地元の方から発信して欲しいと連絡を受け駆けつけた岡山市北区菅野。
豪雨でため池の決壊の危険が高まったとして、岡山市の職員がポンプを使って水を放出しています。
ため池を支える堤防の法面が一部崩れ落ちたための措置です。
また、堤防の上が車が通行できる道路にもなっていたため崩落により通行止に。実はこの道がため池の対岸にある集落とをつなぐ唯一の生活道路でした。
残された住民の皆さんは猪やマムシの出る獣道を片道約30分、徒歩で移動するしかありません。
岡山市側は住民に対し堤防の復旧まで3年から4年間。迂回路の建設については目処がたっていないと説明。住民からは落胆や不安の声が上がっています。集落には19世帯が生活していましたが、家を離れざるを得ない世帯も出てきました。電気と上水道は復旧したものの下水道は使用できない状況が続いています。家の建物が直接被害を受けているわけではないので、罹災証明も発行されず、支援の対象からもこぼれ落ちています。
獣道は子どもたちの通学や買い物に出かけるのも徒歩での獣道が唯一の道です。夜7時に日が暮れると真っ暗になるため大人も日が出ているうちにしか行動ができません。
妻と子どもたちと共に集落に残り生活を続ける光本智博さん。建築業を営んでいますが、営業用の車を使うことができません。獣道を歩き、対岸で車を借りて仕事を続けています。
光本さんは市側に早期復旧を求めていますが、明確な返答はなく、不安が募るばかりです。もし集落で火災が発生したら、もし急病人が出たらどうするのか?救急車両が集落に入る手段がありません。いつまでこの生活が続くのか?報道もほとんどされないため孤立感を深めています。
「とにかく知ってほしい。そしてせめて車が出せるように、早く仮設の道を整備してほしい。それができないなら、せめて砂利を敷いたり、照明をつけたりして欲しい、そう思います。行政からは今のところ返答はありません。」
光本さんたちの声が行政に届くことを願います。