4月27日投開票が行われた衆院鹿児島2区補選は選挙区の奄美の島々から圧倒的な票を得た、自民党公認、地元瀬戸内町出身の金子万寿夫さんが66,360票を獲得し他の候補者達に大差をつけ幕を閉じた。TPP、川内原発再稼働、消費税増税、集団的自衛権、政治とカネなど今後の日本や市民生活を大きく左右する重要なトピックが争点となり、東京から与野党の幹部が何人も候補者の応援に鹿児島を訪れる重要な国政選挙だったが、投票率は小選挙区制に変わってから過去最低の45.99%だった。
開票が終了した夜中近く、保守王国鹿児島でリベラル戦線を戦った新党ひとりひとりから立候補した有川美子さんの選挙事務所で記者会見が始まった。彼女の得票は野党連合が支持した2位の打越明石さんの46,021票に次ぐ5,858票だった。
選挙の結果が出るのを1人で見つめていたという有川さんは、この選挙の数字はしっかりと受け止め分析しなければいけないけれど、時代の流れは必ず新党ひとりひとりにくる、そして自民党のような大きな力に勝つには想いを持った人々がみんなで繋がるしかない、これからも弱者に光を当てることのできる政治ができるようになることを目指して活動を続ける強い決意を語った。また、川内原発再稼働に反対して全国から集まったボランティアやカンパや応援の声の力強さに自分自身が絶えず驚かされる選挙だったと言う。これからも私と一緒に走って下さい、と有川さんは記者会見を見つめる選挙を一緒に戦った仲間達に呼びかけた。
有川さんを候補者として擁立した新党ひとりひとりの党首である山本太郎さんも、選挙に負けたからといって諦めるわけにはいかない、と前に進み続けることを強調した。原発再稼働容認の金子さんと打越さんが全体の9割の票を取ったにも関わらず、出口調査では6割の人々が川内原発の再稼働には反対。もしもTPPで牛肉と豚肉の関税が下がれば畜産県である鹿児島は大きな打撃を受け、消費税増税で生活も苦しくなる。しかし保守王国の現実として、自民党の持つ組織票や、島出身である金子さんを国政に送りたいという奄美群島からの圧倒的な支持がそのまま選挙結果となった。鹿児島本土では打越さんが善戦したが、打越さんが金子さんの得票数を上回った有権者数の最も多い鹿児島市の投票率は32.79%で選挙区内で最低。
新党ひとりひとりの初陣は、数字としては惨敗したが、最も保守的でリベラル勢力にとっては厳しい選挙区で選挙をしたことによって学ぶことのできたことは多かった、そして勇気を出して立候補した介護福祉士の有川さん、手弁当のボランティア達や、新しく繋がった人々と共に、今回の得たものを生かして次に繋げたいと山本さんは語った。