2016年3月19日 福島県郡山市にある郡山市民文化センターで
第二回目の双葉郡未来会議が開催されました。
双葉郡未来会議とは、東日本大震災による東京電力福島第一原発事故以降
福島県内でも特に複雑にそしてバラバラになってしまったエリアである
双葉郡の住民達が、「はなれていてもおとなりさん」というフレーズを
キーワードに地元の住民同士が繋がり、情報や問題を共有しながら今後に
役立てていこうと始まった地元による地元の為の寄り合いの場です。
未来会議という名前はついていますが、ここでは何かの結果を求めたり
直接解決するのではなくて、地元の住民達が自分たちが生きて来た
双葉郡について「知る」「見る」「繋がる」ことを目的としています。
ここで得られる多くの情報はどんなメディアが伝えるよりも正確で
とても純粋なものだと言います。
前回の第一回目では段階的に避難指示区域の解除が進む中、双葉郡の中でも
先駆けて帰還が可能になった広野町、川内村、楢葉町をスポットに
「避難解除とは何か?」というテーマで開催されました。
現在、双葉郡8町村は「避難解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域」
という3つの区域に分かれており、すでに避難解除された場所、これから
避難解除される場所、そして帰れる見通しが未だ立たない場所となっていて
その分かれた中から状況は更に複雑化しています。
余儀なく避難を強いられ県内外問わずバラバラになった住民の人達が
双葉郡であの時何が起きたのか、そして現状はどうなのかを知る為には
こういう場がとても必要だと思います。
今回は今春から来春にかけて避難指示解除が予定されている葛尾村、浪江町、
富岡町をスポットに「旧警戒区域の夜明け」というテーマで開催されて
それぞれの自治体の代表者が地域の特色やいままで起きた出来事、現在の課題、
これからの展望等についての話をし、後半では会場からの質問を受付け
ながらのパネルディスカッションも行われ、皆で問題意識の共有をしました。
一方で県外の私たちが双葉郡のそして福島の皆さんと一緒に出来ることは
一体どんな事でしょう?
パネルディスカッションの中で、県外の人達との関わり方についての話題に
なった時に、県外の人が支援したいと情熱を持って来てくれるは有り難いの
だけど、そういう場合は大抵相手の事をよく見えてないと思う時が多く、
噛み合ないことが多いと。それを解決するにはまずはみんな会話をしよう、
仲良く飲もうよ。と言われていました。
また、この双葉郡未来会議を立ち上げたのはまずは双葉郡の人同士の繋がりを
作ることが目的で、それから外の皆さんと繋がっていければと思う。
というお話でした。
時に私たちは相手の事を思ってした事が、うまく受け入れられなかったりする
場合は、ちゃんとコミュニケーションが取れていないからなのかもしれません。
また、大事なのは支援という言葉を振りかざして、何かを誰かを否定するのではなく、
まずは過去を知って、現在(いま)を知って、地元の人達と少しずつ会話をしながら
繋がって行く事が大事なのかもしれません。
そこから初めて何が出来るのか、何が必要なのかが見えてくる気がしています。
最後に双葉郡未開会議の代表平山勉さんは、こんなお話をされていました。
『この5年間で双葉郡の地元では誰一人子どもが生まれていません。
住民が外で生んだとしても、現地では誰一人生まれていないのです。
状況は双葉郡の現地で生まれる人間というのはどんどんどんどん減って行く。
我々は絶滅危惧種ですか? 珍獣??ですか。
ですので、温かく見守ってもらう必要があるのと共に、ただ我々自身が
ただ生きているだけではダメなんです。我々自身が一生懸命生きてください。
それが支援をしてくださるみんなに対しての恩返しでもあるし、繋がりを
強化する事でもあるし。しかしただ、繋がってるだけじゃダメなんです。
隣りにいる人の背中をそっと押せるような人になってください。そうすると
隣りの人がまた隣りの人を押して、押して、押して。ぐるっと廻っていつか
誰かがあなたの背中を押してくれる。支え合い、まずは双葉郡の住民同士で
ぐるっと廻っていけば、周りの人も入って来やすくなると思います。
双葉郡、前向きな話も今日たくさんでましたが、すごい厳しい状況ですよ。
進んでいる一方で、我々本当に帰れるのかどうか、一割も帰れないんじゃ
ないかっていう厳しい状況ですので、皆様のご協力無しでは復興という言葉は
あまり好きじゃないけれど、そこにたどり着くことは出来ないと思いますので、
今後とも温かい目で見守って頂き、ちょっとの力でいいので背中を押して頂ければ。
是非ともご協力お願い致します。』
と、第二回目の双葉郡未来会議を締めくくりました。
双葉郡未来会ではウェブ上で情報を公開しています。
是非、双葉郡の皆様はこちらを覗いてみてください。
もし周りに双葉郡の方がいらしたらこんな活動があるみたいだよ。
って声をかけてあげてみてください。
他にもいろいろな活動をされています。
どうか繋がってみてください。
「はなれていてもおとなりさん」
私たちはきっとどこかでみんな繋がっているのかもしれません。
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双葉郡未来会議の詳細はこちら
双葉郡未来会議
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