浪江町は福島県の浜通り北部、双葉郡に属します。
2011年3月に起きた東京電力福島第一原発の事故により双葉郡の住民の皆さんは避難を余儀なくされました。
その後、双葉郡は避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域の3つに分けられましたが、特に浪江町は原発からも近く、甚大な被害を受けており帰還困難区域が町の大きな割合を占めています。
2017年3月31日には帰還困難区域を除く一部地域で避難指示が解除されましたが、震災前は約21,000人を超える人々が暮らしていたのが長引く避難生活、そして帰還困難区域も多いことから現在帰還している住民の方はおよそ900人程度になっています。
それでも少しずつですが、町は復興に向けて歩んでおり現在は仮設商業施設「まち・なみ・まるしぇ」やコンビニエンスストア、ガソリンスタンドなども出来て、帰還する住民の皆さんや現地で復興作業をされている方達の生活の手助けになっており、今年の夏には大手スーパーも出店予定だそうです。
しかしながら、医療施設などもまだまだ不足しており、十分な生活をするにはもっともっと復興への取り組みが必要です。
そんな中、9年ぶりに行われた請戸川リバーラインでの春まつり。
この日は朝から風が強く、肌寒い一日でしたが桜もちょうど良く咲き、春まつりの会場では「なみえ焼そば」などの屋台が並び、ステージではマジックショーや音楽ライブ、福島県内の子ども達が参加しているクラップスチアリーダーズによるチアダンスなどが披露され、子供も大人も楽しんでいました。
そして夜には、昨春開校した「なみえ創成小・中学校の校歌」などに合わせてミュージック花火が約1000発打ち上げられました。
震災前この場所では毎年花見の時期に合わせて花火大会が行われてきました。
しかしながら原発事故により中断し、避難指示解除後は町内の他の場所で行われてきましたが、震災後この場所で花火が再び打ち上げられたのは今回が初めてとなりました。
開始時刻にはそれまでの強風が嘘のようにピタリと止み、夜桜と花火の共演がとても綺麗でした。
またアイドルグループのももいろクローバーZの皆さんは、今年3月11日に同校を訪れて子ども達と一緒に遊び、被災地の子ども達だけでなく親御さんや先生方も元気づけられたそうで、春まつりの会場では大きなスクリーンにももクロの皆さんから
「もっともっと浪江町のことを知りたい!浪江町にまた来て町民の皆さんに何かしらの形でお届けできるように頑張っていきます!」とメッセージが届きました。
一方で町は未だ多くの場所が帰還困難区域となっており、除染や原発の廃炉作業、放射性廃棄物の行方など課題も多い中、本当の復興にはまだまだ時間がかかりそうです。
それでも、故郷や自分が慣れ親しんだ町でまた桜を見たり、花火を楽しめる事に喜びを感じている住民の皆さんがいるのは確かなので、国はもっと復興に向けてしっかりと取り組んで欲しいですし、私たちもまた思い続けること、そして繋がり出来る支援をしていくことが必要だと思います。
私たちが毎日使っている東京の電力はずっと福島で作られてきたのですから。
2年前の浪江町、請戸川リバーラインの様子はこちらから。
復興への一歩「まち・なみ・まるしぇ」 〜 福島県双葉郡浪江町 2017年 春の日の記録 〜
http://8bitnews.org/?p=11729