2015/12/10 政治
【静岡市長選挙:公選法違反事件】現役市議の宮澤圭輔さんの一審判決が確定

今年4月に行われた静岡市長選挙において、無所属新人で出馬した高田とも子さんの選挙陣営と、彼らの「政治活動」、(この一連の裁判では「政治活動」と「選挙運動」の定義が最も重要な意味を持っている)に関わった方々が6名逮捕されている。

 

12月9日、静岡地裁の佐藤正信裁判長は、逮捕された6名のうちの1人で、高田さんの選挙をボランティアで手伝っていた現役市議の宮澤圭輔さんに、懲役1年6ヶ月、執行猶予5年、公民権停止5年の一審判決を下した。刑の重さは、高田とも子さんの兄で、選挙対策本部のトップだった高田隆右さんと同じ。そして30年以上、4桁の数の選挙をボランティアで手伝ってきた「選挙プランナー」(「無党派選挙の神さま」と呼ぶ人もいる)の斎藤まさし(酒井剛)さんの次回の公判は12月22日、静岡地裁にて。現在は検察側の証人の尋問が行われている。斎藤まさしさんは、宮澤さんと同じく無罪を主張し裁判を闘っている。

 

動画は12月9日に判決が出た後の宮澤さんの記者会見。

 

宮澤さんは自身のブログに「最終意見陳述」を掲載している。

 

以下ブログより引用。(http://miyazawakeisuke.com)

 

「最終意見陳述

静岡地方裁判所 御中

宮澤 圭輔 ㊞

平成27年10月14日

今日が地裁で主張できる機会は最後だと聞いています。

そこで、何点か、お伝えさせて頂きます。

第1に、私は無罪です。

改めてはっきり申し上げておきたいことは、私自身はもちろん、斎藤さんを初め、高田会長、スタッフ、今回の選挙に関わった誰一人として、選挙違反を計画的に企て、違法行為をしようとしていた人間などいなかったことを、裁判長には強く訴えさせて頂きます。

 また、兼ねてから私は政治には、常に新しい挑戦者と選挙という競争がなければ良くならないと思っていました。だから、これまでも選挙に出たいという人には積極的に応援をしてきました。今回、高田さんを応援させて頂けた事についても、全くの後悔はありません。

 今振り返っても、高田会長を初め、メンバーのひとりひとりが本当に静岡市を思い、志を持って、我が事として取り組んだのが、今回の市長選挙だったと今でも思っています。ただし、人の為、地域の為に立ち上がった結果として、関わった方々がこのような形になってしまったことが残念でなりません。

高い志を持って選挙に挑んだ私たちの行為の評価については、公正にご判断頂きたくお願いするものです。

第2に、現、選挙制度についてです

遵法精神はこの日本で生きる一人の国民として、守るモノと認識しています。その上であえて云わせてもらいますが、現在の選挙制度は本音と建前が違い過ぎます。

挨拶の言葉ひとつ、チラシの書き方ひとつ変えることで、本音を隠し、選挙の事前活動ではないとしていますが、林検事が云われるように、相手はどう思うかを考えてみてください。

また、水野検事の説明によれば、今回のような顔や氏名、選挙名が記載してある同様のビラを街頭で配布した段階で違法だとする見解でした。今回提示させて頂いたようにそのようなビラはこれまでもありましたし、ビラやリーフレットを配らない候補者は居りません。

政治家や立候補予定者が、選挙前に街頭や町内会、会社の朝礼などに、暗に投票してとは云いませんが、その意味合いを持って告示前に挨拶に来ることは、誰でも知っています。

その際に、選挙名は無くとも『市政にチャレンジ』と記載したビラを手に訴える立候補予定者に対して、有権者は選挙と受け取らないでしょうか。

また、唯一、先進国の中で戸別訪問を禁止されている日本ですが、実際には特別な人か、特別な知名度がない限り、個別訪問をしていない政治家は居ないのが現実です。これについても、一件飛ばしで行えば、個々訪問としてすり抜けられるというから驚きです。一般的に考えて、この理論が通用するでしょうか。

また、他の選挙プランナーが『こうすればいい』という、テクニックを聞いてどうお感じになったでしょうか?

選挙は国の将来を投票によって決める大事な民主主義制度です。

その大事な将来を決めるのに、本音とは異なった建前のテクニックや恣意的な曖昧な判断が左右する民主主義は、本当の民主主義なのでしょうか。

そもそも政治活動や政策は最終的には選挙と云う民主主義で判断されるものであり、繋げれば認識できてしまうのは当たり前なのではないでしょうか。

先進国では選挙の事前運動について、禁止しているのは日本とロシアだけだそうです。今のアメリカ大統領選挙を見ても、いつでも立候補表明し、支持を訴え、政策の説明に支援者もが戸別訪問をして、国民に理解を深める作業をしています。

いつの日か、日本も選挙に立候補する志ある若者や挑戦者が、3年も4年もかけ、一件一件、夢や希望を語りながら個別にまわり、国民・市民と夢を共有し、正々堂々と「自分に託して欲しい」と訴えられる世の中になったら、どれだけ素晴らしいことかと、今も思っています。

最後に、逮捕・勾留されてからの43日間。人はすべての欲求を取り除かれた跡に残るものは、子を想う心。家族を思う気持ちが最も強く残るということを改めて認識しました。今は、大変な負担をかけ、私以上に耐え苦しんでいる妻や家族を幸せにすることが私の第一の勤めだと思っています。

人は鏡、万象は我が師。

今、起きている事を真摯に受け止め、人生を歩んで行きたいと思います。

以上

合せて、前回の被告人質問でしっかりお答え出来ていなかった点について申し伝えさせて頂きます。

裁判長の云われた『候補者と政策的な意見交換をしたのか』については2月11日に松田さんと行った静岡市の課題に対する世論調査結果を提示し、その後も松田さんや会長を交え、意見交換を行っています。

ただし、その後作成された市長選ビラに記載される政策や内容について、その前段での私の意見が活かされたかもしれませんが、一切の関与はありません。

次に、裁判官の『選挙管理委員会に政治活動の確認をしたのか』という点について、話がかみ合わなかったという点についてですが、補足として

政治活動は本来、県の自治行政課で確認が行われます。また、確認団体のビラは存在しないという事です。何故なら、告示前までは通常の政治活動であり、告示日以降は確認団体の届け出を済ました団体となり、告示日以降に発行するビラやポスター等を選挙管理委員会に確認する義務が生じますが、それ以前のモノについては通常選挙管理委員会に確認するモノではありません。ましてや、所管が違う政治活動であるならなおさらであり、選挙管理委員会から立候補届け出の説明会でも政治活動の説明がないことからも明らかです。よって、『選管に確認したか』の問いについては政治活動として確認する義務がなかったという事になります。

以上です」

プロデュース :蜂谷翔子
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