2014/04/26 地域
カルデラ火山と川内原発 リスクと利益を比較して社会全体で議論し決断すべき

川内原発再稼働への動きが活発になる中、原子力規制委員会は九州電力の示した「破局的噴火」に対しての想定が甘いとして再考を求めた。

川内原発の立地的な安全性について話すときは、そもそも九州には6つのカルデラがあり、以前噴火で滅んだことのある場所に現在原発が建っている状態であることを知っておくと事情が理解しやすい。

24日に県民交流センターで「カルデラ巨大噴火のリスク評価とリスク管理 〜川内原発再稼働を考える〜」の講演をした火山学者の井村隆介さんは、鹿児島においてのカルデラ噴火の壊滅的な危険性を理解しているので、火山学者として当然噴火の前兆を捉え人々が避難できるように情報を発信し、自分も生き残りたいと考えているが「破局的噴火」は起きてしまえば対応不可能なので「鹿児島では死ぬ覚悟で生きています」と言う。噴火の前兆を正確に捉えることは難しく、前兆を捉えたとしても噴火の内容を正確に予測することは至難の業。

今回の再考が必要とみなされた約3万年前に噴火した姶良カルデラが「破局的噴火」を起こした場合、南九州では300万人の人々が即死し、二次災害として原発事故が起きるので、川内原発が事故を起こした場合に放射能の問題と直面するのは九州よりも北で生活している人々ということになる。そして火砕流は当然高温なので、原発事故に対応することも物理的に長い時間不可能となる。

東日本大震災がそうであったように、自然は想像を超えてくる。川内原発の再稼働については、火山学者や専門家が殴り合いになるくらい真剣に議論し情報発信をした上で、リスクと利益を比較して、行政だけに判断をまかせるのではなく、社会全体で議論し決断するべきだと話した。

プロデュース :蜂谷翔子
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