8月6日、沖縄県東村高江を訪ねた。隣接する国頭村とにまたがるアメリカ軍北部訓練場では新たなヘリコプター発着場(ヘリパッド)の建設が計画されており、先月22日、資材が敷地内に運び込まれ工事が再開された。
N1と呼ばれる現場のゲート前では、先月、500人規模の機動隊員がおよそ200人の反対派市民を排除。ケガ人が出るなど混乱が続いた。
そうした中、6日、N1ゲートからおよそ3キロ離れた「N1ウラ」テントを訪ねた。沖縄防衛局は今月5日を期日にテントの撤去を市民側に求めていたからだ。
先月取材をしたN1ウラテントの責任者、糸数清さん(68)。沖縄県久米島出身で、10年近く前からヘリパッド問題と向き合ってきた。「沖縄は差別されている」。戦前、戦中、戦後一貫して、沖縄の声は本土に届くどころか、逆に抑圧されてきたと語る。
しかし、一方で糸数さんに機動隊と反対派市民の衝突を見るとどう思うか聞いた所、「力に力で対抗しても負けてしまう」と自らの意見を述べ、高江の豊かな自然を観察するため、筆者を山の中への案内してくれた。そこで見たのは「イモリ」の救出作戦だった。
そして、6日、糸数さんと再会。「力を力で対抗しても無理だと言っていた気持ちに変わりはないか?」と尋ねると、意外な答えが返ってきた。
ヘリパッド建設は、高江の何を変えようとしているのか。現場の声をお届けする。