2日に投開票が行われた石垣市長選挙は、自民公明の推薦候補、現職の中山義隆氏(46)が1万5903票を獲得して当選し2期目を務めることになった。大浜長照氏(66)は1万1881票で、4022票の差が開いた。
この市長選挙は、中央政府との連携か国の言いなりにならない市政か、軍備増強による平和か外交による平和か、2つの大きく異なった「平和」の解釈や地方自治の考え方が浮き彫りになる選挙となった。
自民公明がバックについている中山陣営は、石垣市は、沖縄県や国との間にできている太いパイプをこれからも生かし、連携を取りながら市政をしていきたいという考え。それとは対照的に大浜陣営は、中央政府の言いなりになる市政ではなく、石垣市のことは石垣市で決める市政をと主張していた。
告示後、過去に米軍基地や自衛隊が配備されたことのない石垣市に新たに自衛隊を配備する可能性が高いことが明らかになり、大浜陣営はそれを大きな争点とした一方で、中山陣営は全く争点にしなかった。中山陣営は国が求めるならば自衛隊の配備も安全保障の為には必要だという考えだが、選挙戦の間は自衛隊の配備を争点にしないことに徹し、若さ、行動力、実行力や過去4年間の実績をアピールした。告示日に地元紙が行った自衛隊配備の報道に対して小野寺五典防衛大臣が新聞協会に申し入れを行い、石破幹事長も「絶対にない」とはっきりと否定するなど、選挙戦の間も国との連携が密接に行われていた。
一方で大浜陣営は、真の平和は軍備では無く外交でつくるものであり、そのために平和産業である観光を発展させたいと主張していた。自衛隊を配備することによる近隣諸国との緊張関係の悪化、軍事的に利用されること、環境への影響、基地のある普天間などが経験している騒音問題やオスプレイ問題が石垣にもやってくるのではないかと不安を示した。