24日、プーチン大統領の宣戦布告ではじまったウクライナ侵攻。瞬く間に攻撃は首都キエフを含むウクライナ全土に広がった。
ミサイル攻撃に加え地上戦も展開。25日未明、チェルノブイリ原発がロシア軍に占拠されるなど事態は刻々と深刻さを増している。
現地報道によると、攻撃対象とされた軍事施設のみならず、民間人の犠牲者も出ている。ウクライナのゼレンスキー大統領によると、24日のロシア軍による攻撃で、民間人を含む137人が死亡、316人のウクライナ人が負傷したという。
そうした中、香港人のジャーナリスト、Kaoru Ng氏がキエフの今を現場から伝えている。「メディアで報じられない市民の声を知りたい」と先週、ロンドンからキエフに入った。今、8bitNewsでは、Kaoru氏と連携して現地の状況をリアルタイムで日本に伝えている。
現地時間25日深夜、「1時間以内に空爆が始まる」という情報が市民の間で広がり人々が市内の地下鉄の駅を目指し始めた。
ブルームバーグなど一部メディアが「西側高官によると数時間以内に首都キエフが陥落する可能性」と報じていた。
Kaoru氏も午前2時ごろ自宅から徒歩で数分の場所にある地下鉄駅「Ploshcha Lva Tolstogo(プローシュチャ・リヴァー・トルストーホ)」に退避。1981年旧ソ連時代に作られた駅。作家のレオトルストイにちなんで名付けられたという。
停止している長いエスカレーターを徒歩で降りると、地下鉄のホームやコンコースには車椅子のお年寄りから赤ん坊まで、さまざまな人たちが防寒着を纏って避難をしていた。毛布などはなく、床にそのまま雑魚寝で過ごす人たちの様子も映像に収まっている。
Kaoru氏によると、ロシア軍の侵攻直前、若い世代を中心にインターネットの地図にマッピングされた旧ソ連時代の防空壕の一覧を検索するなど、空爆への警戒を強めていたという。
避難から1時間半後の午前4時過ぎ。キエフ市内で爆発の一報。Kaoru氏からも「空爆が始まった」と連絡があった。
「ミサイル攻撃か」「ウクライナ軍がロシア軍機を撃墜した音だ」などと情報が錯綜し、まだ確認が続いている。地下では揺れや音を感じることはなかったという。赤ん坊が鳴き続ける声が響いていた。