この動画の要点
- 相談者の真人(マヒト)さんは、13歳の時に医師による本人への直接の診察がないまま「統合失調症」と誤診され、強制的な「医療保護入院」を強いられました。
- この誤診は母親による「代理受診」が元となっており、その後17年間にわたって誤った診断名がカルテに引き継がれ、不適切な投薬や社会的な偏見(スティグマ)に苦しんできました。
- 真人さんは現在、診断の根拠となった症状の不在や入院手続きの違法性を問い、埼玉県内の精神科病院を相手取って裁判を闘っています。
- 裁判を通じて、精神科医療における不透明な入院決定プロセスや、患者が声を上げても信じてもらえない構造的な問題を是正したいと訴えています。
- 自身の人生を破壊した誤診の真相を明らかにすることが、現在の生きる意味であると語り、同じような被害者を出さないための社会的な啓発を目指しています。
全文書き起こし
堀潤(8bitNews):真人さん、初めまして。よろしくお願いします。SNSのDMでご連絡いただいたんですけれども、どうしてまず連絡をくださったのかというのを教えていただけますか。
真人:そうですね、7月1日の精神医療違憲訴訟を取り上げておられたので、これは取り上げていただけるのではないかと思いまして、それで連絡させていただきました。
堀:まさに医療保護入院の問題ですよね。今、真人さんは実際に訴訟を闘っているということでしたけれども、どういう訴訟なのかというのを、ちょっと概要を教えていただいていいですか。
真人:誤診と違法な医療保護入院ですね。
堀:どういう経緯だったんですか。
真人:要は自分を見ない、本人を見ないまま、母親の代理診察、それで間違った診断を下して。で、また当然、病院移るにしても診療情報提供書によって、どんどんその情報がばらまかれていくので、17年間ずっと違う病気と診断されて、違う投薬をされて、いわゆるスティグマの被害にもあっていたということです。
堀:少し遡って、その医療保護入院が実施された当時の状況、お話しいただける範囲で、どういう経緯で医療保護入院ということになったのかも教えていただけますか。
真人:この辺も記憶が曖昧だったりして、正確には覚えていないんですけども。
堀:当時、何歳でしたっけ。
真人:入院したのは12か13、中1か中2ですね。で、元々家庭環境がもうひどく劣悪だったので、ほぼみんな精神疾患だったり虐待とか受けていて、そういうのがあって。おそらく鬱とか強迫症とかあったと思うんですけども、その状態で母親が統合失調症で、代理診察という感じで、母親が行っていた病院、母親は母親で行っていた病院があって、それとはまた別の病院に俺のことで行って、そこでの医師と話して、俺が誤診食らったという感じですね。
堀:当時の状況はあまり覚えていないというのは、幼かったから覚えていないのか、それともその後投薬とかも受けて記憶が曖昧になっていったのか、またはその当時の精神状況であったりとか、非常に今おっしゃった状況として非常に辛い状況だったということで、あまり覚えていたくないというか、覚えないようになっていたというか、いろんな背景があるのかなと思うんですが。
真人:一部覚えてますけど、おそらく虐待とかもあったので、解離、いわゆるストレスで記憶飛ぶっていう、それも一部あると思いますね。
堀:当時その病院の診察を、今誤診という話がありましたけれども、もう少し詳しく教えてもらってもいいですか。どういう状況だったんですか。
真人:母親が代理で行ってて、で俺が車に無理やり連れて行かれて、自分は車の中にいた状態で、一応医者は遠くから見ていたらしいんですけど、この辺カルテの記載も曖昧なんでちょっとあれなんですけども、それで一応診察をしたことにして、それで母親と医者が話して、統合失調症なんじゃないか。大体こんな流れです。
堀:そうか。じゃあその本人から、真人さん本人のヒアリングだったりとか、医療的な何か診断だったりとかっていうのを直接受けたわけじゃなくて。
真人:ないです。
堀:お母様への聞き取り。
真人:そうです。
堀:そして医師が遠くから様子を見て、それで終わりということだったんですか。
真人:そうです。おそらく母親、代理ミュンヒハウゼン症候群、病気じゃないのに病気だって言い張ったりとかそういうのあるんですけど、おそらく母親はそれだったので、それが医師に伝わってとか、あとは遺伝の影響とかも医師が考慮してとか、そういうのもあると思いましたね。
堀:それで統合失調症だという風に当時診断された。
真人:はい。
堀:で、今回その訴訟で争ってるっていうのは、何を今一番真人さんは争ってるんですか。
真人:争点っていうことですか。これは当時、統合失調症の陽性症状を確認していないまま診断をしたこと。で、それに連なって医療保護入院をしたことですね。あとはそれに連なって誤投薬、ここら辺ですね。
堀:で、さらにその時ついた診断名が、その後いろんな医療機関を受診する時について回るし、それも実生活にもいろんな形で影響が出た。
真人:それはそうですね。統合失調症、昔は精神分裂病と呼ばれていて、今でも激しい偏見差別に遭っている病気なので、就労差別は当然ありましたし、あと視力矯正手術を統合失調症の人はじっとしてられないし意思の疎通できないのでダメですと言われて、検査の段階で。そういう差別ですね。たくさん差別はあるので、一つ一つ挙げることはできないんですけど、具体的なところと言ったらそこら辺ですね。
堀:裁判を起こすっていうのは、やっぱり相当強い覚悟と、強い思いが、意志が真人さんを動かしたと思うんですけど、その訴訟してでも明らかにするんだという風に決断したのはどういう理由からなんですか。
真人:そうですね。自分と同じ被害者を生み出したくないというのもありますし、構造的に違法がまかり通っているので、精神科病院というのを。それを正していきたいという思いもありますし。あとはもう自分はもう他にやりたいこともないというか、もうこれ、この訴訟が自分の生きる意味になっているのでやっているっていうのもありますね。カルテとかも全部自分で開示請求して手に入れてましたし。
堀:大変でしたよね。
真人:そうですね。カルテ開示請求の件でも、向こうは違法に「これこれこの書類は開示の対象外です」と言って、開示拒否してきたりとか。病院によってはそういうところもあったんで、普通に違法がまかり通ってますし。開示請求の時に、なぜカルテが欲しいのかっていうのを病院側は患者に聞いちゃいけない、ダメなことなんですよ、本当は。でも絶対理由を書かされますからね。これどの医療機関でもそうでした。で、もちろん一部の開示拒否、これも特定の条件満たしていれば拒否は病院側はできるんですけど、俺の場合は満たしていないのに拒否は当たり前のようにされているので、当たり前のように法律違反がまかり通ってますね、これは。
堀:どのカルテ、どの記録を一番手に入れたいと思って、その開示を始めたんですか。
真人:一番は入院時診断書。あとはそれ以降の診断書とか、または診療情報提供書、この辺ですね。
堀:入院時の診断書というのは、つまりその医療保護入院の根拠となった時の診断書っていうこと。
真人:そうです。
堀:それは結局どうなったんですか。
真人:これが開示してくださいって請求したんですけど、不開示でしたね。
堀:理由は?
真人:いや、何でしょうね。一応メール返信来たんですけど、「元々患者様のために作成した書類であって、開示請求の対象ではない」というよくわからないのも来ましたね。
堀:患者様ですよね。
真人:そうです。再度開示請求の対象ではないとか、何だかよくわからない、明らかに法令違反の返信をしてきましたね、病院の責任者が。
堀:じゃあ今回の訴訟でも、その時のものを開示を求めているということですか。
真人:訴訟が進むにつれ、つまり弁論準備手続が進むにつれ、そこら辺の書類証拠は開示されましたね。
堀:そうか。じゃあ今日そのお持ちいただいている資料の中には、その時に開示されて手に入ったものがあるということですか。
真人:それもありますね。
堀:目の前にある診断書っていうのがそれですか。
真人:これはまた違う時ですね。これは元々自分が保管しておいたものなんですよね。だから。
堀:見せていただいていいですか。
真人:いいですよ。
堀:これはじゃあ開示できた時のもの。
真人:これはもう自分が持ってて、そのまま保管しておいた。
堀:ああ。いわばこれも開示請求で拒否されたものですね。
真人:ええ。
堀:これいつのタイミングでの診断書になるんですか。
真人:これが、入院のあたりだったと思いますね。
堀:医療保護入院の頃。
真人:そうです。結構先も書いてあるかな、確か。
堀:医療保護入院の判断がなされたのが、平成何年ぐらいということになるんでしたっけ。
真人:平成だと、2000……12歳の時だから、入院が確か13だったかもしれない。13歳の時。初診が12歳だったかな。記憶がちょっとまだ曖昧なんですけど。いずれにしても、今から16、7年前。15、6年前っていうことか。確か、はい。
堀:実際その医療保護入院の判断になった、その診断っていうのは、診断書が手に入ったということですか。
真人:そうです。弁論準備進むにつれて、相手方が出してきましたね。出さざるを得ないんで。
堀:まあそうですよね。裁判所から求められて。
真人:ええ。
堀:それはある、今手元にもある。
真人:手元にあった気がするんですけど、正直、見てもあんまり読めないんですよ、不鮮明すぎて。
堀:もしよかったら、ちょっと見せていただけたらありがたいですね。
真人:大量にちょっと書類があるので。いや、難しいですよね、こういう法律関係の書面もそうだし。
堀:いいですか、これ見て。
真人:はい、どうぞ。失礼します。
堀:医療保護入院の必要性について。13歳の少年が1年4ヶ月の日々を無駄にしてしまう、そして時に幻聴のような、また独り言のような言語を言う。そしてそのことに対する病識というものを感じさせない。ということであり、周りのものは放っておく理由がない。ただし本人は拒否する。したがって、ある期間治療するために医療保護入院にせざるを得ませんでした。が、これがその記載されている医療保護入院の必要性についての説明。で、その病名が、主たる精神障害が「妄想状態」と記載されていて。で、ここに今真人さんがおっしゃったような生活歴及び病歴のところに、ご家族の状況が書いてある。で、この時の診断っていうのは、まさに真人さんに聞いたわけじゃなくて、そのお母様からのヒアリングなどを元に行われた。
真人:そうです、はい。
堀:それご覧になってどうでしたか。
真人:正直わけがわからないとしか。そもそも代理診察で母親が統合失調症で、普通に家の中でも奇声上げたりとかわけのわからないこと言ってたんで、その人から医師に話して、っていうことになると、正確な診断ができるわけがないですよ。
堀:今じゃあそこに書いてあった妄想状態だとか、その一人でいる時に独り言を言っていて、本人はその自覚がないようだっていうのは、まさにお母様から聞き取った内容が書いてあって、でそこの入院の手続きの書面に書いてある妄想とかいろんな丸っていうのは、まさに本人から聞き取ったわけじゃないのに書かれてるんじゃないかっていう認識っていうことですね。
真人:そうです。自分としてそういう妄想とか幻聴、幻覚症状、一切なかったと認識してますし。
堀:当時。
真人:当時から現在に至るまで。はい、そうです。
堀:どうしてそうならなかったのか。あとカルテ見ても具体的にどういう幻聴だったのかとかも、なかなか書かれてなかったり、書かれていたとしても、そもそも母親が統合失調症でっていうのがあるんで、幻覚を見るっていうのがあるんで、それを真に受けるというか、それで診察をするっていうのは、おかしいなとは思いますよね。
堀:本当だね。それもあれですよね、そういう風に診断名がついてしまったりとか、書面上そうでしたよねって言ったら、本人がいくら「いや、そうじゃありませんよ」と言ったとしても、「はいはいはい、わかりました」で終わらせてしまうっていうことですよね。
真人:そうです。診断のスティグマが日本は特に強いので、抗えないですね、実際。もう本人がいくらこうやって語ってくれたとしても、信じてもらえない。妄言。実際俺はそれで17年間誤診続けられてましたし、誤投薬もね。
堀:実際その医療保護入院っていう診断を受けて、今の手続きに則って入った病院での状況っていうのは覚えてますか。
真人:ここも結構投薬の影響もあると思うので曖昧なんですけど、眠くて、確か本を読んでたぐらいですね。あとはなんかプログラムみたいなのはなかったという記憶しかないです。あとは良くない環境でしたねとしか。夜まで携帯ゲーム機でゲームをやってる未成年がいても誰も注意しないとか。他の病院がどうかわからないですけど、いい環境でもなかったとしか。
堀:これそこにも治療の計画が書かれてましたけど、本来であればそうした適切な精神を落ち着かせるであったりとか、いろんな認知療法をやるとか、もしくは投薬もそうですけれども、そういうのが全体的にきちんと機能するっていうのが前提になってくる話ですけど、真人さんの思いとしてはそういう状況ではなかったっていうことですね。
真人:投薬は当然ありましたね。ただ認知行動療法とかをやっていたのかがわからない。正直やってなかったと思います、記録の範囲内で。
堀:子供たちが専用にいるような病棟でした?
真人:ではないですね。いろんな年齢層も、おじいさんもいれば未成年もいるみたいな病棟でしたね。
堀:何人ぐらいいたんだろう。
真人:病棟ですか、病室ですか。
堀:まず病棟はどうでした?
真人:閉鎖病棟なんですけど、正直人数とか規模とかあんまり覚えてないですけど、十何人かとかじゃないですか、おそらく。で年齢も様々。そうです。
堀:症状も見る限りどうでした?
真人:あからさまにおかしい人はいましたよ。何を言ってるのかさっぱりわからない話をしてくるおばあさんいたりとか、何に怒っているのかわからないですけど、何かに怒っていておじいさんがいたりとか、そのぐらいですね。
堀:そういう様子をその13歳の真人さんを見て、どんなことを日々感じていたかっていうのは覚えてますか。
真人:そもそも家でもひどい扱いで、で入院、入院ってことはもう、しかも精神科に入院ですから、ほぼほぼ人生が絶たれているっていう感じが強かったので、そこに薬の投薬もありましたから、絶望しかないですよね。
堀:そうだよね。そっか。その時にそういう絶望してる気持ちだったりとか、早くこういう生活にしたいとか、そういう願いを看護師さんだったりとか、もしくはケースワーカーなのか誰か、それこそ医師なのかとかっていうのは、そういうのは聞いてもらったり言ったなっていうことはありましたか。
真人:聞いていただければ言ったとは思いますね。早く退院したいとしか。自分としては当然幻覚とかなかったわけですし。あとは周りの環境、他の患者さんたちも怖かったですし。あとはここにいて何が意味がある、何の意味があるのかみたいな。ただ薬を飲んで寝ているだけ、ほとんどそんな感じでした。暇で仕方ないから本を読んでいただけなので。認知行動療法、普通やるんですよね、多分。やってた覚えはないですね。
堀:じゃないとね、何の治療なんでしょうかっていう感じはありますもんね。薬をじゃあ打ってそれで終わりなんですか、症状落ち着きましたねで終わりなんですかっていう。結構そういうのはこまめに治療の計画とかその退院までのいろいろゴール設定みたいなのは、きちんと定められていたようだったので、一つその本当にめちゃくちゃな状態で秩序なく長引く先行きのみ通しのない入院だったというわけではなさそうですけれども。
真人:書面上はそうです。実際はそうではなかったと記憶してますね。ほとんど入院してる間、本当薬を飲まされて寝てるだけ。本読んでるとかは自発的にやってるだけですし。治療計画みたいな、あった記憶はないですね。ちなみに紙カルテっていくらでも改ざんできるんで、わからないですよ本当のことが。当時書かれていたかどうかもね。もしくは当時書かれていた、一応書面上は書いたけど実際はやっていないなんていくらでもありますからね、精神病院なんて。外から見てわからないですから。
堀:それをきちんと機能してるかどうかを判断する人が立ち入ったりとか、内側にいて何か外部に対して何かをきちんとアラートを出すとかっていうことができない環境ですからね。閉鎖病棟っていう。
真人:そうですよね。どっかの昔たくさんいろんな事件ありましたよね、精神病院関係で。弁護士の面会拒否できないはずなのに拒否した病院ありましたし、電話もね、していいのにしちゃダメって。そんな感じですもんね。機能してないですよ、いろんな制度とか法律とか。
堀:滝山病院はじめ、そうした虐待が、ほぼ虐待が行われて殺人事件に発展したりとか、そうした最悪のケースもありましたからね。結局どれぐらいの期間っていうことになるんでしたっけ。
真人:確か2ヶ月です、確かね。
堀:ここの、医療保護入院の判断がなされたのが平成19年、医療保護入院が平成20年の12月1日って書いてありましたっけ。そうですよね。でその前にこの記録を見ると、その病院に平成19年9月から平成20年の12月の間に外来、外来でこの病院に来て薬物療法、精神療法受けてる。確か入院の前に、確かそのもう投薬が始まっているような状況だったっていうのも確か記録としてもありましたよね。この時はどういう状況だったかっていうのは。
真人:それもおそらく代理受診だったんじゃないですか。記憶曖昧でちょっとあれなんですけど。
堀:じゃあ真人さんの思いとしては、自分が直接こうやって医師と向き合ってお話をしたりとか、何か触診したりとか受けて、でそれこそ同意、じゃあこうこうこういう投薬始めますねとか、こうこうこうなったら治療はまず終わりですのでそれを目指して頑張りましょうねとか、そういうコミュニケーションがあった記憶っていうのはない。
真人:ないですね、一切。一切ないです。あとそもそも家で虐待とかひどかったので、病院に行こうとも思わないというか、気持ちがもう下に下に、地に地を這いずり回っていたような感じだったので、そもそもそういうレベルではない感じだったんですよね。
堀:ちょっと差し支えない範囲で、もしお話しいただけるようだったら、その虐待っていうのはどういう状況だったのか。身体的、精神的、性的すべてありましたね。身体的だと具体的に言うと、階段から突き落とされたり、単純に殴られたり蹴られたり。これは学校に行けとか、その流れで行われたことですけどね。性的についてはちょっとあんまり言わないでおきます。
堀:それいつ頃からそういう状況だったんですか。
真人:兄がいて、兄も精神障害者だったんですよ、あからさまにね。ただ俺はキチガイで死ねキチガイだと思っている感じで、兄に対しても祖父が殴ったりとか怒鳴ったりとかする。で自分に対しても祖父とか、祖父以外もそうですけど、怒鳴りもするし殴りもするし。祖父を止める人は誰もいないし、それどころか父親、父親はほぼ関わらない感じ。後年になって聞いたことですけど、父親はあれでしたね、母親が妊娠した時、子供嫌いだから下ろせって言ってたレベルの人なんで、そもそも嫌いな人みたいなんで、まあ特に悪関せずという感じで。で母親は糖質なので、どうしようもないなという感じですね。
堀:学校は当時?
真人:行ったり行かなかったりですね。保育園も行ったり行かなかったり、小学もそんな感じです。一応小学校では児童会長やらされてましたけど。
堀:ええ、偉いね。児童会長やったんですか。その状況で。
真人:マシだった時期だったと思います、いろいろ。
堀:児童会長でどんなことやったんですか。
真人:いや、別に会の挨拶とか、その程度じゃないですかね。
堀:じゃあその状況が良い時は少し落ち着いて学校の活動とかもできたけれど、状況が悪くなる、要はその家庭の状況がバランスが悪くなると、そういう虐待の問題だったりとか。おそらく当時から強迫症は明確にあったので、それの苦痛もあったとは思いますね。
堀:どういうことですか。
真人:例えば出かける時、学校に行く前に、持ち物何度も確認するとか、よくある症状ですけど。だと何度も何度も確認して。あとテストとかのプリントも確認してとか、あからさまに違和感で苦痛にはなっていましたね、それは。まあ当時はそこまでじゃなかったので強迫は。虐待とかの方がひどかったですね。精神的負荷も。
堀:じゃあそういう状況で、その相談できる相手っていうのは、真人さんにとっては、いなかった。
真人:いないですね。家族全員ダメですから。家庭はね、そういう状況だとね。あと学校、先生、いや無理ですよ。小学校の時の話ですか。大抵お前の言うことを信じたりするじゃないですか。あと何だっけ、名前が出てこないんですけど、いわゆる内弁慶みたいな家族だったので。外に対してはすごく丁寧で、内側の家族に対しては過酷熾烈。じゃあ言い方悪いけど、すごい外面が良くて、周りから見たら何が問題なんですかと。それはお子さん何か問題あるんでしょう、親御さんこんなに丁寧に話してるんだから、みたいな。
真人:そうです。じゃあ相談するような環境でもなかったですね。あと田舎だったので、駅まで徒歩1時間半なんで、相談する施設とかもないですね。行ける範囲にないです。
堀:おそらくそうね。昔このあたり取材で行ったことありますけど。そうだよね、子供が、小学生の子供がいろんなところにすぐ手に入る地形でもないしね。移動も大変だしね。中学生の時上がった時はどうだったんですか。
真人:俺の記憶だと3年間のうち、3年生の時に行ってたかなって感じです。1年生の時はほぼ行ってなかったような、確か。入院もしてましたし。
堀:友達とか勉強とか。
真人:行ってた時期はありますけど、3年になってから。まあただ長期に休んでいましたし、薬の影響で太っていましたし、ろくではなかったですよね、生活は、学校生活は。あとどうしても強迫症、その時期からもありましたから。真人さんに。小学校からあったんで。で投薬もミスられてますし、いわゆる暴露反応妨害法(ERP)、強迫症の認知行動療法ですけど、説明も当然なかったですから。どんどん悪化していくんで、強迫症が。生活は独善的なものではなかったですよ。
堀:本当だね。だからいろんな技術も発達して、この症状にはこの治療法とか、薬物投与だけじゃなくてこういうような対処があったり、こういう行動を一緒に考えて考えるようなプログラムがあったりとかすれば、悪化したりとか逆に言うと改善したりとか。だからその診断間違ってると思う。本人も気づけないですから。あと薬間違ってると。
堀:で、自分がそういうことをされておかしい、今回の訴訟に至る経緯の一番最初の起点の時っていうのはどうだったんですか。いやこれおかしいだろうと気づいた時っていうのは。
真人:気づいた時は、引っ越しする用があったんですよね。それで転院っていうことになって、他の病院に移ったんですよね。
堀:何歳の時ですか。
真人:二十歳。あ、じゃあもう成人した頃。
真人:そうです。そこに移って、でまあその頃には当然強迫が尋常じゃないレベルになってるんで、強迫症、強迫性障害っていう。あからさまにこう、自分でも調べるので当然。DSMっていう精神科医のバイブルみたいな本、あとMSDマニュアルとか、医療事典ですけど、あとパブメドっていう医学論文のところとかいろいろ自分で調べて、どう考えてもミスられてるなと気づいたので、そこの医師に行ったんですけど、まあ当然統合失調症っていうレッテル貼られてるわけですから、信用全くされなかったですね。だから誤投薬も全然続くしみたいな。
堀:そこの新しいその病院に転院して、そこで診断をしっかり受けることになったけれど、そもそも前の段階で統合失調症で、薬物療法なども含めて重ねてきてるし、元々いた病院も、割としっかりした病院だからっていうことで、今の状況をもう一回セカンドオピニオン的に診断し直したりとか、おかしいんじゃないかって先生の方が検証するということはなかった。
真人:なかったですね。要は診療情報提供書を鵜呑みにしたっていうことです、医師が。
堀:実際その時にはこうやって対面していろんな話とかっていうのはあったんですか、転院した先で。
真人:診察はあったので、ありましたが、前提として統合失調症っていうレッテルついてるので、別に何言っても意味ないんで、正直ね。信じてもらえないんで。
堀:それはもどかしかったですよね。
真人:まあそうですね。
堀:じゃあそのことがきっかけで、自分のそもそも医療保護入院のそのきっかけ、もしくはその統合失調症だという診断名のきっかけを、が本当だったのかどうかというのを明らかにしたいと思うようになったということですね。
真人:そうです。あと自分も追い詰められていましたし、もうそれしか道はないかなと思いましたね。スティグマがひどすぎて、当然ろくな仕事はできないですし、単純に強迫症がひどすぎてできないっていうのもありますけど。学歴もろくにないですしね。じゃあこの訴訟やるしかないだろうと、そういうことです。
堀:中学校3年生終わって、その後どうされてたんですか。
真人:その後高校一回全日制、家族から行け行け行け行け行け殺すぞって言われてたんで行って、すぐ辞めて通信制行って、そこは卒業しましたね。
堀:頑張りましたね。通信制ですからね、世間一般では学歴的にはちょっと微妙なので。
堀:いやでもその状況で卒業するところまで何かをやり続けたっていうのは。そのじゃあ高校全日制の高校行って、で通信に行ってって言った時には、そうした自分の生活の環境だったりとか、それこそ通院の状況だったりとか、もしくはその状況に対する自分の思いっていうのはどんな様子だったんですか。
真人:いやなんか普通に統合失調症って診断下ってる時点で未来ないから、別に何か頑張る必要ないんじゃないかとか、そんな感じですね。日本特にスティグマ、偏見差別ひどいので、統合失調症診断下ってる時点で、実際そうであるかは別として、いろんな差別ありますからね。あとストレスがものすごいと肉体にもいろんなおかしなところが出てくるんで、咳とかもそうですけど、顎関節症とか、あとIBSっていうストレスによる慢性的な便通異常とか、たくさんありますけど、いろんな病院で見捨てられてたんで、心因性のものだのなんだのみたいな。あと具体的にこう医学的にいろいろ言ってもそもそも信用されないんで、別にどうしようもないかなみたいな、そういうスパイラルに入っていきますよね。
堀:本当だったら適切な診断、適切な処置、そして改善していくような伴走のプログラム、そういう中で生きがいとかやりがいとか体心身の健康とかをなんとか取り戻していくっていうのが本来あるべき精神医療福祉の形ですけど、全く対極にある世界を真人さんは見てきたし、強いられてきたと。
真人:よく生きてるなと思いますよ、自分でも。普通死んでますからね、俺みたいなやつは。自殺してますからね。俺は特に薬物とかもやってないですし、珍しい人だなと思いますよ、自分でも。よく踏ん張ってますね。どうしてでも踏ん張れてるんだろう。当時踏ん張れていた理由はちょっとわからないですね、正直ね。記憶も曖昧ですし。で今踏ん張れている、今っていうか訴訟始めてから、というか始めようとしてカルテの開示とかやってからは、まあこの訴訟があるから生きているだけですね。目的があるので今は。
堀:今、今日インタビューしている時点で、もうまもなく第4回の期日。
真人:そうです。
堀:この訴訟での一番の目的っていうのは、最終的に何を勝ち取りたいんですか。
真人:自分の場合はもうこの時間と、あと病気の重症度、これ本当どうしようもないので、他の目的もありますね。同じ被害者を出さないとか。制度的にもう違法がまかり通っているので、これも是正していく方向にしたいなとは思ってます。
堀:制度面で言うと、何がおかしくてどう変えたいかっていうのを端的に言うとどういう状況ですか。
真人:この医療保護入院に関する制度ですけども、いわば人の、人を拘束して閉じ込めるわけですから、これ本来厳格な診察、もちろん資格を持った医師による必要ですけど、それがちゃんとなされていないのが現状なので。あとカルテ開示とかも平気で医療機関、厚労省の指針にも違反してくるし、法律違反して、そもそも出してこなかったところもあるし。あとスティグマがあるので、正直精神医療受けてる側が何を言っても信じてもらえない。だからこの医療保護入院は間違ってると言っても信用されない。だから不正も明らかにならない。あと医療訴訟ってカルテが病院側にあるので、紙のカルテは改ざんされたケースもありますし、そこら辺の透明性。あと特に精神科医療過誤、もうほぼ勝つの無理って言われてますけど、その原因の一つにスティグマがありますし、どうせ信用されないし、判例もあまりないし、だから弁護士が受けない。弁護士も正義の味方じゃないんで、勝ち目のない裁判受けないですからね。だからそこら辺の是正。正直具体的な案とかは思いつかないですね、正直ね。この辺は。正直言ってもどうしようもないと思うんで。変えようと思って変えられるわけじゃないですしね。変えられるんだったらもうこんなひどいことになってないので。ただ少しでもその辺の違法がまかり通ってる、改善していくように、それは祈ってます。
堀:課題を挙げると限りなく。たくさんあるんでちょっと全部話せないですね。今も話が結構散らばってると思いますけど、それほどまでにも不備が多い。法令違反も。現場では法令違反当たり前。これが現実なので。
堀:真人さんは今日もインタビュー最初に顔出しますか出しませんかとお伺いしましたけど、「いや大丈夫です」っておっしゃって。どうして名前、名前はペンネームですけど、どうしてこう自身をさらけ出してでも伝えようと思ったんですか。勇気がいりますよね。
真人:さほどないですね、別に。なんかそういう勇気がないレベルだと多分俺は死んでますし、顔バレたぐらい別に問題ないですしね。訴訟としては始まってますし。あと顔出した方がやっぱり伝わりやすい。これだけ表に出てやってきてるんだから、顔隠すよりも出した方がやっぱり伝わるじゃないですか、いろいろと。それでです。
堀:ちょっとこれから裁判訴訟の行方も含めて、僕もその決心するところまで、きちんとまずこの訴訟に関しても追っていきたいですし、そのためにも皆さんに知ってもらって、こういう訴訟あるんだっていうところで注目してもらうことで、何か変えたいっていう社会の問題提起に貢献できたらなとも思ってるので、よろしくお願いします。
真人:こちらこそよろしくお願いします。
堀:今日の時点で、今一番訴えたいこと、最後にメッセージいただくとしたらどんな気持ちですか。
真人:精神医療の世界ではスティグマがひどすぎるので、これは病院云々とか制度的な問題だけじゃなくて、普通の人と人との関係での差別、これ当たり前のようにひどいんで、それも良くなったらいいなとは思っていますけど、難しいんだろうなとしか思えないですね。あんまり無駄に俺希望を持った言葉は言わないようにしてるので。どうしてあまり無駄に希望を持った言葉は言わないようにしてるんでしたっけ。結構考え方が現実的なので。こうやって法律的に全部自分でやってきてるので、生き延びてきてるので。現実的じゃないことをやっていても俺は死んじゃってたので。実現可能性がないことをあまり言わないようにしてますね。気休めにはならないですからね、そんなのは。
堀:差別、そのスティグマと感じさせる社会の側に蔓延る差別っていうのは、根底には何があるからだと思われますか。
真人:医療業界との癒着もありますよね、当然ね。精神薬とかって製薬会社の儲けにもなりますし、特に新薬、特許切れる前、製薬会社は開発費膨大に使ってるので、当然ペイしたいわけですからね。なので、ここら辺は諸説あるのであんまり深くは言いませんけど、ちょっと作られた病気があるとかっていう説はありますよね。ちょっと俺はそこら辺にはあんまり詳しくないですけど。ビジネスにしている感もありますよね。あとは被告の医療法人が今回のケース、デカいところなので、詳細は伏せますけど、いろんなところと繋がっている。繋がっているっていうところは医療業界だけじゃない。他のところとも繋がっているので、要は都合の悪いやつを「こいつは頭がおかしい」と言って封殺する。スティグマありますからね。実際それで潰された人もいますからね。問題はたくさんありますし、少しはマシになってほしいとは思いますけどね。
堀:今はどうやって暮らしてるんですか。
真人:今は新宿でバーですね。バーテン。あと本、本の収入なんてほとんどないですけど。あとはまだかろうじて貯金。まだ強迫がそんなにひどくなかった頃に働いていた頃の貯金とか。あとはお恥ずかしいんですけど、家を出る時に親からもらった金。あとは当然もう自分は重症化えげつないことになっているので、障害年金もいただいてますね。そこら辺でやりくりしている感じです。一人暮らし。そうです。でもよくきちんと自分で立って生きて頑張ってきましたね。ただやっぱり時間は無駄にしたことがどうしても後悔にはなりますね。一般的な青春の時間帯、時期、全く青春なんてなかったですからね。人生破壊されてますしね。これはどうしようもないんで、もう取り返しつかないんで。あんまり言ってもしゃあないんで、もう言わないですけど。
堀:まずこの訴訟勝ちきるっていうところ。で社会を変える。ことへの問題提起をし続ける。
真人:変えていく発端になればいいなとは思いますね。ありがとうございました。
概要(動画説明欄より)
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