■安倍総裁に宣戦布告表明
2018年8月10日、9月に行われる自民党総裁選への出馬を表明をした。石破茂元幹事長が、出馬会見を開催し、沢山の報道陣が押し寄せた。
記者陣に配られたチラシには、「正直、公正」とでっかく文字が書かれ、「私は、取り戻します」と明記。会見内では
「財務省の決裁文書改ざんのような重大問題で閣僚が責任を取らないのはおかしい」
と安倍首相を痛烈批判し、対抗心をむき出しにし、安倍晋三総裁への対決姿勢を表明した。
■ゲイレポーターが質問!!
冒頭発言が終わり、質疑応答に移ると、会見に出席していたゲイレポーター、酒井佑人(27)は、真っ先に手を挙げ一番に指名され
「自民党、杉田水脈議員のLGBT関する発言に対し、どのようにお考えですか?また、何らかの処分は必要だとお考えですか?」
「フランスのパクスやシビルユニオンのような同性間によるパートナーシップ、または同性婚についてどのようにお考えですか?」
と質問すると
「いわゆるLGBTの方々は日本国民の、人類と言ってもいいのかもしれませんが、8%おられるといわれています。12・5人に1人です。どんな考え方を持っても自由ですが、あらゆる人に対して人権を侵害することはあってはならないことだと思っております。そういう方々が、一人一人の日本国民として基本的人権を共有し、この日本において生きていかれるために、われわれ政治は力を尽くしていかねばなりません。それが政治の責務なので、それを否定したり、あるいはそういう方々の思いを傷つけて平然としていくということがあってはなりません。われわれ自由民主党は、間違っていることは間違っているときちんと指摘する。そういうような政党でありたいと思っています。『いろんな考え方があっていいからね』ということが、すなわち自由民主党の懐の深さだと私は認識をいたしておりません。おりません」
「そして、同性婚等々については、いろんな議論がございます。両性の合意をもって成立をする。そこにのみという言葉が入っておりますが、これをどのように考えるかということについてはいろんな議論があると承知しております。一部の地方自治体において、そういうことを認めるような動きがあることも、また事実であります。一人一人が差別を受けることなく、人としての幸せを実現していく。そういうような観点に立って、取り組んでまいりたいと考えておるところでございます」
と前向きな回答を示したが、ゲイレポーター、酒井記者の質問した杉田水脈議員の処分についての回答はなく、終えた。
■問われる安倍総裁の独善体制
会見の終盤では、朝日新聞のミナミ記者から
「今日の会見は開かれた感じでオープンに行っているが、一方で民主党時代の官内閣の時から、総理大臣に対するぶら下がりがなくなって以来、総理への取材の機会、記者会見などが減少していることについて、どのようにお考えか?公の開かれた記者会見をどのように確保していくおつもりか?」
との質問が飛び出し、石破氏は
「私は民主主義社会のために、たとえ自分が気に入らないことであっても不都合なことであっても、取材に対しては極力応じるべきだという考え方を今までとってまいりました。従って、そういう思いのもとにこれからメディアとの対応はしてまいりたいと思っております。『なんでこんなこと書かれるんだろう』って悲しいことや悔しいことはいっぱいあります。『なんで分かってもらえないんだろう』ということはあります。しかし、だからといって、メディアを選別したり制限したりすることはあってはならないと思っております。それはものすごい負担でもあるでしょう。ですけれども、それが政治の使命だと自らにそれを納得せしむることは肝要だと思っておりますので、仮にそうなりましたら、ぜひよろしくお願いいたしたいと思う次第です」
と記者会見オープン化を宣言した。
取材&文:酒井佑人(ゲイレポーター)