放射性指定廃棄物の最終処分場候補地問題で宮城県では行政側と住民側とで意見が割れている。
【候補地選定から環境省による調査まで】
宮城県内の候補地は栗原市、加美町、大和町の国有地が選定されボーリング調査などされたのち3市町からから選ぶようである。
10月に環境省のボーリング調査団が3市町に訪れたが加美町では住民による抗議の座り込みが行われ調査は見合わせになった一方栗原市、大和町では重機を用意して待機していたが3ヶ所同時に調査を行うという地元からの意向があり3ケ所ともに見合わせすることとなった。
加美町では国が決めた候補地選定の条件と当てはまらないのにもかかわらず候補地に選定されたと声を挙げている。処理場用地面積基準などでは不足分を補うため作為的な数字合わせなどもされていたという。
加美町では町民一丸となり見直しを求め反対運動が行われている。
【加美町の経済・産業】
加美町は宮城県有数の穀倉地帯で農、畜産業が主たる産業で3割以上の収入比率となっている。続いて2次産業の製造業であるがこちらは収穫した穀物などを原料とした食品製造業が殆どである。次に3次産業となる。風評被害が起こればそれは町にとっては存続に関わる大きな打撃となる。そのような事態になれば企業の撤退や人口の移動、失業者の増加などが起こることになると警戒する声もある。
【近隣地域の対応】様々な思惑があることだろうが政治的な意味合いもあるのか、宮城県内近隣の市町村自治体は最終処分場問題については沈黙を保っている。
そんな中、隣県の山形県の自治体は事態を重く捉え加美町に協力を求め調査の一行が訪れた
。
11月18日望月義夫環境相は閣議後記者会見で、宮城県内の候補地のボーリング調査について「来年春の雪解けを待って速やかに開始する予定だ」と発言した。来春明確な動きが起きることは明らかなようである。
※ 福島第一原発事故後の放射性物質飛散による汚染された稲わら、牧草、焼却灰、汚泥等
取材日 2014/11/17