福島県いわき市四倉を拠点に2017年から始まった「福島田んぼアートプロジェクト」。
2年目の昨年2018年は楢葉町でも開催され、3年目を迎えた今年は新たに広野町も加わり現在浜通りでは3箇所の田んぼアートが開催されています。
「福島田んぼアートプロジェクト」を主催する市川英樹さんは、元々は東京電力福島第一原発の作業員として県外から働きに来られていましたが、現在は現地に移住して福島の復興のためにこのような活動をされています。
この田んぼアートを始めたきっかけは福島第一原発への作業に向かう途中、国道6号線から見える風景が震災により手入れがされておらず、かつては地域の食を支えていただろう朽ち果てた田んぼを目撃してとても心を痛め、浜通りの田んぼから福島の農と食の元気な姿を発信することで、浜通りの農業復興に貢献したいという思いを強く抱くようになったのがきっかけだそうです。(福島田んぼアートプロジェクトH.Pから引用)
福島田んぼアートプロジェクトは休耕田を利用し、いわき市四倉にあるトマトのテーマパーク「ワンダーファーム」さんの裏手の田んぼで始まり、2017年2018年は「IWAKI FC」文字を、そして今年は「WONDER FARM」の文字が描かれました。
昨年から始まった楢葉町では、東日本大震災による津波の被害で海沿いの地域の田んぼがたくさん被災してしまいました。そして原発事故の影響によりなかなか復活させる事が出来ませんでしたが、地元の方達と他の地域から来た人たちが力を合わせて、現地の田んぼを再生する取り組みなどを続けて来ました。その延長線上で始まった田んぼアートは昨年はJヴィレッジに因んで町のゆるキャラ「ゆず太郎」がサッカーボールを蹴る様子が描かれ、今年はふたば未来学園の生徒さん達による図柄の提案でスーパーひたちに乗ったゆず太郎が未来への切符を手にして旅立つところが描かれています。
また、広野町では、広野町のゆるキャラ「ひろぼー」と「令和元年 ひろの」の文字、そして民謡「とんぼのめがね」の 作詞家額賀誠志氏が広野町在住のお医者様で往診の途中に子ども達がとんぼと遊ぶ情景を歌詞にした事から「とんぼのめがね」の故郷とも言われており、とんぼも描かれています。
4年前避難指示解除がなされた楢葉町では昨年から今年にかけてスーパーやホームセンター、飲食店などが入った商業施設「ここなら笑店街」や総合グラウンド、屋内体育施設「ならはスカイアリーナ」そして地域住民の方達の声を取り入れながら作られたコミュニティ施設「ならはCAN vas」などがオープンし一歩ずつ着実に復興への歩みが始まっています。そして来年の東京オリンピックの聖火リレーの出発地がJヴィレッジに決まりました。
震災から8年以上が経ち、まだまだ現地での課題は多く残っていると思いますがようやく本当に復興がスタートした感じがします。
現在、各地の田んぼアートは彩りもよく見頃を迎えています。この景色が見れるのは今だけです。
10月には収穫祭もあるようなのでご興味ある方は是非足を運ばれてみてください。
詳細は「福島田んぼアートプロジェクト」で検索を。
H.P http://fukushima-tanboart.com
F.B https://www.facebook.com/fukushima.tanboart
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ー 撮影・映像協力 ー
福島田んぼアートプロジェクト 市川 英樹さん
福島県浜通り移住ライター 山根 麻衣子さん
Five Star (ドローン映像) 松本 淳さん