皆さんは東京湾に浮かぶ原子力艦船でもしも事故が起きたら
どんな対応をすべきか知っていますか?
2016年2月10日
横須賀市は米海軍横須賀基地に配備されている原子力空母で
国の基準値を超える放射性物質が漏れる事故が起きた事を
想定した原子力災害による防災訓練を行い、警察や市の職員の他、
主に周辺地域の一部市民が参加しました。
訓練では屋内退避をし、汚染検査や緊急時の対応の仕方、
ヨウ素剤について等原子力災害時におけるすべき事を教えて
くれましたが、実際に原子力空母での最悪の事故というのは
想定が出来ていないのが現状です。
原子力艦におけるの原子力災害対策マニュアルは平成16年から
改正されていませんでしたが昨年の11月ようやく一部が改正され、
今まで緩かった基準の一部が改正されましたが現在も検討中との事です。
昨年10月に横須賀基地に配備された原子力空母「ロナルド・レーガン」は
動力として加圧水型原子炉二基を搭載しており、熱出力は二基の合計で
120万キロワットと想定され、福島第一原発1号機(138万キロワット)
に近く、東京湾に原発があるのと同じとも言われています。
私たちの多くの人がまだ体験した事が無い原子力災害。
原子力空母での大きなトラブルは今まで起きていません。
しかし今後も絶対無いとは言い切れません。
横須賀市の人口はおよそ40万人。
もしも事故が起きたらその周辺の地域にも影響が出る可能性があります。
更に海でのトラブルはより大きな影響を出す事も懸念されます。
私たちは日頃からどのくらい意識して過ごせているでしょうか?
最悪の事態は来て欲しくないけれど、現実にそこにある以上可能な範囲で
想定していかなくてはいけません。今後、更なる対策への改善を求めると共に、
現在行われている限定的な範囲での防災訓練ではなく、より広い範囲での
地域住民の訓練や知識の共有も必要だと思います。
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「原子力艦の原子力災害対策マニュアルの改訂」について
我が国が独自に実施している環境放射線モニタリング活動により、
原子力艦繋留地の敷地境界付近におけるモニタリング値に異常が検知された際に、
原子力艦緊急事態にいたる可能性があるとして、関係機関に通報するための基準
改定前
敷地境界付近の放射線量率として、1地点で 10 分以上1時間あたり
5マイクロシーベルト以上を検出するか、あるいは2地点以上で1時間あたり
5マイクロシーベルト以上を検出した場合
改定後
敷地境界付近の放射線量率として、1地点で 10 分以上1時間あたり
5マイクロシーベルト以上を検出するか、あるいは2地点以上で
1時間あたり5マイクロシーベルト以上を検出した場合
放射性物質が異常な水準で敷地境界外へ放出されたとして、
応急対応範囲(以下参照)において屋内退避若しくは
コンクリート屋内退避あるいは避難を実施するための判断基準
改定前
敷地境界付近の放射線量率として、1地点で 10 分以上1時間あたり
100 マイクロシーベルト以上を検出するか、あるいは2地点以上で
1時間あたり100 マイクロシーベルト以上を検出した場合
改定後
敷地境界付近の放射線量率として、
1地点で 10 分以上1時間あたり5マイクロ
シーベルト以上を検出するか、あるいは2地点以上で1時間あたり
5マイクロシーベルト以上を検出した場合
原子力艦 原子力災害対策マニュアル
http://members.jcom.home.ne.jp/kakushinkon/pdf/gensiryokubousaimanual.pdf
原子力艦 原子力災害対策マニュアル改訂について
http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/pdf/20151120_01kisya.pdf