2015/09/02 地域
桜島の今を知る2015 〜 火山と共に生きる日常の世界 〜

 

2015年8月15日

「桜島では規模の大きな噴火が発生する可能性が高まっています。」

2015年8月15日 鹿児島県にある桜島は火山性地震が急増、急激な山体膨張を示す地殻変動も

観測され、警戒レベルが3から4に引き上げられました。それを受けて鹿児島市は一部住民

(3地区)に避難勧告を発令しましたが、規模の大きな噴火が発生する可能性は低下している

ことから8月22日に避難勧告を解除。それと同時にうち2地区24世帯(40人)の住民は

避難準備情報に切り替えられました。また27日からは観光規制も解除され一部エリアを除き

桜島の観光が再び出来るようになりました。

さらに気象庁は9月1日、火山活動が8月15日のレベル引き上げ以前の状態に戻ったと判断した為、

桜島の噴火警戒レベルを4(避難準備)から3(入山規制)に引き下げました。

しかしながら「少なくとも今回の現象は収まったが、活動自体は活発な方向に向かっている」

との見解も示し、昭和火口や南岳山頂火口から2キロの範囲で噴石を伴う噴火や火砕流への

警戒を引き続き呼び掛けています。またこれを受けて、鹿児島市は島内2地区に出していた

避難準備情報も解除しました。国土地理院が桜島の人工衛星データを解析したところ、

8月17〜30日の間は新たな山の膨張は観測されなかったとのことです。

大正3年1月12日 後に大正の大噴火と呼ばれる大きな噴火があり、それ以前は

「島」だった桜島は、その噴火で流れでた溶岩によって海峡が埋め立てられ、

大隅半島と陸続きになりました。またその時の噴火では上空8000m以上まで噴煙が

上昇し、火山灰は遠くカムチャッカ半島まで飛んでいったという記録があるそうです。

島内の住民にも大きな被害をもたらし、黒神エリアにあった「腹五社神社はらごしゃ」の

鳥居は、高さ3mあったものが、噴火後たった1日のうちに火山灰等によって埋め尽くされ

ました。 当時の住民は神聖な鳥居を掘り起こそうとしたそうですが、当時の村長の

「後世に噴火の記憶を残そうという」判断から、現在も噴火直後の姿がそのまま残されています。

映像は2015年8月31日の桜島内の様子。

黒神地区にある展望台を兼ねたお土産屋(火口からおよそ4km)の店員さんと、陸から桜島に

向かう直前にある垂水市内 マミーズカフェのオーナーさんに桜島の現在の様子などを聞いています。

また大正噴火によって埋没した鳥居の様子等も入っています。

避難の解除等はされましたが、山が膨張している状態に変わりない為、万が一に備えた警戒は

引き続き必要です。

しかしながら、レベル3は鹿児島に住む人たちにとっては日常であることも理解しておくことが

必要かもしれません。

火山と共に生きる日常の世界。火山に限らず各地域でそれぞれの課題があると思います。

自然豊かな日本で、私たちはどう自然と共存共生していくかが問われている気がします。

桜島の最新情報はこちらを。

 情報満載!桜島観光ポータルサイト 「みんなの桜島」 http://www.sakurajima.gr.jp/

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〜 参考までに 〜

今回一気に上昇したマグマ: 約200万m3

昭和火口噴火で最大級(2013/8/18) 約7.5万m3

南岳山頂噴火で最大級(2012/7/24) 約14万m3

御嶽山2014噴火 約25万m3

桜島の昭和噴火 約2億m3

桜島の大正噴火 約20億m3

(みんなの桜島より転載)

 

プロデュース :城島めぐみ
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