前原誠司「民進党」代表が9月21日、就任初となる定例会見を民進党・本部で行った。
France10の契約記者でゲイレポーターの酒井佑人さん(Twitterアカウント:@sakaiyuto226)が
「僕は今26歳だが、今回、若者の未来について伺いたい。若者は将来、年金がもらえるのか、職に就けなかった時の社会保障など、いろいろな心配事がある。今、若い世代が未来に希望を持てる社会にするためにどのような政策を掲げるおつもりか。また、自民党の若者対策との一番の違いについても伺いたい」
と質問したところ、前原代表は
「2点お話をしたいのですが、日本というのは、国民からお預かりしている税金とか社会保障の保険料、これを再分配するわけですが、再分配をしてもほとんど貧困率が改善しない国なのですね。(就業している世帯の貧困率が)再分配前が13.6パーセントで、再分配後が12.9パーセントなのですが、この最大の理由は、若者を含めた現役世代に対する再分配が極めて薄い国でございまして、それが若者の貧困、そういった問題につながっている。
今ご質問のあったことで申し上げると、我々はこの分配を変えていく、手厚くしていく、根本的にそこが自民党と異なるものになっていく。
それから二つ目において年金の話ですが、我々は、まさにきょう初めてつくっていただいている(背面)ボード、「All for All」、「みんながみんなのために」ということは、みんなが税を負担し合って、そのかわりみんなの受益感を高めていこう、不安を解消していこうというのが我々の考え方で、若い方々も、将来的に幾つまで生きようとも年金がもらえる、そういう仕組みを「All for All」の中でも取り込んでいきたいと考えております」
と応えた。
また、筆者が
「安倍政権の経済政策に点数をつけるとしたら、何点か。また、安倍政権の経済政策の評価すべき点と評価しない点、すなわち民進党政権になった場合、どの経済政策を引き継いで、どこを変えるのか、率直に伺いたい。」
と質問したところ、
「点数はなかなか難しいと思いますが、例えば、私が常に申し上げているのは、財政出動、それから金融緩和というのは、「3本の矢」と言われていましたが、これは経済のカンフル剤なのです。したがって、カンフル剤でありますから、カンフル剤を打たなければいけない時もあると思います。しかし、それが、特に金融緩和は5年近くずっと継続してやられていて、出口も見えない。ほかの中央銀行は、他の国あるいはEUの中央銀行は出口を模索し始めているにもかかわらず、日本だけはこの出口の模索ができていない。こういう状況であり、じゃあ金融緩和でお年寄りの不安がなくなるのか、あるいは若者が結婚できるようになるのか、若者が自分の持ちたいだけの数の子どもを持てるようになるか、そうではありません。
したがって、我々は「All for All」の考え方の中で、再分配政策を重視する中で全ての世代の不安を解消し、それが、例えばお年寄りの不安を解消すれば過剰貯蓄をしなくても済む、消費に対する好循環を生んでいく。あるいは若い方々に対する住宅支援とか、あるいは子どもの(教育)無償化ということを行えば、どのような所得の(家庭の)子どもでも学校に行く権利は等しく与えられる、結婚のハードルを低くし、あるいは希望の子どもの数を持てるというハードルも低くし、そしてそれが現物給付で行われますので、雇用を生んだり、あるいは現物給付ということはその分いわゆる所得を他の消費に回す(余裕ができ)、消費性向の強い世代でありますから、そういうことによって違う意味での好循環を生み出すことができるというのが我々の基本的な考え方であります。
金融緩和で企業がもうければ、株が高くなれば、全てうまくいくという安倍さんのトリクルダウンの考え方とは全く違う考え方で進めていきたいと考えております」
と応えた。
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