皆さんは核燃料の輸送がどのように行われているかご存知ですか?
東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故以降、段階的に全国の原発が停止し、
約2年間に渡り原発稼働ゼロの状態が続いていましたが、今年の8月鹿児島県の
川内原発が再稼働、そして現在、福井県の高浜原発が来年の1月下旬の再稼働に向けて
準備を進めています。
日本には商業用の原発が廃炉も含むと全国に18カ所。57基あります。
その内すでに運転を停止し、現在廃炉作業中のものが東京電力福島第一原発の
1〜6号機を
含め14基。通常運転中は川内原発の1、2号機のみ。
それ以外は全て定期検査中。
そして高浜原発が年明けの再稼働に向けて準備中です。
原発が稼働するには核燃料が必要です。
その核燃料は一体どこで作られているのでしょうか?
原子力施設は原子力発電所以外にもいくつかあります。
再処理施設、ウラン濃縮施設、核燃料加工施設、廃棄物埋設センター、
廃棄物管理施設、研究炉など。
その中でも加工施設で核燃料は作られており、日本には計5カ所あります。
茨城県東海村に原子燃料工業㈱ 東海事業所、三菱原子燃料㈱、日本原子力研究開発機構
(プルトニウム燃料技術開発センター)、 大阪府に原子燃料工業㈱ 熊取事業所
そして神奈川県横須賀市に㈱グローバル・ニュークリア・フュエルジャパンがあります。
これら施設で作られた核燃料は全国の原発(高速増殖炉もんじゅを含む)に運ばれています。
また、海外で作られているMOX燃料などもあります。
それでは、どのように輸送されているのでしょうか?
輸送方法は陸上輸送と海上輸送があり、陸上輸送は私たちが普段使っている
高速道路、一般道を通って行きます。原発が稼働する為の新燃料、または
使用済みになった放射性廃棄物、そして再稼働の一方で増えていく原発の廃炉に
伴い使わなくなった未使用の核燃料など。
これらはまた加工施設や廃棄物埋設、管理センターなどに運ばれていきます。
また再処理工場で出たプルトニウムの一部はイギリスやフランスなどの
海外の再処理工場へも運ばれていきます。
少しずつ再稼働が始まる中、条件さえ揃えば今後も再稼働をする原発は出て来ます。
一方で今年は美浜や玄海原発など5基の原発の老朽化に伴う廃炉が決定しました。
再稼働せず廃炉に向かうとしても原発がある以上放射性廃棄物は出続け、どこかへ
運ばれていきます。
今年、横須賀の核燃料製造工場からは計3回、現在定期検査中の新潟県柏崎刈羽原発に
向けて核燃料が輸送されました。柏崎刈羽原発に関しては、現時点ではまだ再稼働の
見込みは立っていません。しかし計画的に核燃料は輸送されていきます。
出発時刻は真夜中から早朝にかけて。偶然、その時の様子をカメラに押さえることが
出来ました。また輸送に関して抗議をされている方達もいます。
新燃料の輸送計画などは東京電力に関しては、年間の輸送計画がサイト上でも
見る事が出来ますが、その詳細の日程は発表されていないため、通常は
輸送ルートにいる地元の私たちも知る事が出来ません。
しかし、もしかしたら目の前に走っている車が核燃料等の輸送車という可能性もあり得ます。
その時、万が一大きな地震が起きたり、事故に巻き込まれたりしたら?
一体私たちはどう対処すべきなのでしょうか?
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現在の全国の原発稼働状況
全国18カ所 57基 (東海原発 廃炉含む) 2015.12.28 現在
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北海道 泊原発 1、2、3号機 定期検査中
青森 東通原発 1号機 定期検査中
宮城 女川 1、2、3号機 定期検査中
福島 第一 1、2、3、4、5、6号機 廃炉(2011.3 〜)
第二 1、2、3、4号機 停止中
新潟 柏崎刈羽 1、2、3、4、5、6、7号機 定期検査中
茨城 (東海) 廃炉 運転停止(1998.3 〜)
東海第二 定期検査中
静岡 浜岡 1、2号機 廃炉 決定(2008.12.22)
3、4、5号機 定期検査中
石川 志賀 1、2号機 定期検査中
福井 敦賀 1号機 廃炉 決定(2015.3.17)
2号機 定期検査中
大飯 1、2、3、4号機 定期検査中
美浜 1、2号機 廃炉 決定(2015.3.17)
3号機 定期検査中
高浜 1、2、3、4号機 定期検査中
島根 島根 1号機 廃炉 決定(2015.3.18)
2号機 定期検査中
愛媛 伊方 1、2、3号機 定期検査中
佐賀 玄海 1号機 廃炉 決定(2015.3.18)
2、3、4号機 定期検査中
鹿児島 川内 1、2号機 通常運転中(2015.8〜)