2017/07/02 未分類
「イヤよイヤよも好きのうち」本当?性行為における同意ってなんだろう?

「イヤよイヤよも好きのうち」本当でしょうか?ここに性行為における同意はあるのでしょうか。このような価値観が根強い日本では、相手を尊重する「同意」という考え方がまだ希薄です。…衆参両院ともに全会一致で可決、ついに110年ぶりに刑法の性犯罪規定が改訂され、7月13日に施行されます。しかし、これらにはまだ不完全な点があります。どこが不完全なのでしょうか。

 

大きなポイントは、「同意がなければレイプ」という考え方がまだ十分に採り入れられていないことです。5月にも、「レイプされた」と訴える女性が記者会見し、相手の男性は「犯罪ではない」と主張する、という事件が大々的に報道されました。

 

このような現実に対応すべく、今回の改正では「施行から3年をめどに、性犯罪の実態に即した施策を検討し、必要があれば措置を講じる」という注目すべき「附則」が付きました。つまり、これで固定してしまうのではなく、何か不完全な点があれば、110年待たずとも、すぐまた3年で手直ししましょう、ということです。

 

「同意がなければレイプ」。では同意とはいったいどのようなものでしょうか。

 

「酔って記憶を失っている間に性行為された」ここに「性行為への同意」はあるでしょうか?国際的には「レイプ」になり得ます。しかし、6月21日放送のNHK「あさイチ」性暴力特集において、街頭の3割の人が「性行為に同意したと思われても仕方ない」と答えていました。

 

性行為における同意とは何か、を考えるために「ビリーブ・カフェ」と名付けたワークショップを開いています。このワークショップは、1月より複数回開かれ、5月までに300人以上の方が参加してくれました。それだけ皆さんの興味・感心があることを表しています。

 

今回は、5月14日に行われたワークショップを紹介しつつ、同意について考えてみたいと思います。

 

■同意の「ない」場面をロールプレイ
A子とB男の話です。ふたりにはそれぞれ「内なる声」があります。それらは、家族や友人の声などです。詳しくは動画を見ていただくとして、性行為や男女の付き合いに関する思い込みや社会の刷り込みがあると気付くために、皆でロールプレイングします。

 

最初のロールプレイング後、講義を受け、同意を含んだ性行為となるよう、ロールプレイングの台詞を変えてゆくグループワークをします。どんな言葉や行動がふさわしいのか、皆で考えてみるのです。

 

同意を取るのは、アクションを起こす側に責任があります。以下のような場面でははっきりと「NO!」を示すのは難しいからです。

 

●相手の気分を害せない場合(上司、先生、先輩など相手が目上で歯向かえない、など)
●はっきり「NO」というのが危険な場合
●恐怖とショックで身体がフリーズした場合
●騒いではいけない、迷惑をかけてはいけないなどのプレッシャーがある場合

 

グループワークをすることで、自分なりの同意を見つけ、今後の生活に生かしてもらうのです。

 

■同意のない性行為には、どんな精神的負担が?
ロールプレイにおけるA子は、B男が性行為後、後日も普通にしているのを見てショックを受けます。不眠が続き、仕事も集中できず、表情がなくなっていきました。意思に反した性行為がもたらす症状として、以下のものがあげられます。

 

●約46%〜65%がPTSD(心的外傷後ストレス障害)
●うつ病、不安神経症、睡眠障害、摂食障害などを発症
●性暴力経験者の自死率は非経験者の10倍(アメリカの統計による)
●「アルコール、薬物」「ギャンブル、買い物、自傷、ネット」「恋愛、性行為」など、さまざまな依存・嗜癖
●外傷、妊娠、人工妊娠中絶、性感染罹患

 

■同意のある性行為とは?レイプとの違いは?
性行為は本来ポジティブで楽しいものですが、それには「同意」という大前提が必要です。同意のない性行為、性的言動は「性暴力」となり得ます。たとえば以下のような場合です。

 

●レイプ(デートレイプ、夫婦間のレイプ、知り合い、もしくは見知らぬ人からのレイプ)
●痴漢、露出狂、盗撮、のぞき
●セクシャルハラスメント
●相手の意志に反して避妊せずに性行為に及ぶこと

 

国際的には、レイプかどうか判断する3つの基準があります。
(1)その行為に対する同意があったか(家に行ったからといって同意した訳ではない)
(2)対等であったか(先生や上司など、立場や地位を利用されていないか)
(3)強制性があったか(暴力や脅し、甘い言葉があったか)

 

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「同意」という考え方を広めるために、同意のワークショップ、「ビリーブ・カフェ」を開いています。これからも開いていきます。より「ひとりひとりが大切にされる社会」を目指して「ビリーブ・カフェ」を広げていければと思います。

 

「ビリーブ・カフェ」は、「ビリーブ・キャンペーン」を展開する構成団体のひとつ、「ちゃぶ台返し女子アクション」が企画・主催しています。ウェブサイト「ビリーブ〜わたしは知ってる〜」では、活動報告や性暴力体験談など、情報を集約しています。
https://www.believe-watashi.com/

 

また、自分の地域や組織でやってみたいという方は、ぜひお声掛けください。

プロデュース :ビリーブ〜わたしは知ってる〜キャンペーン
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