた、デジタル化の「見えない負担」と、結婚さえ選べない32歳の苦悩を、ぜひ最後までご覧ください。
皆さんやご家族が、デジタル化によって困った経験、電話や紙、対面窓口を残してほしいと感じた経験があれば、ぜひコメント欄で教えてください。
【出演】
忍足みかんさん
エッセイスト/元ヤングケアラー・若者ケアラー
【聞き手】
堀潤
ジャーナリスト/8bitNews代表
▼忍足みかんさん note
https://note.com/mikanoshidari
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【主な内容】
00:00 デジタル化からこぼれ落ちる人々
01:13 エッセイスト・忍足みかんさん
02:15 「結婚を考える人がいる。でも家を出られない」
06:59 子どもの頃から続いてきた家族のケア
08:35 104の終了で「家族の世界が止まった」
11:54 精神疾患・発達障害とデジタル機器
14:41 スマホ教室だけで解決できるのか
17:16 たった一人で議員やメディアに訴え始め