隔月刊誌「表現者」が主催して「瀬戸際の日本外交 米中韓そしてロシアと如何にわたり合うか」というシンポジウムが2014年10月24日、評論家の西部邁さんや外交官の東郷和彦「京都産業大学」教授、原洋之介「政策研究大学大学院」特別教授、富岡幸一郎「関東学院大学」教授をパネリストに迎え、都内・四谷区民ホールにて開かれた。
パネリストの一人・東郷和彦・教授は昨今の日韓関係について次のように述べた(47:08-)
「最近の反韓は本当にすごい。朝日新聞の話が出ましたが、吉田(清治)証言というのは1997年の時点で秦郁彦先生と吉見義明先生が『あれはぺたん』だと左派と右派の学者が一致し結論が出て話なのです。(慰安婦の強制連行は)済んだものをもう一度、確認したに過ぎない。現在の日韓関係は本当に難しい。韓国の民主主義・経済発展・韓流の成長がすごくあった。多くの日本人は半ば脅威に思って、半ば『いいなあ』と見ていた。2000年代に『冬のソナタ』が日本で流行ったくらいに、これだけ韓国が成長してくれば、日韓の和解もあるのではないか……というナイーヴな意見もあった。2011年以来、韓国で起きていることは、慰安婦の問題と強制労働の問題(の盛り上がり)と李明博の竹島訪問。そして、日本の側は韓国にはなにをやっても無駄だと、嫌韓本のほうにぽーんと飛んでしまった。これは歴史の認識の不足だと思う。日韓関係でいまいちばん気をつけなければならないのは、強制労働の問題です。強制労働の問題が火をふいたら大変なことになる。その前に慰安婦の問題を片付けないといけない。生存している元51人が生きているうちに、問題を解決しないといけない。それを片付けないと韓国挺身隊問題対策協議会が韓国の世論をつくるようになり、そうなれば、和解の可能性はなくなる。」