2015/03/12 社会
【シリーズ「復興」】交流サロンから見た4年間、そしてこれから

東日本大震災から4年。
被災3県の中で唯一震災関連死の数が震災直接死の数を上回っているのが福島県だ。

震災関連死とは、津波や火災といった地震による直接的な被害ではなく、間接的な被害によって人が亡くなることを指す。例として、長期の避難生活による体調悪化を原因とする死や、精神的に追い込まれることによる自殺などが挙げられる。2014年12月26日の復興庁の発表によれば、福島県の震災関連死は被災3県の関連死の半数以上を占めている。

 

その福島県で、2011年11月から地域住民の心を支え続けた場所がある。

 

いわき市にある、小名浜地区交流サロンだ。

今回はこのサロンで1年半以上にわたって働いている石井さんにお話を伺った。

 

――教室、イベントで住民の交流を

このサロンでは、住民の交流のために外部から講師を招いての教室や、アーティストを

いてのイベントなどを定期的に開催している。
教室の種類は多岐にわたり、特にオカリナ教室と、エコクラフトの教室が人気だという。
それ以外にも手芸や、足湯を行ったこともあるそうだ。
手芸をしながらする何気ない会話や、足湯でホッとした時に出る本音が、利用者の心の負担を少しでも和らげることにつながっているのではないかと石井さんは言う。

 

――このサロンの果たす役割
サロンの利用者はお年寄りが多く、この土地で長い時間を過ごしている分、震災後はなかなか前向きになれない人もいた。しかし、サロンに通い、だんだんとそのお年寄りの方が元気になっていき、今では前向きな言葉も語るようになった。と石井さんは言う。
集まる場所があるということは孤独にはならないということ。ここに来る人にはそれを提供できる。ただ、その反面でここに来られない人もいるということを忘れずにいたい。サロン以外の形で、そういう方々へのケアを行うことも必要だと思う。と石井さんは語気を強めた。

 

<参考リンク>
東日本大震災における震災関連死の死者数(平成26年9月30日現在)[平成26年12月26日公表]

いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター

プロデュース :8bit news
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