岡田克也「民主党」新代表は党大会で代表に選出された結果を受けて、就任後初となる記者会見を行った。以下、記者との一問一答(dpjより引用)
問 決選投票での勝因は?。
答 (今分析するのは)なかなか難しい。1回では結論は出ないと予想していたが、本当に接戦だったと思う。10日間動けなかった中で周りの人によく助けていただいたと感謝している。3人の候補者はいい戦いができたので、これからの党運営に活かしていきたい。
問 安全保障基本法について、やるべきとの意見を持つ党内の人たちをどう説得していくのか。
答 問題は中身だ。集団的自衛権を本当に制限できているのかが問題。基本法を作ったとしても、政府は具体的に数多くの法案を出してきたら、議論はかみ合わなくなる。大事なことは形式はどうであれ、党としての考え方をきちんと整理することだ。
問 人事はいつまでに固める方針か。
答 現時点では全く白紙だ。『オール民主』を考えてしっかりした人事をやらねばならない。方針はそうだが具体的にはまだこれから。
問 演説の中で、政権奪還を目指すということだったが、来年夏に衆参ダブル選挙という見方もある中、その具体的な時期はいつか?
答 まずは次の総選挙だ。ダブルかどうかはわからない、時期が決まっている参院選をしっかり勝つことがまず重要。多数をとって与野党逆転を目指す。問題なのは土俵がまだ決まっていないことだ。定数是正で、わが党は案を出しているが、自民党はまだまとまらない。うかうかしていると時間切れになって違憲状態の選挙になりかねないので、まずは早く土俵を固めるべき。
問 地方議員票では細野候補の方が100票以上多かった。
答 専門家の分析を待ちたい。電話している感じではそう悪くなかったが、電話できる範囲は限られているし、出遅れが響いたと思う。
問 街頭演説の告知が不十分だとか、ブロック集会は党員サポーターしか入れないとか、岡田さん自身のツィッターのアカウントがないとか、代表選は内向きだったのではないか。
答 いろいろな指摘はあると思うが、それをもって内向きとするかどうかは別だ。ツィッターについては、代表になったので考えを改めなければならないが、政治家はあまりしょっちゅう発信することになると、大局を見失うことになることもあるので、よく考えたい。
問 国会論戦が始まるが、党首討論で安倍総理に質したいことは?
答 党首討論よりもまずは予算委員会、代表質問ではないか。私は国会質疑の先頭に立ちたいと思っているが、どこでどう出るかはこれから考えたい。中身はその場によって一概には言えないが、ひとつは経済、もうひとつは戦後70年、3番目は安全保障法制だ。そういったことを中心にしっかりした議論が必要だ。
問 長妻候補は代表選挙中で集団的自衛権にも原発再稼働にも反対の立場を明確にしていたが、党の方針とはどう整合性を持たせるか。
答 私の立ち位置は安全保障に関しては真ん中だと思う。それぞれの立場の人の話をよく聞いてまとめていきたい。長妻さん自身も個別的自衛権を広げて対応しなければならないケースがあると言っている。今のままでは対応できない事態があるかもしれないという認識は長妻さんも私も持っている。あとはそれをどのように法律で構成するかだ。あまり言葉にとらわれて議論するべきではなく、私は自ずと合意形成できるのではないかと思っている。
問 野党再編のあり方について選挙戦でも議論があった。現時点では維新の党と一緒になることは考えられないとおっしゃっていたが、将来の可能性についてはどう考えるか?
答 国会での協力は重要だ。そのためにも政策のすり合わせが必要で、これを可能な限りやっていく責任が第1党にはある。維新の党については選挙期間中も申し上げたが、橋下前代表の『民主党の一部と一緒にやる』という言い方、これは私は受け入れられない。特定の労働組合に対する批判も、われわれと連合との関係は大事だと思うので、ことさらな批判はいかがなものかとも思う。現時点で同じ党になることは到底考えられない。維新が変わればいろいろな可能性もあるかもしれないが、私が言うべきではなく、維新の党の中で決めていただく話だ。
問 長妻さんの格差是正の主張は非常に勉強になったとの発言があった。これまで格差については新代表の発言が多かったとは必ずしも思わないが、今後戦う意味で、新代表のもとで一つの旗にしていこうという考えか?
答 長妻さんの演説は非常に力があった。総選挙の時に彼の応援に入った時に、非常にいい演説をしているなと思った。彼の選挙区でも給食代が払えずに補助を受けている人がいるとか、就学援助の話など、東京でもそうかとあらためて気付かされた。格差は、先進国共通の現象であり、それが政治的な不安定さにもつながっている。日本が率先して答えを出していくことには非常に意味がある。広い意味での格差是正について、しっかり外部の有識者の意見などを聞きながら、政策の一つのパッケージとして打ち出していきたい。
問 きたるべき統一地方選と参院選について。衆院選では全選挙区に立てるべきとの意見もあった。参院選は、維新との調整をやるべきだと思っているか?
答 春の統一選については、候補者がほぼ固まっているが、もちろん女性の候補など追加していきたい思いもある。しかし限界はある。それぞれの地域ごとに他党との関係は異なる。協力しているところも、対立しているところもある。中央で一律に決めず、地域の自主性を尊重していかなければならない。一部には民主党の枠を広げて、三重県が元々そうだが、ローカルパーティ的に広げて戦ったほうがいいところもある。私は弾力的に考えていいと思っている。参院選や衆院選は、理想は全選挙区に立てるべきだと思うが、現実を考えるとそう簡単ではないと思う。お互いに立て合えば、特に1人区は自民党を利することになるだけ。選挙区の候補者の調整は必要な場面も出てくると思う。
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