都議、塩村あやか議員の記者会見(2014年6月24日、場所:日本外国特派員協会)の後半「質疑応答」部分の動画である。前半では終始固い表情だった塩村議員だったが、質問に立った記者の「急に有名人になったから、ここ数日数ヶ月、一挙一動見られて何かあればケチをつけられる。気にされないように(大意)」という言葉を聞いて笑顔をのぞかせ、その後は質問内容によっては笑顔も見せながら答えるようになった。しかしやはり終始笑顔という訳にはいかず、固い表情にすぐ戻ってしまう。
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塩村あやか議員は、凛とした女性に見える。これから起きるであろうゴシップ騒動にも毅然と対応していくであろう思いがその表情からは垣間見えた気がした。政界に入る前のことを面白おかしく騒ぎ立てる周囲もあるが、それも含めて生き抜いてきた女性である。その強さは本物であろう。そして今、議員となり世を良くするために身を粉にしているわけである。その塩村議員の思いを、女性蔑視とも取れるヤジで本質を見失わせた、ヤジを飛ばしたほうの議員の罪は重い。本来考えなければならないこと、それがヤジのおかげで覆い隠されてしまっている。
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塩村議員は、質問を通して自分の思いを改めて明らかにした。女性の抱える様々な問題や動物愛護など、世の中を少しでも良くするための思いは決して揺らいではいないのが伺えた。
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取材者は都民ではないし、その意味で塩村議員を応援する立場にない。しかし、これからも都のため人のため頑張っていこうとする塩村議員の気持ちが、卑劣なヤジで折られることのないよう、また、不要不急のヤジにより前に進まないような事態になるより、良い議会になっていくことを願うばかりである。
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質問内容のあらましは以下の通り。
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Q.これは議場内暴力。ヤジをやっても当たり前じゃないかというのが問題。連絡協議会みたいなものを作る気はないか。
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Q.都議会への手続きを踏もうとしたが受け付けられなかった件について、担当者の対応の印象はどんなものであったのか。また安倍首相の発言がないがどう思うか。
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Q.ヤジで有名な浜田幸一氏のヤジ三原則は「ナイスジョーク」「女性はヤジらない」「活力になること」。今回この件について都民からどういう反応があるか。
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Q.フランスの男性として同情する。この国で女性がどう扱われているかというのを象徴しているのかもしれない。法律が足りないのかもしれない。今後どのように活動していくか。
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Q.内閣府男女共同参画局は、「輝く女性応援会議」ブログの連載開始。安倍首相のメッセージはあるがヤジ問題には触れられていない。どう思うか。
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Q.やった人間が特定できないのは日本にとっても恥ずかしい。本来、名誉毀損や侮辱は罪。議会がしかるべき対応を取らないなら、法的な対応を取る気はあるのか。
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Q.昨日、謝罪されたがどう思ったか。許す気持ちになったか。
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Q.安部総理が国会閉幕の各党の挨拶回りで、みんなの党の浅尾代表に「迷惑をかけた」という話があったが、塩村議員には伝わっているか。お詫びの気持ちは直接話をしてきたと思うがどう思うか。
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Q.地方議会により顕著であるが、記者クラブは与党に近い。今回、塩村議員がヤジをツイートしたり海外メディアが報じたりしなかったらうやむやになったと思うが、どう思うか。
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Q.どのようなメッセージを「古い考え」を持っている男性に伝えたいか。
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Q.当時の映像の表情は切ないように見えたが、前にも同じことがあったのではないか。また、女性の党を立ち上げる気はないか。
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Q.よくあの状況で耐え抜かれたと思う。政治の世界は女性も少ないし、女性が働く場所としてどうなのか。大多数の男性はどういう意識を持っていると思うか。政治家になる前とくらべて女性の地位はどうか。
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取材協力:及川健二 http://www.france10.tv/