2020/03/12 地域
民意を無視した独善的な市政運営に保革を超えて声を上げる〜石垣市政を考える 元市議会議員有志の会 会見〜

陸上自衛隊駐屯地の造成工事が進められる、石垣島の平得大俣地区。その北側のおもと集落に取材で訪問予定だった私は、案内してくださる方から「元市議たちが現市政の強引な進め方に反対の声明を出すそうです。急ですが聞きに行きませんか」と連絡をいただきました。場所は背後で工事が行われる開南。重機の音が絶え間なく鳴り響く中での会見となりました。許可をいただき収録させていただいています。

 

■元市議会議員有志の会による声明

石垣市は来る21日に開会予定の3月定例会において、平得大俣地区における基地建設のための市有地売り払いの議案を上程する予定であるとの報道がなされました。

その議案の中身については、予定地に係る市有地22.4ヘクタールの内、13.6ヘクタールを4億1,770万円で売却するとの事であります。

本市における基地建設については、議会において幾度となく議論が交わされてきましたが、賛成反対と議論が二分される中で多くの市民が最も関心を寄せる重大な問題であるだけに、市当局は市民に対し十分な説明と理解を求めることが最も肝要でありますが、とりわけ基地建設に反対する地域住民に対しては、住民の皆さまが抱える疑問点や問題に対し、真摯に向き合い解決に向け努力されたのか否か、はなはだ疑問を抱かざるを得ません。

更に住民投票を求める会の、若者を中心とする多くの市民が集票してきた14,000筆余の署名を基に基地建設に係る民意をあきらかにすべく住民投票が求められたのに対し、いとも簡単に門前払いするなど、まさに民意を無視した独善的な市政運営と言わざるを得ません。

以上のことから多くの市民の不安や疑問を置き去りにしたまま強引に基地建設を推し進めてよいものだろうか?また、多くの市民から基地建設によって自然環境などに影響が出ることへの懸念の声が上がる中、防衛省は2019年施行の沖縄県環境影響評価条例に基づき環境アセスメントを実施すべきであるにも関わらず、基地建設に係る46ヘクタールの内のわずか0.5ヘクタールを2018年度内に着手し、法律の網をすりぬけたとの報道がなされており、まさに法令軽視のごり押し行政と言わざるを得ません。

次に市民にとって最も重要な市民の命をつなぐ水の問題についてでありますが、ご承知の通り本市の水道は原水の大半を白水川と真栄里ダムの表流水でまかなわれており、年間を通してどうしても水不足に陥るため、平得大俣の下流にある大浜第一、大浜第二水源地から取水しているのが現状であります。その豊かな自然環境を有する平得大俣地区において地下水の調査をしないまま基地の建設がされるとなると、果たして私たちの命の水は今後も安全と言えるのでしょうか、はなはだ疑問であります。

以上申し述べましたが、平得大俣地区における基地建設について将来に大きな禍根を残すことになる重大な問題であることから、これまでの市民を置き去りにした議会や行政の運営方法を元市議会議員として、また一般市民として断じて認めるわけにはいかず、よって反対する平得大俣の地域住民に寄り添いながら、共々に手を携え反対していくことをここに宣言します。

令和2年 2月25日 元市議会議員有志の会 一同

小底 嗣洋氏(会代表)、入嵩西 整氏、高嶺 善伸氏、富里八重子氏

大立 致市氏、石垣 三雄氏、吉川 憲光氏、崎枝 純夫氏

 

■会見後の市議会の動向、市有地売却案について(クリックで八重山毎日新聞記事へ)

2月27日 陸上自衛隊駐屯地配備に関する特別委員会で、与党のみで採決し、可決

3 月2日 本会議で採決、11対9の与党多数で可決

 

プロデュース :蔵原実花子
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