経済学者の植草一秀さんは2014年5月23日に「安倍政権の経済政策」について都内で講演した。
以下、論旨。
アベノミクスで喜んでいる人はほとんどいない。では、誰が喜んでいるのか。安倍さん一人、つまり、「安倍のみ、クスッ」と笑っているわけです(会場爆笑)。専門家の間では、「アベノミクス」の正式名称は「アベコベノミクス」といわれていますし、私は「アベノリクス」と書いています。ただ、専門家がもっとも支持する正式名称は「アホノミクス」です。
アベノミクスがもてはやされた理由はただ一つ、政権が発足した最初の半年間で株が上がった、ということだけです。2012年11月14日に8664円だった株価は2013年5月22日に1万5627円に、半年で7-8000円上がった。このこと自体は悪いことではありません。
何故に株が上がったのか。直接の理由は円安が進んだからです。ここ数年、円安になると、株が上がるという影響が明瞭に見られています。2012年11月から2013年5月まで1ドル=78円から1ドル=103円へと円安が進んだ。これによってもれなく株高がついてきました。
では、円安はどのようにもたらされたのか。実はドル高を生んだ背景は、アメリカの長期金利の上昇なんです。