7月17日、18日の二日間の日程で横浜国際プールで開催されたジャパンパラ水泳競技大会の2日目は、アジア新記録一つを含む多くの新記録が生まれるなど、二ヶ月後に控えるリオパラリンピックでの日本選手の活躍を大いに期待させるものとなった。
「水の女王」とも呼ばれる45歳の成田真由美選手は、1日目の50m自由形に続き2日目の200m自由形でも日本新記録を樹立する活躍を見せた。4度のパラリンピックに出場し計15個の金メダルを獲得してきた成田選手は、昨年から7季ぶりに復活し、リオパラリンピックの代表にも選ばれている。
試合後成田選手は、「アテネ(パラリンピック)ぶりの200だったので、とにかく集中して集中してということを自分に言い聞かせてました。(実際に泳いでみて)すごく楽しかったです。」と終始笑顔でインタビューに答えた。
S14(知的障がい)クラスで100m背泳ぎに出場した、リオパラリンピック代表の津川拓也選手は、大会新記録となる1分3秒10の大会新記録をマークし優勝を果たした。
「キックが良かったんです。スタートが上手に、スタートが良かったです。リオパラリンピックは100m背泳ぎと200m個人メドレーで自己ベストを出します。」と語った津川選手は、試合後コーチとベストタイムが出たことを喜び合った。
一方で、S11(視覚障がい)クラスで100mバタフライに出場したリオパラリンピック代表の木村敬一選手は、大会新記録で優勝したものの、リオパラリンピックに向けて不安を残したようだ。
「後半がきつかった。なんかめちゃしんどかったです。」と悔しい表情を見せた木村選手は、「(1日目に失敗した)スタートとターンというところはすごくうまくいったと思うんですけど、泳ぎの方がまだいまいち万全じゃなかったのかなというのが感想です。自己ベストを出して自信を持ってリオに臨みたかったんですけど、不安を残す形になりました。心配で心配でしょうがない形で終わりました。」とインタビューに答えた。
今大会スタッフとして参加した横浜の水泳部の高校生はパラリンピックの楽しみ方をこう語る。「レースを楽しんでいるところとか、レースに臨む雰囲気だったりとか、そいうのを見るのが醍醐味かなと思います。」「健常者と同じくらいのスピードで泳がれるので、そいういうことろに注目してほしいというか、日本新とか多分どんどん出ると思うので。パラリンピックでも。そいういうところをチェックしたら面白いと思います。」
リオパラリンピック前の最後の試合となった代表選手たち。リオへ万全の状態で臨むべく、今回の試合で見えてきた課題を修正しながらの最終調整に入る。
「まあ今は不安ですけど、あと2ヶ月くらいしたら忘れるんじゃないですか。」と苦笑いも見せた木村選手だったが、「あと2ヶ月ということで、できることはそんなに多くはないかもしれませんけど、毎日毎日を大切に、金メダルという思いは変わりませんので、それを目指して頑張りたいと思います。」と力強く宣言した。