2019/10/20 地域
台風19号被害状況 〜 福島県いわき市平窪地区 2019. 10.16 〜

2019年 10月13日未明 玄関に水がチョロチョロと顔を出した。
「お父さん、水だよ!」そう言ってすぐに和室に行ったら畳が浮き上がっていた。それくらい浸水は早かった。
「 茶の間にいたので電話機を外して2階に上がるのが精一杯でした。
そのまま眠れない夜を過ごし、朝起きたら向かいのアパートの1階部分の半分以上に水が来ており、アパートの人は一階にいられなくて二階に避難したんだと後から言っていました。」
 福島県いわき市平窪地区にお住いのIさんのお話です。

 



10月12日から13日未明にかけて日本列島に最接近して主に東日本を中心に甚大な被害をもたらした台風19号。

 

翌朝、辺り一面は湖のようになっていたので出入りも出来なかった。
午後になったら自衛隊のボートが来て、小さいお子さんがいるところに声をかけ
ボートに乗せて水がないところに運んでいった。今まで雨が降ってもちょっと水が溜まるくらいだった。12日、音楽の練習に行った時に色々と災害警報が出ていたが、その時にツイッターとかで情報を得た東京の人から何回も逃げなきゃダメだよって連絡が来たという人もいたといいます。
 
 

10月15日の夜、私はいわき市に入り、翌16日の朝からいわきの友人の紹介で一緒にいわき市内でも被害がとても大きかった平窪地区に持って来たお水を届けて、友人の知人宅で片付けの手伝いをすることになりました。

いわき市はとても広いので、被災状況も様々です。川の近くなど浸水により甚大な被害を受けている所もあれば、大きな被害もなく普通に生活している地域もあります。

ただし、今回はいわき市内でも一番大きな浄水場が被災してしまい広域に渡り断水が続いています。

市内の各所で、特に被害の大きかったエリアでは歩道のあちらこちらに廃棄しなくてはいけなくなった物が山積みに置かれており、一時的に災害廃棄物の収拾場所になっている広い公園もすでに埋め尽くされている状況でした。

訪れた平窪地区では最寄りの夏井川とその支流の河川が氾濫し、地面から2m以上浸水している場所もありました。
一階の大部分は浸水してしまい、皆さん二階に避難されたそうです。訪れた時は水はすでにひいていましたが、訪れたお宅はようやく多くの荷物を外に出せたばかりの状態で、床はまだ泥だらけでした。
私たちはまず床を掃除することから始めました。

このエリアはもちろん断水もしていますので、水がとても貴重でした。お風呂場に溜まっていた泥水なども第一段階で使用しながら、乾いて固くなってしまった泥のついた床に水をかけて少し柔らかくしてから角スコップで刮ぎ、また水をかけて今度はデッキブラシで汚れを落としていき、最後に綺麗な水をかけながら窓用のブラシ付きワイパーを使って水を切っていきました。それを各部屋ごとに一つずつ出来るだけ丁寧に作業していきました。荷物もあったりするので、一人ではとても大変なので最低でも二人必要な作業でした。

 

現地に行く前に準備していったのは、鉄板の入った安全靴(長靴)と普通の長靴(作業や状況に応じて使い分ける為)、ゴム手袋、マスク、チリ避け用のサングラス、首に巻けるタオルや手ぬぐい、汚れても良い長袖、長ズボンと着替え。
その他支援物資として一番必要と言われていたお水(ペットボトルの飲料水と水タンクにお水を入れたもの)を可能な範囲で持っていきました。後は自分で使う飲料水や差し入れなど。
この他に可能であればスコップやブラシ、窓用ワイパーなどこれからボランティアに行かれる方は持参すると喜ばれると思います。
また事前にネットでボランティア保険も加入しておきました。
(こちらは先月の台風15号で千葉に行く際に加入したものですが)

作業としては午前中に3軒周り、必要なところにお水を配ったり様子を聞いて、その中で一番状況の酷いお宅で一日お手伝いをさせていただきました。
午前から午後にかけて床掃除。それが終わったら夕方まで家財の取り出しや大きな家具の解体などをしていました。休憩の時はお家の方とお話をさせて頂いたり、周辺の様子を少しだけ見にいったりしました。
被害状況はお家によって様々なので、作業内容も様々です。
支援物資も今はお水や食料などがとても必要ですが、急に気温も下がり衣類や布団、また学習用品なども失くされてしまったところが多いのでそういうものも必要ですし、何よりまずは廃棄物の処分や荷物の搬入搬出、お子様やご高齢者、ご病気の方などもいるご家庭の生活支援などあらゆる範囲で人手が必要な状態です。
 


いわき市のボランティアセンターが15日から開設し、16日からボランティアの受け入れも行なっていますが、すでにボランティアに来て欲しいと申し込みをしても100人待ちだと言われたそうです。また高齢者のご家庭が優先される為、実際はどのくらいで来るのかわからないとのこと。こうなると友人、知人など繋がりのある人で助け合わなきゃいけません。
実際、この日も地域の方が変わるがわるお手伝いに来たり、差し入れを持って様子を見に来たりと、このご家庭にも色々な方が訪れていました。


少し前まで30℃近くまであった気温が一気に下がり15日の夜には12℃、16日の夜は9℃位まで下がっていました。また雨も降り作業も捗らない中、断水も続き、体調も崩されている方もいて本当に心配な状況が続いています。

今回の台風19号は広域に渡り被害を齎し、未だにその被害状況の全貌がわかっていません。

先月の台風15号で被災された地域では、まだ復旧もままならない状態のまま今回の台風19号により、さらに被害が拡大している所もあると思います。
被災された皆さんの生活もそうですし、多くの畑や工場なども被災しており今後いろんな方面で更に影響が出てくると思います。


今までに起きたことがないような規模の自然災害が年々起きています。
私たちができることは日頃から防災意識を高めていくこと、そして何かあった時は繋がりを大切にしながら助け合っていくしかないのかもしれません。
 

いわき市でも本当に人手が必要ですが、手が必要な場所、物資が必要な場所はまだまだたくさんあります。また昨年は西日本豪雨災害、今年の夏には九州北部豪雨災害が起きたばかりですし、今までに被災された地域もまだまだ復旧復興の途中だと思います。被災地といわれる場所が増えていく中、ボランティアで活動できる人も限られていると思います。まずは自分の生活を整えながら、出来る人が出来る時に出来る範囲で少しずつでも活動したり、支援したり、逆に支援されたりしながら日々を過ごしていけたらいいのかなと思います。何か少しでも動くことで自分にも必ずその経験が活かされてくると思います。

 
その一方で政府や自治体には早急な対策や対応をしっかり現場を見た上でお願いしたく思います。

また必要な支援や物資は時間や状況と共に変化しますし、天候により被災地域での二次災害なども起こることも想定しないといけないので、ボランティアなどで現地に行かれる際は各地行かれる場所の情報をしっかりと把握してから行かれるようにされてください。(Yahoo!防災速報に行かれる場所の地点登録をしておくと避難情報など役立ちます)
 
そして大丈夫なところは大丈夫なので、普通に遊びにいくこともまた支援に繋がります。
 
各地の1日でも早い復旧復興を願っています。
私もまた出来る時に出来ることをしていきたいと思います。
 

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いわき市災害ボランティアセンター(いわき市社会福祉協議会内)
https://www.iwaki-shakyo.com
 
Yahoo!防災速報
https://emg.yahoo.co.jp/

プロデュース :城島めぐみ
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