「こどもの城、青山劇場の存続の署名にご協力をおねがいします!」
大型連休の最終日。初演から28年目を迎えたミュージカル「アニー」の千秋楽。
青山劇場の前で熱心に呼びかける声に多くの人が足を止め、筆を手に取った。
2012年9月28日、厚生労働省が「こどもの城」と、併設している青山劇場、青山円形劇場の
閉館を発表した。改修費用の予算不足を理由に「同施設の役割は終わった」というのが
彼らの言い分だ。
『こどもの城』は「国際児童年」を記念して1985年に開館した国立総合児童センター、
つまり唯一の「国立の児童館」である。全国の児童館のナショナルセンターとしての
役割を持ち、 芸術、体育、科学、保健、保育など子どもの文化と福祉のための
さまざまなプログラムを長年にわたり毎日実施してきた。
『青山劇場』は、全床スライド方式の2面のスライディングステージや
24基の迫りを持ち、当時の日本初のテクノロジーを駆使し「ここでしかできない」演出を
可能にしてきた旗印的な劇場。また『青山円形劇場』は客席中央にステージを配した、
日本初の完全円形劇場。360度の方向から観客の視線を受けるという特殊なステージは、
数々のセンセーショナルな作品作りを可能にしてきた。
また、劇場前広場にある岡本太郎氏制作のモニュメント「こどもの樹」は
その象徴的なフォルムであまりにも有名である。
子どもの生命力と植物の生命力が一体となったこの作品は、
あえて土台を子供を乗せられる高さに設定し、
子供との触れ合い、子供の視点を大切に作成されている。
「この施設を無くしてはならない・・・!」いち早くブログを立ち上げた
宮本徹氏のもとに、次々と賛同者が集まり始めた。
主婦、学生、舞台愛好者、教育者、劇場関係者、俳優、ジャーナリスト・・・・
立場も業種も異なるさまざまな人々が同じ志のもとに集い、
『こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願う有志の会』が立ち上げられた。
共同代表を務めるフリーアナウンサーの有泉慶美氏は
「心と体を育みながら、子育て中の親子が楽しめる唯一の国立大型児童館としての役割は
まだ終わっていない。また演劇など芸術分野でも必要性が重視され、
存続させるべき施設である」と語る。
会の活動は署名活動のみならず、ロビイングやアンケート調査など多岐にわたる。
10万名を目標とする署名数は、今ようやく3分の1ほど集まったところ。
SNSや市民発信の場を活用しながら、草の根的に、しかし根強く声を広げていけるよう活動中だ。
『こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願う有志の会』ブログ
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