宮城県内での放射性指定廃棄物最終処分場候補地公表から1年9ヶ月経ったところだが住民の反対運動により環境省は候補地での詳細調査ができず立ち止まっている。
【現在までの経緯】
宮城県内での候補地選定の方法は栗原市、加美町、大和町の1市2町の3候補地の中から1候補地を詳細調査で得られた結果を評価したうえで最終的な候補地を選定する、また地元の意見を尊重するとのことで詳細調査は3箇所同時におこなうとのことで昨年は加美町の反対運動で中止になったが他2候補地にも環境省の職員が待機していた。昨年は住民の反対運動で降雪時期前の調査は結局できず翌年雪解けを待って行われると思われていた。そして翌2015年春になり山間部の雪も溶けたが詳細調査は行われず「指定廃棄物の課題解決に向けて」のフォーラムが行われた。その後8月からまた加美町の候補地へ環境省の一行が調査に訪れているが住民達の反対運動によりことごとく阻止されている。
10月には栗原市長、大和町長から宮城県知事村井嘉浩に全市町村長会議の要望が届けられた。また村井知事からは、このままこの問題が越年するようであれば白紙にし市町村長会議を行うとの発表があったそして10月29日には環境省と加美町との意見交換会がおこなわれた。意見交換会には、環境省側が井上信治環境副大臣、東京海洋大の谷和夫教授、加美町側は猪股洋文町長、東北大の大槻憲四郎名誉教授らが出席した。
大槻氏は「不適切」と判定し猪股町長からは用地面積が不足で基準に達してなく又候補地の除外規定である豪雪地帯など(注2)の問題を取り上げた一方谷氏は「地質調査をしなければ判断は困難だ」と意見を述べ双方歩み寄りはなく物別れに終わった。
栗原市、大和町は詳細調査に同意したとのことで環境省による調査は行われず加美町だけに環境省による調査の一行が訪れている又3候補地同時の調査の筈がだ栗原市、大和町では現地で待機している環境省の職員は今年はいないような状況である
また3候補地の1候補地である栗原市の山間部の一部は9月にジオパーク(注1)に認定されたところである。
【編集後記】
見聞きする中ででさらに多くの矛盾が感じられた今回の取材でした。この問題の中で地質が一つのキーワードとなっています地質というものは圧力と時間によって作られたものですこの問題も幅広いプロセスを含んだ議論を重ねる必要があるということです。「圧力と時間」が必要だということです。
それと最後に地域の方が話されていた特措法の中に環境省がやっている事の問題点を取り上げないといけないと言われていたがもっともな意見です。
注1 地球科学的な価値を持つ遺産(大地の遺産、ジオヘリテイ英:geoheritage))の保全を目的としたプログム 出展Wikipedia
注2 加美町の主張する候補地除外規定については下記サイト加美町猪股町長インタビューを参照してください。
放射性指定廃棄物最終処分場候補地は今 http://8bitnews.org/?p=3931