18日夕方、国会議事堂前にて市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動
実行委員会」
主催の安全保障関連法案に反対する集会に作家の瀬戸内寂聴さんら、
主催者発表で約2000人の人が集まり、戦争反対への想いを語り、
「 戦争する国 絶対反対!戦争反対!9条守れ!」等のシュプレヒコールを国会に向けて叫んだ。
命を懸けて訴えに来た瀬戸内寂聴さん、「いい戦争なんて絶対ありません。」
京都で療養生活中の瀬戸内寂聴さんもひとり車椅子で駆けつけた。
「 私は今年、満93歳になりました。
おそらく今日はたくさんの方が集まって
いらっしゃいますが、
私より年上の方はいらっしゃらないのではないかと思います。
私は去年一時病気を致しまして、ずっとほとんど寝たきりでした。
そしてそれが完全に治ったわけではありません。けれどもいろいろ考えましたけれども、
最近のこの状態は寝ていられない程、私の心を痛めました。
それでどうせ病気で死ぬか、あるいはここへ来て怪我をして死ぬかわかりませんけども
どうせ死ぬならばこちらへ来て一言でも皆さんにご挨拶をして
「このままではダメだよと。日本は本当に怖い事になっているぞ。」
という事を申し上げて死にたいと思いました。
今度来ましたのは、私はどこにも属しておりません。誰にも話しておりません。
ただ自分1人でやってきました。ですからもしも私が怪我をしたり、あるいは
何かの拍子に死んだり致しましても、それはあくまで自己責任でございます。
そういう気持ちできました。だから怖いものなしです。
だから何でも言っていいと思って参りました。
私は1922年 大正11年の生まれですから、もう戦争の真っ只中に青春を
過ごしました。
それで前の戦争がいかに酷くて大変かと言う事を身に染みて感じております。
私は戦争中は北京にいましたから、終戦は北京で迎えました。
(中略)
そこから考えた事は、私はそれまでの教育でこの戦争は天皇陛下のため、
或いは日本の将来の為、あるいは東洋平和のためという風に教えられておりますが、
戦争にいい戦争っていうのは絶対ありません。戦争はすべて人殺しです。
殺さなければ殺されます。こんな事は人間の一番悪い事です。
ですからそういう事を二度と起こしてはならない。しかし最近の日本の情勢を
みておりますとなんだか怖い戦争にどんどん近づいているような気が致します。
ですからせめて死ぬ前にこうして皆さんにそういう気持ちを訴えたいと思って
参りました。だからどうか皆様、ここへ集まった方は私と同じような気持ちだと
思いますけど、その気持ちを他の方にも伝えてですね、特に若い人たちに伝えて、
若い人の将来が幸せになるような方向に進んでほしいと思います。」
最後に「どうもありがとうございました」と聴衆に頭を下げ、再び車いすに乗り込み
その場を後にした。会場からは大きな拍手が沸き起こった。
またこの日は、民主党 辻元清美 衆議院議員、日本共産党 塩川鉄也 衆議院議員
社民党 福島みずほ 参議院議員らも参加し、自らの想いを訴えかけた。
今国会の会期末は6月24日。現在自民党は会期末の延期を検討している。