こどもの城・青山劇場・青山円形劇場。この施設は、2015年2月1日をもって閉館しました。こども活動エリアの最後の日の様子です。にぎわいが分かります。
閉館時には、城で働いていた人たちによる「お見送り」がありました。お見送りが終わった後も、名残惜しそうに人々は残っていました。ようやく人がいなくなるまで、閉館から一時間以上もかかりました。
こどもの城は、一般に報道されるニュースでは「老朽化」があるから開館から30年で閉館だということにされています。しかし老朽化は後付けの理由で(施設内設備によっては本当に老朽化しており対処が必要な部分もあります)、民主党政権時代に、「児童館は地方自治体が運営しましょう」という法律が出来てしまったため、日本で唯一国立の児童館である「こどもの城」の行き場所がなくなってしまった、というのが実情です。
こどもの城が担ってきた大きな役割のひとつに、「遊びのプログラムを開発し、全国の児童館に普及する」ということがありました。ですので、いくら児童館の運営を地方自治体に任せようが、そのトップに立つ「こどもの城」がなくなってしまっては、意味がないのです。
現時点では、当分の間、建物は残ることになっています。その間に、新たに「こどもの城」を運営するところが見つかれば、リニューアルオープンすることは出来ます。
少子高齢化の社会で健全に子どもを育成するという意味においても非常に大切な施設です。また青山劇場、青山円形劇場は世界的にも珍しい機構を備えた、文化的価値の高い劇場であり、また稼働率も高く、そこをわずか30年で閉館することは日本の文化を担ってきた一画を崩すことでもあります。
文化を通じて児童の健全育成を担ってきた施設を自らつぶす、この国にはどんな将来が待っているのでしょうか。