2018年6月30日夕方、市民ミュージカル「赤い花の記憶 天主堂物語」の稽古中に登録決定の一報が入った。潜伏キリシタン遺産の候補だった大浦天主堂そばの小学校の体育館には2度、大きな歓声と拍手がなり響いた。5年前からこの世界遺産登録支援市民ミュージカルを作り上げてきた脚本家、出演者などに喜びの声を聞いた。
このミュージカルは、長崎のキリシタンの歴史をテーマにした作品である。世界遺産登録を支援するため、2014年夏の長崎県大村市を皮切りに県内や熊本県天草などで上演されてきた。今回が10回目、最後となる。今年は、3月17日信徒発見の日から稽古をスタートした。毎週末、長崎市内の体育館で練習を重ねている。 幕府の弾圧に耐え、二百数十年の間、潜伏した日本のキリシタンは、どのように希望の花を咲かせたのだろう。なぜ今回、登録が決定したのだろうか。その理由がこの市民ミュージカルには、たくさん詰まっている。
台風が迫る長崎は、発表当日、朝から雷雨。大荒れの天気だった。しかし、昼から日が差し始めた。 帰り道に見た大浦天主堂のマリア像は、より穏やかに輝いて見えた。