ベストセラー著書に「南京大虐殺」否定の文言が無断で加筆されたとの報道をめぐり、英国人記者である著者(ニューヨークタイムズ元東京支局長)がインタビューに応じました。
問題となっているのは祥伝社が出版したヘンリー・ストークス氏(Henry Scott Stokes)の著書「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」。報道は共同通信が5月8日に配信し、東京新聞などが掲載したほか、The Japan Timesでも英文版が掲載されました。しかし、ストークス氏は翌日、翻訳者に加筆されたと報じられた部分は自分の見解と同じだとする「著者の見解」を発表し、報道の正確性をめぐり波紋を呼んでいました。
インタビューは5月14日、東京都港区の法律事務所内で、事前準備なしに行われました(インタビュアーは日本報道検証機構代表の楊井人文)。
ストークス氏はややうつむき加減で話していますが、原稿はもっていません。ストークス氏は、インタビュアーの質問が書かれた紙を見つつ、慎重に言葉を選びながら答えていました。同行した翻訳者の藤田裕行氏がそばにいましたが、彼がストーク氏の発言に影響を与えるようなことは全くありませんでした(インタビューの最後のストークス氏の発言をご覧ください)。
なお、05:00 で表示したThe Japan Timesの英文記事画像は、このインタビューの2日後、ストークス氏が自ら持参したものです。赤線を引いて、この部分は事実と明らかに異なると訴えていました。
ストークス氏は1938年英国生まれ。1962年フィナンシャル・タイムズに入社し64年初代東京支局長、67年ザ・タイムズ東京支局長、78年ニューヨーク・タイムズ東京支局長を歴任し、日本外国特派員協会の最古参記者の一人。
ここで取り上げた報道は、以下のとおりです。
□共同通信5月8日配信
http://www.47news.jp/CN/201405/CN2014050801001804.html
http://www.japantimes.co.jp/news/2014/05/08/national/history/journalist-backtracks-best-seller-revisionist-switcheroo/#.U3cwHfl_tac
このインタビューの背景事情などは、日本報道検証機構の記事で詳報していますので、あわせてご覧ください。
□南京大虐殺否定「翻訳者が無断加筆」 著者ら否定
http://gohoo.org/alerts/140512/
ロング・バージョンは後日公開を予定しています。
(インタビュアー・解説 日本報道検証機構代表 楊井人文)