日本共産党の志位和夫・委員長は5月24日、渋谷公会堂で催された演説会で基調講演し、集団的自衛権の容認を目指す安倍政権を批判した(以下、志位発言の要旨)。
「邦人輸送を米国の船籍が担うという想定は非現実的です。万が一、朝鮮半島で有事になったとしても、兆候がありますから、まずは民間の輸送機で待避させます。そして船が必要になった場合でも、調べてみますとこの地域にある船は、日本の民間の船・海上保安庁の船・海上自衛隊の船をあわせると、米軍の船よりはるかに多い。だから、米軍の船に(邦人が)乗って来るという想定そのものが成り立たない。現実にはあり得ない想定を、さもあり得るかのように描いて、国民を脅す。これは卑怯千万なやり方ではありませんか」
「本当の危険性はどこにあるのでしょうか。2001年の米軍によるアフガニスタンへの報復戦争、2003年による米国によるイラク侵略戦争の際に、日本は自衛隊を派兵しました。しかし、どちらの場合も、海外で戦争をしてはならないという憲法上の歯止めがガチッとかかっていたために、二つの派兵法に、①武力の行使をしてはならない ②戦闘地域に行ってはならない、と銘記されました。あのとき小泉首相がよく言っていましたね。『自衛隊は行きますが、戦闘地域に行くのではない。非戦闘地域に行く』『自衛隊の行くところが非戦闘地域だ』と。これは誤魔化しの議論なのですが、歯止めがかかっていた。集団的自衛権を認めれば、①②の歯止めがなくなってしまう」
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