2015/07/05 社会
百田・自民党発言を「沖縄タイムズ」「琉球新報」編集局長が批判

武富和彦「沖縄タイムズ」編集局長と潮平芳和「琉球新報」編集局長が2015年7月2日、日本外国特派員協会にて記者会見し、海外記者からの質疑に応じた。

 

武富氏は冒頭で

 

「今回、沖縄の二紙を潰さないといけないといった百田氏の言葉には憤りを感じる。琉球新報と出した共同声明にも書いたとおり、政権の意に沿わない新聞・報道は許さないのだという言論弾圧の発想に関しては、民主主義の根幹である表現の自由・報道の自由を否定する暴論だと受け止めている。ただ、一番の問題と感じているのは、百田サンの言葉を引き出した自民党の国会議員だという風に想っている。沖縄の輿論を歪んでいるとして、正しい方向に持って行くにはどうすればいいのか……という質問内容は、沖縄県民をひじょうに愚弄するものであり、たいへん失礼だという風に感じる。新聞社に対して潰さないといけないといわれた以上に、沖縄の輿論が歪んでいるといわれた沖縄県民を馬鹿にした発言だと言うことで憤りを感じている。」

 

と述べた。続けて武富氏は

 

「沖縄の民意は明確だ。県知事選挙や名護市長選など色々あったが、昨年の選挙で、すべて自民党が応援する候補が負けた。そういう結果が沖縄の輿論が歪んでいるのだということを言いたいのだろうが、民主主義においてもっとも尊重されるべき選挙結果を否定すること自体が民主主義を否定することに他ならない。安倍政権は去年11月に当選した翁長知事と長らく会おうとしなかった。やっと会ったのが今年の四月だ。それまで安倍さんが云っているのは、普天間飛行場の辺野古移設に関しては、私たちは辺野古新基地建設と呼んでいるが、辺野古が唯一だと繰り返すばかりだ。菅官房長官や中谷防衛相にいたっては、『この期に及んで』だとか『粛々と』という言葉を遣って、威圧するような形で、沖縄と向き合っていた。翁長知事から上から目線だと指摘され、最近はその言葉を遣わないが、本音の部分では何も変わっていない。その安倍政権の姿勢が、今回の自民党議員の発言に表れたのだと思っている。」

 

と述べた。

 

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プロデュース :及川健二
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