2015/12/06 地域
ダイコンこども食堂 〜 新しい地域のコミュニティづくり 孤食から共食へ 〜

 

近年、見えにくいこどもの貧困を支援したいという新しい取組み
「こども食堂」が日本各地で広がりを見せています。

テレビやネットのニュースでこの言葉を見聞きした事がある人も多いのでは
ないかと
思いますが、実際にこども食堂とはどんな場所なのでしょうか?

子ども食堂とはこどもが一人で立ち寄れる地域の居場所。

核家族化が進む中、子どもも大人も一人で食事をする孤食化が進んでいます。
シングルマザー、ファザーも増えており、どうしても子どもと一緒に食事を
出来ない環境にある。または、思うような食事をとらせてあげる事が
出来ない等の状況が増えていますが、それらはなかなか社会から
見えにくいものとなっています。特にこどもの孤食は食事のマナーのしつけの機会が少なくなり、
協調性や社会性に欠けることも懸念されているそうです。

一方で大人の孤食は高齢者の孤食が増えており、大阪のNPO法人 老いの工学研究所さんの調査では
4人に1人の高齢者が孤食状態にあるといいます。
SNSが日常の中に浸透し、一見繋がりがあるような状態でも実は孤立している状態にある。
大きな現代社会の問題の一つです。

私たちはこれから「孤食」とどう向き合っていくのか。
その一つの解決策がこの「こども食堂」にあると思います。

今回は、練馬区で2015年10月からスタートしたばかりの「ダイコンこども食堂」さんを訪れてみました。

実際のこども食堂はどんな風に運営されているのでしょうか?

「ダイコンこども食堂」の名前の由来は練馬の特産でもある「練馬大根」から来ているそうです。

ダイコンこども食堂の代表 只野さんは、練馬の駅近くでワインカフェを経営されており
地域に根ざしたお店づくりをしたい。それと同時に何か出来る事をしたいともともとは
練馬の野菜を広める為に「地産地消」がコンセプトの「願いのたねプロジェクト」を
スタートしていました。
しかし、ご自身もお子様を育てている中で、6人に1人という見えないこどもの貧困を知って
すごく衝撃を受け、調べていく中で地域にある「練馬こども食堂」の存在を知り、
実際に訪れてみたところ飲食店を経営している自分にも出来るのではないかと、すぐに実行に取りかかりこの10月からスタートされたそうです。

ダイコンこども食堂が目指しているのは
「子どもと共食から広がる地域の明るく楽しい居場所づくり」

一人で食事をする「孤食」が広がる中、少しでもみんなで食事をする事の大切さをわかちあう為に、また放課後の時間、地域の中で安心安全な居場所を作る為に
ダイコンこども食堂が存在しています。
実際にダイコンこども食堂で使われている野菜は地域の体験農園からのおすそ分けで
まかなっており、
その時に頂いた野菜を元にメニューが決まっていきます。しかし足りないお肉やお魚は、現時点では寄付金も一部ありますが、
只野さんが実費で補っているのが現状です。
お手伝いのボランティアさんは地域や遠方からの大学生から主婦や会社員と様々です。

現在は訪れるこどもよりボランティアさんの方が多いのも現状の一つです。
まだまだ始まったばかりのダイコンこども食堂。地域へのお知らせをしていますが認知度もまだ低く、また練馬自体には「練馬こども食堂」をはじめとして、6カ所のこども食堂があり分散化もされているようです。

また「こども食堂=こどもの貧困」というイメージにより、なかなか入り込めないのも原因の一つかもしれません。

実際には貧困家庭のこどもだけでなく、地域の新しいコミュニティの場として
こどもだけに限らず大人も誰でも参加出来ます。
ちなみにダイコンこども食堂さんは高校生までのお子様は無料。
それ以上は会費300円とそれでも安い価格でしっかりとした食事を提供してくれています。ごはんをみんなで作る事で食育にも繋がり、また食事の前の時間を利用してこども達が共に遊んだり、宿題をしたり、それを大学生や大人のボランティアが見てあげたり、その時初めて会った人同士による一つの大きな家族がそこに誕生します。

実際に私もダイコンこども食堂さんを訪れた事で、それを体験し、実感しました。新しい地域のコミュニティづくり。現状ではボランティアや誰かの負担の元に
成り立っていますが、続けるにはしっかりとした体制が必要です。
それもまた今後の新たな課題になってくると思います。全国各地で広がりつつある「こども食堂」それぞれの取組みを今後も見ていきたいと思います。

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ダイコンこども食堂  http://blog.childrens-cafeteria.tokyo/

願いのたねプロジェクト http://www.wishseed.jp/

ワインカフェ練馬   http://www.winecafenerima.com/

プロデュース :城島めぐみ
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