刑法性犯罪改正案が6月8日に衆議院本会議で可決しました。その10日前の5月28日に刑法性犯罪改正について昨年9月から始められたビリーブ・キャンペーン(https://www.believe-watashi.com/)集大成イベント「性と法(sex and law)」が東京大学で開催されました。
120名以上の方々が参加。そして、性暴力のイベントとしては珍しいオンライン公開中継も実施し、一時的にでもライブ配信をご覧になってくださった方の数は、なんと1000人以上とのことでした。
第一部では、「ビリーブ・キャンペーン活動成果報告と刑法性犯罪改正案の現状と課題を考える」と題して、
小澤雅人さん(性暴力を描いた映画「月光」監督)
村田智子さん(弁護士、日弁連被害者支援委員会副委員長)
山本潤さん(刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト)
土屋アンナさん(I LADY.アクティビスト)
そしてモデレーターとして鎌田華乃子さん(I LADY. アクティビスト、刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト)を迎えてトークセッションが行われました。
土屋アンナさんは、「全て自分の周りで起きてないことは知らんぷりという風潮がある。もし被害者であったら、、という気持ち、思いを持つことが大事」と、自分に引きつけ、想像力を働かせる事の大切さについて語ってくださいました。また、性暴力が語られていない現状と、身近な人と性暴力や性について語り合う事の重要性も話に上がりました。
「身近な人と、本音を話せる環境を持つことがまず第一歩。話をすることって大事。愛とか思いやりを持ちながら話すことが重要。みんなが話を聞ける場所を作ろう。」(土屋アンナさん)
村田弁護士は、「痴漢だって強制わいせつ罪であって、性暴力である。こういう話をすると、男性からも私も・・・という声を聞くことがある。日本の社会ではこういう状況があまり語られてない。」と指摘。
小澤監督は、「レイプといえば、AVやピンク映画等のイメージが強い。嫌がっていても、結局受け入れてしまうというシナリオ。そういう寓話があり、それを信じている男性も多い。実態を知ったときに、これはまずいなと思った。月光は、男性向けに作ったが、まだまだ観てくれる男性は少ない。」と述べ、女性だけでなくより男性等より多くの人々に意識の改革を促していくことの重要性を示唆しました。
山本潤さんは、「性被害に遭うと、価値下げさせられるような文化がある。しんどいこともあるけど、普通に生活している姿や、こうやって性被害について発信している姿を見て、身近にもどこかに性被害を受けている人がいて、私には何ができるんだろうと考えてくれる人が増えてくれれば嬉しい。」と述べ、こうしたイベントを通じて発信し続けることで、少しでも多くの人が性暴力を自分のこととして捉えてくれればいいと希望を語りました。
第二部では、ダンスファシリテーターくはっちによるダンスパフォーマンス!皆様から寄せていただいた記号カラダを、皆で楽しく踊りました。
第三部では、ダンスパフォーマンスで感じたことの共有や、トークセッションを受けての考えを会場でシェアしました。
当日は、ダンスを踊る参加者の皆様の笑顔がとても印象的でした。
性暴力というテーマは、発信する側も受ける側も辛い側面もありますが、トークセッションでも出ましたように、社会に生きる一人一人が考えていかなければいけない問題です。
このイベントをきっかけに、より多くの人が性暴力について考え、語り、行動を起こしていってくださることを願うばかりです。
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ビリーブ・キャンペーンでは刑法性犯罪改正と実態に合った更なる改正を要望するオンライン署名を行っています。ご協力できる方は、刑法改正を後押しする署名をお願いいたします。
http://bit.ly/2nXquDx
また「刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト」のウェブサイト「ビリーブ〜わたしは知ってる〜」では、プロジェクトの活動報告や、実際の性暴力被害の体験談など、情報を集約しています。
https://www.believe-watashi.com/