東京電力福島第一原発が立地し、今も大半が帰宅困難区域となっている双葉町で、2015年12月21日、町内の原子力看板を撤去する工事が開始された。
原子力看板に掲げられた標語の一つ、「原子力明るい未来のエネルギー」を小学生の時に考案し、町から表彰を受けた大沼勇治さんは、原発事故の記憶を風化させないためにも、看板は残すべきだと主張。今年6月には、看板の撤去反対と永久保存を求める6,502人分の署名を集め、双葉町長に提出した。
双葉町は、看板の「解体」ではなく、今後整備を予定する復興祈念公園などでの展示を視野に復元可能な形で「倉庫に保存」する予定だが、元々の場所に保存したいという大沼さんの願いは叶えられなかった。
小学生の頃、「誇らしかった」看板が、今は「間違っていた」と語る大沼さん。看板が撤去される前日に双葉町の自宅に一時帰宅し、最後の「標語直し」をする大沼さん夫妻を取材した。