震災後の福島県内各地の日常を発信し続けているラジオ福島のベテランアナウンサー大和田新さんのメッセージを皆さんにも紹介します。
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7月26日(土曜)、いわき市小名浜のイタリアンレストラン「don 3」で、テノール歌手の(故)本田武久さんを偲ぶ会が行われた。
本田武久さんは特殊なガンと闘いながら、福島への支援を歌を通して行ってきた。
しかし、震災の年には片足を切断、その後歌手の命とも言える舌にもガンは転移した。それでも本田さんは歌い続けた。命を燃やしながら。
本田さんの兄が、秋田から駆け付けてくれた。
本田さんを看取ったパートナーのヒロさんが挨拶に立った。「人は何歳まで生きたかではなく、生きているうちに何をしたかです。本田さんは最後まで、福島の復興を気にかけていました」と。
ソプラノ歌手・寺島夕紗子さんが父が作った名曲「さとうきび畑」を声量豊に歌いあげた。
次に、原発事故で全町避難となっている浪江町出身の歌手・門馬よし彦さんが「願い」を歌った。
生前本田さんが自身のブログに書いている。
「数ある復興ソングの中で、私は門馬さんの『願い』が大好きです」と。
門馬さんは心を込めて「願い」を歌った。
拍手が鳴りやまなかった。
門馬よし彦さんの「願い」はYouTubeで聴けます。「ラジオ福島・願い」で検索を。
一緒に流れるのは、私が震災の年に携帯のカメラで撮りためた、被災地の風景。
→ http://m.youtube.com/watch?v=K8SOLksIhDI
門馬よし彦さんの故郷は浪江町請戸。140人が亡くなり、今も10人が行方不明になっている。津波で流された門馬さんの自宅から6キロ南には、東京電力福島第一原子力発電所の排気塔が見える。