南ドイツ新聞と調査報道を専門とする非営利法人のICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合が、タックスヘイブンと呼ばれる租税回避地に設立された21万件を超える法人などに関する秘密ファイル「パナマ文書」を入手し、今月3日、下記サイトで公表した。
今回、南ドイツ新聞が匿名の情報筋から入手しICIJが公表した秘密ファイルは、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」の秘密ファイルで、タックスヘイブンにある企業など21万4488団体、1150万点の文書が含まれていた。関係国は200以上に上る。
入手したファイルは76か国から集まった370人を超えるジャーナリストによって分析された。ICIJによると、秘密ファイルのデータは1975年から2015年12月末までのおよそ40年分で、そのなかには世界で指導的立場にある人や親族が含まれていた。
公開された秘密ファイルには、世界の政界関係者140人がタックスヘイブンを利用して秘密裏に取引を行っていた記録が残っており、このうち12名はアイスランドやパキスタン、ウクライナ、サウジアラビアなど現役の国家首脳や経験者であることが判明している。
中国の国家主席、習近平氏の親族に関係する取引やロシアのプーチン大統領に近い人物による20億ドル(約2200億円)を超える巨額取引の実態なども含まれており、国際的なスキャンダルに発展する可能性がある。
この文書は「パナマ文書」と呼ばれ、ICIJの発表を受け世界各国のメディアが情報の分析などを進め、一斉に報道が始まっている。
IFJ=国際ジャーナリスト連盟東京支部によると、 ICIJは2013年にもタックスヘイブンの秘密ファイルを入手し、公表している。このときは、日本の会社も含まれていたと報道された。タックスヘイブンが、法人の節税に利用されているとして、先進国首脳会議で問題になったこともある。