アジア最大級のトライアスロンレース、世界トライアスロンシリーズ横浜大会まで1ヶ月をきった4月19日。会場の山下公園で「トライアスロンラン講習会 in YAMASHITA PARK」(横浜市トライアスロン協会主催・滝川満弘講師)が開催され、パラトライアスロンにエントリーした秦由加子と長田信久が参加した。二人は片足の太ももからの切断で、義足で競技を行なう。二人は来月のレースに向けて、この1年本格的に取り組んで来た。義足のフィッティング、走りの練習は、慣れるまで大きな痛みをともなう。
アジアパラリンピック水泳日本代表を経験し、トライアスリートとして活動する秦は「1年間は痛みや傷との闘いでした。今は、義足の痛みはありませんが、呼吸など、横浜に向けて、まだまだ課題があります」という。
長田は、バトミントンなど様々なスポーツに取り組んできた。昨年、横浜で観戦し、仲間に誘いをうけたのがきっかけで練習をはじめ、今年になりデュアスロン(スイム・ラン)に出場。トライアスロンレースへの出場は初めてとなる。
スイム・バイク・ランの決められた距離を継続して行ない合計タイムを競うトライアスロンだが、2016年のリオパラリンピックでの正式種目にきまったことで、横浜でもパラリンピックにむけたレースが行なわれている。
<横浜でのトライアスロンについて>
ランだけでフルマラソンを走る長距離の「アイアンマン」に始まり、その過酷さが人気のトライアスロンは、誰にも開かれたスポーツとして障害のあるアスリートの挑戦も含め、欧米を中心に市民スポーツ(年代別のエイジグループと呼ばれる)として急激に参加者を増やしてきた。
エリート競技としてのトライアスロンは2000年シドニー大会からオリンピックに参加。距離を縮め、魅せるスポーツの要素を強めながら日本にも広まっている。横浜では、2009年開港150周年の記念行事として横浜市が世界トライアスロンシリーズを誘致、毎年、山下公園およびみなとみらい21地区を舞台に行なわれている。オリンピック、パラリンピックの出場ポイントを獲得する大会に指定されている。
今年、パラトライアスロンは、5月17日土曜日の早朝6時55分にレーススタートする。はじめてエリートクラスと同じ日に行なわれ、国内外からのエントリーが60を超え募集枠を上回った。リオに向けて新たに、座位、立位、視覚障害からなる5つのクラスが設定され、ワールドトライアスロンシリーズでは初めてのクラス分けも行なわれる。
パラトライアスロンの開催については、地元市民にすらあまり知られていないが、昨年グランドファイナルで好成績を出した国内外の選手を中心に、レベルの高い、迫力溢れるレースが展開されることだろう。当日は早起きし、このレースを見逃さないでほしい。
参考:世界トライアスロンシリーズ横浜 大会公式ページ
http://yokohamatriathlon.jp/wcs/index.html
(取材:パラフォト 映像編集:橋本康二)