2015/02/24 政治
【与那国島住民投票】ルポルタージュ④自衛隊誘致の民意を問う住民投票の結果と小さな島に住む人々のこれから

2015年2月22日。1284名の投票権を持った島民のうち1094名が自衛隊誘致の民意を問う住民投票に参加。投票率85.74%。自衛隊誘致、賛成632票。反対445票。無効票10票。白票7票。

 

 

日曜日の午後7時に投票時間が終了。8時の開票開始時間になると島の人々やメディアが祖納にある会場をすっぽり囲み、窓ごしに大きな会議室で行われている開票作業の様子を眺める。計算係3名。開票管理者1名。職務代理者1名。開票立会人4名。50票ずつ賛成票と反対票が束にされ、計算が済んだものにハンコが押され、票数がホワイトボードに記録される。

 

 

夜9時前に出た開票結果は賛成632票、反対445票。

 

 

 

 

「住民投票を成功させるための実行委員会」の委員長で医者の上地国夫さんは、民意がサポートしても与那国島の西にある久部良の集落の至近距離につくられるレーダー基地からでる電磁波による健康被害や危険性が無くなるわけではないので、レーダー基地建設を阻止するために活動を続けるとしている。彼らはレーダー基地建設差し止め訴訟の準備を進めている。町長選挙での差が47票差だったのに対して、187票の差がついた今回の住民投票の結果については、与那国での選挙には不正が多いため検証作業もする必要性があると彼は言う。

 

 

与那国改革会議の集会場から帰る反対派の女性は「私は武器がある限り戦い続けます」と言って自転車で帰って行った。

 

 

 

 

賛成派の祝勝会では、決起集会の時と同じく、BEGINの「島人ぬ宝」がリピートで流れていた。

 

 

1が経済、2が防衛。島の経済だけを考えながら自衛隊の誘致計画を進めてきたが、中国の南西諸島付近の動きを受けて、国境の島としての防衛面での意義もでてきた、と外間守吉町長。2003年から町長と共に、人口減少を食い止め、経済発展するには自衛隊誘致が良いアイディアだという発想から、自衛隊誘致を要請してきた「自衛隊に賛成する会」の会長の金城信浩さんは、今日ほど嬉しい日はないと言った。

 

 

 

 

住民投票が終わった後、両方の陣営の人々はこじれてしまった島の人々の人間関係を修復する必要性を口にした。賛成派の集会でも反対派の集会でも、みんなカジキの刺身と黄色い衣のついた魚の揚げ物を食っていた。

プロデュース :蜂谷翔子
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