2019/08/31 芸術
傷痕の物語

「忘れなよ。」「昔のことだ。」「もっと辛い人だっている。」

 

傷痕に浴びせられる「善意」の言葉。

忘れられるなら忘れたいし、好きでついた傷じゃない。
無かったコトに出来ないし、消すことだってできない。

 

ならば、
この傷痕に魔法をかけて、楽しんでやる!うらやまがらせてやる!

 

そうして、傷をつけた奴へ

「「「残念でした!ざまーみろ!!」」」

ってなってやる!!

===

その魔法をかけてくれる人は、実は全然思いも寄らないトコロにもいて、
そこは文学だったり、アートだったり、ジャーナリズムだったり。

 

そしてその魔法は、「生きたい」を凸凹に叫び刻んだ「友」の右手をただ黙って見ている事しか出来なかった(私)までも癒やしてくれました。

 

「友」はボロボロになりながらも、通っていたクリニックの自由帳に書いてある他の人の悩みに一筆加えるような人でした。

 

この動画で、もし少しでも視界が広くなった方がいたら、それはきっと、この「友」が差し出す手を握ってくれたという事。なので「友」はかなり喜びます。

 

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「友」が去ってそろそろ20年。

 

親でも恋人でも無い、友達関係だから「何でそんなにいつまでも悔やむ?」と言われもしましたが、親にも恋人にも言えない事を引き受けるのが友達です。

 

「友」が差し出していた手を握り続ける事が出来なかった、私の「友」が遺していった、かきかけの物語の続きを、色んな人の力を借りて描き足す事ができました。

 

プロデュース :渡辺成人
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