✍ 市民記者: Weng Cahiles さんの投稿
国際協力銀行(JBIC)は、フリーポートLNG(液化天然ガス)事業への支援をめぐり、テキサス州の住
民3名から出された異議申し立てに対する調査を行うことを決定した。この調査は重要な第一歩であ
るが、最終的に説明責任が果たされるかどうかは、JBICがどのように調査を実施し、その結果に基
づいて行動を起こし、事業への支援を停止するかどうかにかかっている。
住民らは、JBICに対し、担当者をテキサス州フリーポートへ派遣して事業の現地調査を行い、影響
を受けている地域住民への聞き取りや、住民の声に耳を傾けるための公開協議を開催するよう強く
求めている。
今年5月に東京の出資・融資機関へ直接提出された異議申立書には、公害の証拠、繰り返される安
全上・運用上の不備、ならびに同施設近隣に暮らす地域住民が受けている健康被害が記録されて
いる。日本の公的金融機関は、本事業を支援するために約38億ドルを提供してきた。住民らは、
JBICが住民らが提示してきた証拠とJBIC自身が定める環境社会ガイドラインの双方を無視している
と指摘している。
テキサス州メキシコ湾岸地域に長年暮らす住民や地域のリーダーたちは、家族や近隣住民が喘息
やがん、その他の健康被害を発症するのを目の当たりにしてきた。研究によれば、これらはLNG事
業やその他の産業施設からの公害との関連が指摘されている。2022年には、フリーポートLNG施設
で大規模な爆発が起き、上空約140メートルにまで火球が吹き上がるのが目撃された。この爆発に
より近隣住民が負傷したほか、約3,400立方メートルのLNGが放出された。
住民らは、日本貿易保険(NEXI)にも異議申立書を提出しているが、NEXIからはまだ調査決定の知
らせはきていない。住民らは、NEXIに対しても、フリーポートLNG事業への支援についてデューディ
リジェンスと調査を行うよう求めている。
コメント:
メラニー・オールドハム(Melanie Oldham)– ベター・ブラゾリア:クリーン・エア・アンド・ウォーター
創設者兼事務局長
JBICが私たちの申し立てを真摯に受け止めていることを心強く思っています。私たちは両機関に対
し、フリーポートへ実際に足を運び、地域住民と直接対話し、自らの38億ドルの支援が私たちのコ
ミュニティに何をもたらしたのかをその目で確かめるよう求めます。この調査において唯一責任ある
結果とは、フリーポートLNGへの資金提供を停止することだけです。それに至らない結果となれば、
このプロジェクトが私たちのコミュニティの健康と安全を脅かしていると理解していながら、それでもな
お資金提供を継続することを選んだというメッセージにほかなりません。
マニング・ロラーソン(Manning Rollerson)– フリーポート・ヘイブン・プロジェクト 創設者兼ディレク
ター
フリーポートLNGへの資金提供が私たちのコミュニティに何をもたらしたのかを直接日本の出資者に
伝えるため、これまでに2度、東京へ足を運びました。今度は彼らがフリーポートへ来て、このプラント
の陰で暮らす家族たちの声に耳を傾け、この事業への支援を直ちに停止するという決断を下す番で
す。
グウェンドリン・ジョーンズ(Gwendolyn Jones) – クライメート・コンバーセーション・ブラゾリア・カウ
ンティ 創設者
この調査の開始は、責任を問うための第一歩に過ぎません。JBICはフリーポートへ来て、自らの資
金提供がもたらしている被害を目の当たりにすべきです。私たちにとって意味のある結果はただ一
つ、JBICがフリーポートLNGへの融資を打ち切ることです。彼らがこのプラントへの資金提供を続け
るということは、私たちの健康よりもこの事業を選んでいることにほかなりません。今こそ、日本の融
資機関はこの事業から撤退すべき時が来ています。
アリー・ローゼンブルース(Allie Rosenbluth)- オイル・チェンジ・インターナショナル 米国キャン
ペーン・マネージャー
JBICがリスクが高く、公害をもたらし危険を伴うフリーポートLNG事業の調査に合意したことを、私た
ちは心強く思っています。しかし、真の責任ある姿勢は単に調査を開始することで測られるものでは
なく、その後にどのような対応がなされるかによって問われるものです。フリーポートの地域社会は、
同プロジェクトがもたらした被害について徹底的かつ透明性の高い調査を受け、日本の出資・融資
機関が気候変動の激化と地域社会への悪影響につながる金融支援を停止すると確約することが求
められています。日本はこのように危険で、汚染につながる、そして高価な化石燃料事業への融資
を止めるべきです。
深草亜悠美 – FoE Japan 事務局長
フリーポートLNG事業への融資に対する異議申し立てを受け、正式な調査が開始されることは重要
な一歩ですが、公的金融機関は今なお新規LNG事業への投資を続けています。特に、オハイオ州
のガス事業に関しては、環境影響評価すら行われないまま支援に踏み切りました。事業による環境・
社会への悪影響は、フリーポートLNG事業に限ったものではなく、公的金融機関が融資してきた他
のLNG事業や化石燃料事業においても繰り返し見られます。融資による被害を未然に防ぎ、環境や
住民を守るためには、より構造的な解決策と改革が求められています。
レイチェル・ホー(Rachel Ho)- マーケット・フォース アジア・エネルギー・ファイナンス・キャンペーン
担当
ガスは、日本が主張するようなクリーンな移行エネルギーなどではありません。フリーポートLNGの
事例は、こうした事業の中核にあるリスクと被害を如実に物語っています。JBICがこの調査を実施す
ると決定したことは、正しい方向へ向かう極めて重要な一歩であり、その調査結果は、赤道原則を含
む数々のリスク・人権・環境基準や原則に違反することになる、米国のガス事業に対する日本の投
資計画にも反映させなければなりません。