国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追(そうまのまおい)」。福島県相馬地方に1000年以上前より伝わる伝統行事です。相馬野馬追にはいろいろな催しがありますが、中でも勇猛果敢な「甲冑競馬」は東京都品川区の大井競馬場にて一年に一度催され、今年で20回目を数えました。その様子をお届けします。
00:00 場内説明
01:27 出走馬本馬場入場
03:24 相馬野馬追代表世話人 中島三喜 挨拶
06:41 礼貝
08:56 相馬民謡「相馬流れ山」歌い手 杉内芳人
10:46 発馬の貝
11:28 甲冑競馬
13:54 散らしの貝
15:30 場内説明
「野馬追は貝に始まり、貝に終わる」と言われるほど、各催しの合図では法螺貝が吹き鳴らされます。大井競馬場での甲冑競馬でも、始まりを知らせる礼貝、競馬を始める発馬の貝、終わりを知らせる散らしの貝が吹かれます。
相馬野馬追の歴史は古く、平将門が、放した野生馬を捕らえる軍事訓練ならびに捕らえた馬を神前に奉納したことに由来すると言われています。
現代では出陣式から始まり、鎧を来た騎馬武者による甲冑競馬や神旗争奪戦など、三日間に渡り500余騎が戦国時代の絵巻を繰り広げる神事・祭りとなっています。
東日本大震災および原発事故に遭った2011年でさえ、規模を縮小しながらも途絶えさせることのなかった相馬野馬追。年を追うごとに、規模は少しずつ大きくなり、観光客の数など震災前と変わらないところまで戻してきたところもあります。
しかし、相馬野馬追が行われる地区でもある南相馬市は、未だ人・馬ともに帰れないところがあります。復興のシンボルともされる相馬野馬追ですが、復興できた側面・できていない側面、両方持ち合わせているのです。
それでも現代の騎馬武者たちは、被災に負けることなく伝統を受け継いでいます。大井競馬場での甲冑競馬で、その雰囲気の端緒を味わっていただければと思います。