先月3月18日に起きた三浦沖の海難事故。パナマ船籍の貨物船と韓国籍の貨物船が衝突し、周辺海域に燃料油が流出。神奈川県や千葉県の海岸などに漏れだした重油が漂着し地元の水産業に影響がでています。
神奈川県によると、現在も貨物船からは重油が流れ続けており、これから最盛期を迎えるひじき漁が三浦から湘南エリア一帯で全面禁止になったままで、地元漁業に大きな影響をもたらせています。
県では速やかな対応と地元漁業関係者への補償などをはじめとした対策を船会社に求めています。
事故から2週間経過したこの日、海岸の清掃を行っていた地元ボランティアの人によると「サーファー達が海に入ると、サーフボードやスーツに重油が付くような状態」だと話していました。
神奈川県は「ひじき漁は今がかきいれ時で事故の影響が長引くと年間の稼ぎがすべてなくなってしまう漁業者も出てくるので深刻な被害と受け止めている」と語っている。
〈4月3日追記〉
三浦沖重油流出事故 ひじき漁に深刻な被害 』の反響と地元漁業組合さんからの声。
昨日、8bit Newsにてこちらの動画をアップしたこと、及びこの件が本日のモーニングCROSSで取り上げられたことを、実際に被害を受けている地元漁業組合の方にご報告とそれに至った経緯や思いなどを率直に伝えさせて頂きました。それに対しての返信をご本人の承諾を得て転載させて頂きます。
是非、現地のリアルな声としてご一読頂けたらと思います。
『 今回、沈没船からの重油流出で漁業者並びに我々水産関係者も漂着と言う懸念されていた事案に直面し、大変なショックを受けております。 ひじき漁解禁直前での重油漂着で、苦渋の決断ではありましたが今季のひじき漁は全地区にて完全禁漁と言う自粛判断を致しました。
生産者でもある漁師さん達は、生活の糧でもあるひじきを収穫出来ない事はかなりの経済的損失です。 現在、漁協としましては県・市・海保・保険会社と緊密な連絡を取りながら状況の調査を行っています。 補償関係に付きましては、保険会社と状況確認作業を進めています。 尚、現時点での実害はひじき・養殖わかめで済んでいます。
我々も、実害については事実を知って頂いても構わないと思っております。 しかしながら消費者の一部の方とは思いますが、相模湾沿岸部に重油漂着のニュースで該当地域で水揚げされる物は油まみれで食べれないなどの誤解から敬遠され始めているとのことです。 この問題は、すごくナイーブな事と思います。
漁師さん達も、もっと現状を公表してと言う思いと上記の様にひじき漁で実害を受けてさらに他の水産物で風評被害を受けかねない状況にとても戸惑いを感じております。 城島さん、この度は暖かいお声を頂戴致しまして本当にありがとうございます。 』
今回、この記事をアップする事で当初から風評被害が起きてしまうかもしれないという懸念はもちろんしていました。それでも、こういう現状があれば遅かれ早かれそういう話は出てしまうとも思いました。もしそれが何処かから中途半端に出たまま放っておかれてしまうのであれば、地元の私が現状を確認しながら出来る限りの責任を持って情報を公開して行く事で、防げる事もあるかなと思い今回の行動に至りました。
私としては、一消費者として安心して食べたいという思いと、この事を知らない人が浜辺に打ちあがったヒジキなどを持ち帰って食べてしまうような2次被害を防ぎたいという思いと、それと同じ位に地元の漁師さん達の補償が外国籍船ということもあり恐らく難航すると思われるので、まわりが声を上げることで少しでもそれが改善する為の力になれたらという思いがあります。だから報道する事で、地元の漁師さん達を苦しめてしまうのはもちろん本末転倒なわけですが、でも風評被害が起きてしまう一番の原因は『本当はどうなのか、よくわからないから』だと原発事故の問題を通して私自身は感じているので、継続してこの件をフォローしていき、出来る限り皆さんに情報を公開して、現状をいろんな声を含めて共有できたらと思っています。それにより皆さんの不安や漁師さん達の不安が少しでも改善できればといいなと思います。