12月31日、香港終審法院(最高裁)は、国家安全維持法違反容疑で起訴され、その後、保釈されていた、香港民主派メディア「蘋果日報」(アップルデイリー)の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏(73)の保釈を取り消した。
黎氏は、これまで、香港の民主派を弾圧する中国政府を厳しく批判してきた。昨年8月に逮捕され保釈された後も、12月に別件で逮捕・勾留され、その後「国家安全保障を脅かすために外国と共謀した」として、国安法違反の容疑で起訴されていた。
黎氏は、先月23日、1000万香港ドル、日本円で1億3千万円あまりを支払い、パスポートの提出やネットを使った言論の禁止などを受け入れ、高等法院(高裁)が保釈を認めていた。しかし、今回、最高裁の判断で再び収監されることになった。
これまで香港検察は保釈を認めた高裁の決定を不服として上訴していた。香港中西区議会議員、葉錦龍さんによると、中国人民日報など中国共産党政府の国営メディアは、連日、黎氏の保釈を認めた香港高裁の批判を続けていた。最高裁の判断には中国政府からの圧力があったと主張する民主活動家もいる。
現地で取材を続けるカメラマン、Alex Chan Tsz Yukから8bitNewsに、再収監直前の映像が送られて来た。現場は黎氏の支持者らが集まり、「黎氏は無実だ」「法律の範囲を違法に拡大するな」と言った掛け声が続いた。
マスクをした女性は、「一国二制度は終わった」と書いたプラカードを無言で掲げ続けた。